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岸和田だんじり祭りの歩き方(補筆有り)

そういえば。。。
昔持ってた自身のHPにも同じようなガイドページを作ってたなぁ。

それはさておきw
昨日(22/9/4)数年ぶりに試験曳きを見物に行って、刺激を受けました。
地元の祭りからは疎遠となりましたが、幼少の頃からだんじり(地車)に触れ、岸和田については、それこそ50年近く見に行っていましたから、いろいろお伝え出来る事が有ると思いまして。

ココ25年くらいでしょうか。
全国的にも知られて東京のキー局が地上波全国ネットで紹介したり、朝ドラの舞台になったりして注目度が上がりました。観光バスで訪れる団体、ツアーも増えました。
次第に観客隔離政策(?)も整えられ、40年前は自由に見物出来た祭りも次第に制限が加えられるようになりました。

まぁツアーでお越しの皆さんは「わぁ、凄いねぇ」と興奮して数時間でどっか他の観光地に向かう訳なので、ココでは個人で訪れる全国の祭り好きな皆さんへのガイドに特化して、案内するつもりです。

▪️基本情報

祭りについての情報はいろんなサイトで紹介されてるので割愛します。勉強してくださいw

岸和田市:だんじり紹介ページ

●岸ぶら:地元の人たちが発信する観光サイト

●岸和田だんじり会館:だんじりに特化した博物館、観光案内施設 

●南海電鉄・おでかけ情報

▪️まずは直線(初級)

いろんなサイトで、見どころとして真っ先に出てくるのは「やり回し」です。交差点などの曲がり角を全速力で走りながら曲がる事です。
しかし、やる方もテクニックが必要で危険を伴います。それだけに見る方も危ないので、どの交差点でも見物客に規制をかけています。

なので、初心者の方は、直線で楽しみましょう。岸和田駅前通商店街のアーケード内や、川端筋(塔原線)、イズミヤ下り(春木岸和田線)といった東西方向に走る広い道筋が良いでしょう。時には歩き、時には走りながら通過する地車と曳行する町民の皆さんを全体像として観察出来ます。少し離れてるので迫力はあまり感じないかも知れませんが、あの大音響の鳴り物、特に腹に響く大太鼓には圧倒されますし、そこに絡む篠笛の美しい音色も味わって下さい。

観光客向けの案内マップ

ココで案内マップの画像をご覧下さい。
そう。曳行コース全体は結構広いです。
岸和田だんじり祭りへは、ウォーキングシューズやスニーカー履きがオススメ。何よりも「座れる」ポイントが少ないので脚への負担も考慮すると、オシャレな格好はおススメしませんw

参加町は旧市地区だけで22有ります
それぞれに1台ずつ地車を所有しています。
商店街に近い町だと商人気質、紀州街道筋だと町人気質、海に近い浜の方は少し荒々しい漁師気質(ザックリですけどw)という風に、町によってキャラも違います。見てるだけでも慣れてくると、違いが見えてきて面白いですよ。

マップのだんじり小屋部分には法被のデザインが付けられていますね。各町で法被や飾りの旗、先頭の纏のデザインが違いますから、コレも覚えると面白いです。

アニメや映画、小説もそうですが、キャラの違いが見えてくると、見え方が違ってきて楽しくなります。

▪️より近くで見る(中級)

慣れてきたら少しずつ相手との距離を縮めたいものです。恋愛みたいですねw

かと言って、いきなり触れるのは危険です。当たり前です。大通りから少し狭い道沿いで見物しましょう。それは疎開道や紀州街道といった南北の道です。
紀州街道は江戸時代から有る大阪と和歌山を結んだメインルート。あちこちに古い瓦屋根の家々も有って風情を感じられます。

曳く方も、道が狭い分、神経を尖らせて「チョイ取り」(進行方向の微調整)しながら、幾分ゆっくり走ります。
道の端に寄りながら通過する地車を間近に感じて下さい。
わぁ!男衆たちにぶつかった!
慌てないでw
見物客を事故に巻き込まないように皆さん、横に寄せてるんです。よく観察して身を引いて下さい。特に「チョイ取り」の際は。

