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山、どきどき雪

雪山に登りたい。

時は2022年11月。体験を経て山岳会に入会しました。
雪山に登る、ずっとやりたくて、でもお金が掛かると自分にふたをしていた登山欲を満たしたくて。

山岳会に入ると、自分が想像していたよりもずっとはやく予想だにしなかった方向にも展開していきます。
単なる山歩きにとどまりません。
僕がやっているのはアルパインスタイルで、入会前は想像もしていなかったけど岩を登るクライミングもやります。まだですが、氷壁を登る機会もこれから出てくるでしょう。


一番下にいるのが自分。すでに宙吊り状態。

岩を登るのも、雪山を登るのもどちらも緊張感があって楽しいです。

クライミングでは、たった1cmの突起に爪先を乗せて自分の体重を預けます。
腕だけで登るとすぐにパンパンに疲れるので、体全体を支えるルートを確認しながら登ろうとすると、今度は汗で手が滑ってきて焦ります。笑
15分かけて2mの高さしか登れないこともありました。
1cmの太さのロープに宙吊りになり岩場から必死で自己脱出をしたことや、リードクライマーの練習をしていて2mほど落下したこともあります。

岩肌と服が擦れる音、クライミングシューズを岩に引っ掛ける時の「コツッ」と響く小気味良い音、岩に反響して妙に大きく聞こえる自分の呼吸音。
静かに、でもはっきりと耳に入ってくる音。
焦った時の、犬並みに荒くなった呼吸もしっかりと耳に響きます。


ネガティブの反対は、没頭です。
岩を前にして、できるかどうかを呑気に考える余裕はありません。目の前の岩しか見えません。それは雪山でも同じです。


所属する山岳会のメンバーと

2023年1月8日、南アルプスに位置する木曽駒ヶ岳(標高2,956m)に登ってきました。
15kgほどの荷物を持ち、積もった雪をラッセル(雪をかきわけること)しながら進みます。
雪に足を取られるラッセルは思った以上に体力を消費するので、年末に谷川岳で初めて経験した時は、何度も後ろを振り向いて交代してほしい視線を送ってました。笑
ユニクロのヒートテックを着て登ったら思った以上に汗を保持してアウターの内側が凍ってしまったことや、3枚着るだけで氷点下10℃の世界でも案外寒くないこと、山頂でカロリーメイトを食べたらパサパサ過ぎて口の中で砂みたいになったことなど、山に行くと五感が研ぎ澄まされていく感覚が気持ち良いです。

しんどい9割ですが、文脈含めた景色を楽しむために足を前に出してます。
日も出ていない5時前に出発し、西側に沈んでいく月と東から登る太陽に挟まれた尾根を登っていると、夜と朝の間に立っている気がしてなんだか嬉しくなりました。

将棋頭山の尾根から見える御嶽山と月
将棋頭山の尾根から見える朝焼け

今年の12月には青森県の八甲田山に登る予定です。場所によっては2mほど積もるらしいので、今から恐れ慄いています。

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