仙骨と私 その10
その時の私、たぶん27歳ぐらい。
例のヒーラーさん絡みのエピソードで、もう一つ忘れられないものがある。
「性へのブロックがあるので、性器にヒーリングしてください。インナーチャイルドのために、性教育の絵本なんかも読んであげるといいですよ」
と言われたのだけど、私の反応は内心
「はぁ!?何言っちゃってんの?」だった。
私には何故か物心ついた頃から、自分が性というジャンルに関してリーダーシップを取っていける人間だという不動の自信があった。
たぶん、過去生というものがあるなら、そのジャンルに関することをとことん学んだり教えたりしてきた魂なのかな、とか思っている。
小学校で男女別に集められて性教育の授業があった時「私が、こんなことを、教わる立場を今やってる、、面白すぎる!」みたいな、脳がぐにゃっとする感覚があった。
なんせとにかく、そのジャンルに関しては、私に任せなさい!何でも聞きなさい!みたいな謎の自信があった私には、性へのブロックなんて思いもよらなかったし、性教育の絵本だなんてナメとんのか、としか思えなかった。
でも、まあ、言われたから一応ね。
と私は全くやる気なく寝っ転がって性器にヒーリングを、一応してみたんだけど、本当に一切のやる気なくね。
その途端だ。
死ねばいいのに!死ねばいいのに!死ねばいいのに!という言葉と、どす黒いコールタールのようなドロドロしたものが性器から立ちのぼってきて、私はもう布団の中でエクソシストみたいに暴れ苦しみ、泣き喚き、吐いた。
同時に生まれてからこれまで、他人や世の中から投げかけられてきた性に関するネガティブな言葉たちが、走馬灯のように浮かんできてもいた。
私はそんな言葉や空気に影響されている自覚が全くなく、飄々と性を楽しんでいるつもりで生きてきたけど、それらは全部私の体の中にしっかり入り込んでいたのだ。
これは、全人類に共通する呪いだ。と私は直感した。
ひととおり泣いて吐いて、その波が過ぎ去ると、私の体の中は金色の細かい霧のような美しいものでいっぱいに満ちていた。
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