ココで構造的な話。
地車が曲がるのはハンドルじゃ有りません。四つ有るコマ(木の車輪)は心棒に刺された形で首は振れません。地車の後ろに有る大きな棒=後ろ梃子を20人前後の男たちが「外」へ引く事で力を加え、ケツを振って進行方向を変えます。大きな地車の真後は前方が見えません。だから屋根の上に数人の男たちが居て指示を出します。彼らを「大工方(だいくがた)」と呼びます。大屋根の一人が団扇を振ると同時に小屋根左右の人が屋根の角を団扇でポン!と叩きます。それを見て後ろ梃子の面々が梃子に付けられた緞子(細い紐状の綱)を引きます。この際に、外に大きく振れるわけです。

だから、道端で見物する際も屋根の大工方の動作を見ておくのが大事なんです。

例えば、細い道の向こうから一台の地車が近付いてきました。
若干見てる自分の方を向いています。
真っ直ぐ整えるには?
自分の方の緞子を持った後ろ梃子の面々が外に振れてチョイ取りする可能性が高いです。
大屋根の大工方がこっち側に団扇を振りました。同時に小屋根の大工方が団扇をパンとしました。目の前に来た後ろ梃子の面々が「せーの、チョイ!」と言うと同時にこっちに寄ってきました。軒下に一歩避難!はい、クリアw
こんな感じです。

あと、のんびり、ゆっくり歩いてたのに急に走り出す事も有ります。

実は参加者たちは祭りの二日間でフルマラソン1回分程の距離を走ると言われます。正直しんどいです。四六時中「走る」なんて無理っ!

時々歩いて、時々走って「加減」しないと二日間もちませんw

その指標になるのが「鳴り物」。
ゆっくりの時は「歩こうよ」と呼びかけ、少し早まると「ゆっくり走ろうか」、早いテンポで「走るぞー」とか「やり回しするぞー」の合図なんです。
だから、鳴り物を聴いてると、この後どんな動きをするか?分かるようになります。

ココで曳行時の持ち場のお話。

先頭に小さい旗を持ったオッチャン達が数人。コレが、この先どっちの道に進むか?交差点で居る係の人たちに知らせる役目ですね。
そして纏持ち。何処の町か?示す為に持っています。
綱の先は、青年団の若手の子たち。
そのすぐ後ろが子供達。
この若手の青年団の子たちは、綱がたるんで子供達が危なくない様に力を入れて綱を張る大事な役目です。小さい子たちに続いて段々大きい子たち、女の子たちと続いて、太い声でソーリャーと引っ張る青年団の面々。そして地車間近の綱元は青年団の精鋭たち。危険な持ち場でもあります。
地車の脇、両側に細い棒を持った人が一人ずつ。この棒=前梃子は、コマの前輪に差し込んで回転を止める役割です。両側同時に差せばブレーキになるし、やり回しの際はイン側のみ差して回転しやすくします。交差点の角で挟まれる可能性が最も高い、最も危険な役目です。
地車の前の台に乗る数人は町の幹部たち。
町会長や曳行責任者など。足元に足踏み式のブレーキが有ります。
地車の上には鳴り物の皆さん、後ろの台の上には後ろ梃子の面々に音頭を取るリーダーの皆さんが乗ります。
前に戻って綱の両側脇には沢山の人たちが団扇を持っています。前の方は子供会の世話役のパパママたち、そして青年団の両脇は、青年団のリーダーの皆さん。時々団扇で「しばいて」w煽る役目も有りますが、やり回し直前にはスタンバイする為に整えたり、一気に走り出すタイミングを合わせる大事な役目も有ります。中でも周囲に目を光らせ、やり回しの際はホイッスルを吹き団扇を高々と上げて合図を出す男前w が一人います。これこそ青年団長!若手のヒーローです。

この団長の合図を受けて、曳行責任者たちがブレーキを解除し、同時に鳴り物が早い調子に上げ、大工方が団扇をさばき、屋根の合図で後ろ梃子が地車を曲げ、見事にやり回しが成立します。

って事で、地車の挙動には多くの人たちの連携で成り立つと同時に団長の合図が全てキッカケとなっている訳です。

見物する際も、団長の様子や大工方、鳴り物の仕草を見ていると、どう動いていくか?先が読めるようになりますよ。

▪️止めてる時に鑑賞

初級、中級ときて上級に行くか?と思ったら寄り道ですw 

地車は「町の宝」とよく言われます。
新調する際は、町民みんなで積み立て金を日々出して、その寄付金で作られるからです。
今では飾りなども含め1億円するといいます。大修理する場合も数千万円掛かります。

