短歌バトル(角川短歌賞)
題名「数字」
6歳の男の子が書く手裏剣は「手りけん」だから裏無し刃無し
体重すら変わらぬ来週には4月世界中には変わるものばかり
座布団を4枚重ねて座る祖父旅立ち私が座る5枚で
25時昨日の延長線の波耳たぶが日付変更線
0と8 2桁で繋がる内線はあだ名みたいな電話番号
7色の色鉛筆であみだくじ書き虹の上反復横跳び
5000億ディナール札をみにいこう中野ブロードウェイの2階に
フルーツタルトその名で並んでいるのなら3種はフルーツのってて欲しい
100m走る競技じゃないんだから0コンマ1の話はしないで
2だった3、5だった6、7だった8、居抜きの店舗構える気持ち
2横綱3大関に勝ったのに負け越すみたいに私は立ってる
ファンクラブ会員番号7と9、あなたと私の間に1人
31アイスクリームのvividなアイスクリームでアイシングする
御茶ノ水駅から歩いて7分の上から見ると「を」みたいな道
7等と書かれたくじと1等と書かれたくじと姉と弟
Roba was not built in a day老婆は1日にしてならず
「徒歩8日」参勤交代する為の江戸の時代の賃貸情報
買い替えることはないはず一生の買い物と思うビブラスラップ
1になる前にUNOと言わなければ1にならずにすむんですよね
「いろはにほ」1のボタンでうてる文字平安時代のフリック入力
鈍角となって初めて気づくこと御機嫌斜めは120度
1000ミリのつもりで買った牛乳が900ミリで天使のわけまえ
数でなく時間で答える「20分」ドライアイスの有無を聞かれて
36回払いすることを誓います健やかなる時も病める時も
私これ30回観たわと言い31回目を観る午後ロー
タバスコを1滴落としただけなのに俺から全滴落ちる程の汗
五人組じゃなくて1人が五組です先頭の人が説明している
卵白を噛み続けたらメレンゲになるのか自由研究2日目
直角を侮るなかれ89、91では遠のくボール
間違えてブラック買っちゃったんだけど2個買うための黒くないウソ
テレビでは歌われない2番の歌詞と1回戦では投げない1番
60℃まではぬるま湯そうか俺カップ麺に生まれたのだな
ブランコが上で一周してるときみたいな短さみたいな高さ
身長が180あるから私コントラバスって呼ばれているの
日劇のスクリーン3のA列の8番の席の半券の染み
グレイとかじゃなくて黒の1つ前くらいに暗い灰に落涙
40年継ぎ足し継ぎ足しやってきた鰻屋のタレこぼせばヨゴレ
九段下駅では味わえないことを飯田橋駅では味わえる
三つ編みをほどく生まれる三つ編みをほどいた記憶シナプスを編む
「白米か五穀米かを選べます」頭は体感白の五分間
100点の2つの0を一筆で1000000000000点なら12の0を
地平線ワンバウンドする太陽をショートバウンドで捕るG・O・D
カツ下の千切りのキャベツから食べる苦手なものをいの一番に
足元の石に何度もつまずいて結局1度も転ばなかった
穴5つ7ポンドの玉、穴3つ13ポンドの玉指あふれる
200番のタバコが出てくる肉まんを注文したのに夜明けの空耳
27探す28しかない世界一デカい1センチメートル
万屋になる為九千二百個の何かを並べる八百屋の可愛さ
五十音選外の五十一音目を御自由にお選びください
地下1階の次は1階0階という概念がないねんなビルは
《追伸》
5月に応募して、10月に結果が出る。
「6ヶ月の間、待つしかないからストレスだな」
って思いきやそんなことはなく。
半年ぶりに、半年前の自分の短歌をみてみたら、
「全然ダメダメじゃん」と、
「やっぱり最高じゃん」と、両方あって。
「文章書くの苦手だけど、31文字なら」
という軽率な気持ちだったから応募できたので、
改めて、軽率だとか、迂闊だとか、ぬるさだとかに、注目してみます。
はい、お疲れぃす。