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硬券0026 高知県交通

高知県交通㈱は、昭和19年に野村産業㈱のバス部門が独立したものと、数社の統合で高知市に設立されました。
しかし昭和44年には経営不振に陥ったようで、昭和45年に自社で作った桂浜有料道路を県に売却・施設譲渡しており、
また昭和46~49年の間に会社更生法への動きを見せましたが、自主再建することに至ります。

その後は、後年になりバス事業の分社化などがあり、平成26年に「とさでん交通㈱」なる新事業会社設立後、特別清算・解散に合意しました。

当会に残る切符は、まあまあ面白いものもありまして

151高知9宿毛
昭和41年 A型硬券 黄自社地紋 金額式

まずは、バスセンターからの金額式でした。

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昭和41年 A型硬券 青自社地紋 一般式

鉄道の通じていない足摺岬へのもので、土佐佐賀、足摺岬ともに出張所もあったのですね。

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昭和44年 A型硬券 黄自社地紋 社バス内の補充片道券

土佐清水にも出張所がありましたね。

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昭和40年前期頃 A型硬券 青自社地紋 座席指定券 赤線斜1条

「足摺号」などに使われまして、実券も見られます。

このあたりの路線、まだ色んな券は見るのですが・・・

続きまして

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昭和40年 A型硬券 赤自社地紋 一般式 運賃影文字

高知市内の桂浜出張所の発行券です。

桂浜といえば

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昭和45年頃? A型硬券 赤自社地紋 桂浜観光道路通行券 乗用自動車用
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昭和45年頃? A型硬券 赤自社地紋 桂浜観光道路通行券 小型貨物自動車 三輪用

この通行料を高知県交通に払うというのは、この道路は昭和32年供用開始で高知県交通自身が建設した道路だからです。
こういう工事で資金的に無理をしたのでしょうか?この道路は、浦戸大橋南詰から桂浜に下るもので当時は有料とし、高知県交通から高知県へ譲渡された際に無料化となりました。昭和45年12月下旬のことでした。

切符の記号に(I)とか(J)とかふってありますから車両により種類は多かったのかもしれません。

最後に国鉄連絡運輸ですが、バス駅とされたところは結構多く(そのうちのどこにどんな券種があったのかは手探りですが)、
当会に残る、またこだわる硬券として少しだけ・・・

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昭和41年 A型硬券 青自社地紋 一般式 国鉄連絡運輸 2等時代

これは、まだ鉄道がないころの宿毛からの連絡硬券で、ここや土佐中村などにも同じような券が結構見られます。


硬券が少ないのは、むしろ高知東部側で

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昭和34年 A型硬券 赤自社地紋 一般式 国鉄連絡運輸 3等時代

こちらは大杉からの西石原線からのもので、現在までのところ、あまり見ない券かと思います。
天坪(あまつぼ)駅は、改称前の土讃本線繁藤駅です。

他に、補片の連絡硬券が発行されていたところもあります。


資料がまだまだ不十分で、高知県交通の切符の魅力ははこんなものではありませんが、現時点のコラムということで
ご了承ください。

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