地車自体は木製。総ケヤキ造りです。
神社の社殿や五重塔が走ってるみたいなイメージw  寺社造りの細工や細かい彫り物は正に芸術品です。

紙屋町の地車
紙屋町地車、見送りの彫物(三国志)

アートはゆっくり鑑賞したいものです。
でも通常は街中を曳行するので無理です。

おススメは、昼休み。

本祭の前日、試験曳きの日なら、午前中。
宵宮なら午前曳行の後。
本宮の日は、午後、宮入りから帰町して休憩してる時。
曳行中の休憩時は短時間だし、町の皆さんも近くから離れませんが、長いインターバル時は自宅に帰ったり詰所で弁当を食べたりするので、地車近くでじっくり観察できます。

町の人たちも「我が町の宝」ですから、色々説明(自慢?)してくれる筈です。

大北町地車
大北町、台の彫物

因みに。。。
曳き綱は、踏むのはもってのほかですが、「跨がない」ようにご注意を。

▪️やり回しについて

さぁ、やり回し!
ですが、ぶっちゃけ、あんまりおススメ出来ません。昔は間近で見物も出来ましたが、ここ15年くらいで規制が厳しくなりました。
名所「カンカン場」はもちろん、小門貝源、S字、岸和田駅前や船津橋、北町交差点など、やり回しが行われる交差点は、悉く厳重に規制されて、普通の見物客は近寄れません。

なので、やり回しを間近に眺められるポイントは無いと思っておいた方が良いと思います。あまり期待させないでおきます。

でも、らんかん橋交差点、菊右衛門橋、岸和田駅南、岸和田天満宮前交差点、大手町交差点辺りは幾分規制が緩いです。この辺は、やり回し自体がそんなに高速でやらないので、やり回しとはどういうものか?見学するには、この辺が良いと思います。

高速やり回しポイントのカンカン場は遠目に眺めると割り切って楽しみましょう。
岸和田近隣の地元民もそうしてます。

実は、岸和田旧市地区というのはトレンドリーダー的位置付けなんですね。ファッション場勿論、地車の曳き方などのテクニックも旧市から発進され、泉州一帯の多くの地区では10月の祭礼時に、それを研究して実践されるのです。
だから、カンカン場辺りでビデオカメラを回しながらや、腕組みしながら、あーでもない、こーでもない、上手かった、下手やった、なんで当たったか?切り過ぎたか?など、評論家よろしく批評トークに熱くなってる皆さんの脇で見物してると、段々曳き方の奥深さが解って来ると思います

個人的には、カンカン場正面辺り、波切ホール前辺りの少し高い所で見ながら、和歌山方面、大阪方面、両側から近付く町を観察しながら、やり回しを見て、正面奥、小門貝源どっちに曲がるか?見ながら各町の動きを観察するのが面白いです。

例えば宵宮早朝の曳き出し。
和歌山側からまず大北町が飛び出して祭りの幕が切って落とされます。続いて中北町。
一方大阪側からは並松町。
後は南北から交互に、大手、下野、紙屋。。。と続きます。22台一周するのに約20分。
そのうちTwitterでリアルタイムに、あそこがあの交差点で当てたとか、情報が上がってきます。カンカン場に居ながら岸和田の街を俯瞰で見る事が出来て面白いものです。マニアックですが。

▪️行動指針

試験曳きの際も見かけましたが、岸和田駅前通商店街で立ち尽くし「なかなか来ないなぁ」と待ちぼうけする見物客が結構いらっしゃいました。
実は、地車には、時間帯によって集まりやすい、通りやすい道に偏りが有るのです

宵宮早朝の曳き出しの場合。
先ずは全町がカンカン場を目指します。
ガイドには午前6時〜となっていますが、確信犯的にフライングします。トップの大北町が入ってくるのは午前5:45過ぎ。
岸和田駅前では、午前5:50頃、地元宮本町がまず来て、左折(大阪側)へ向かいます。続く筋海、五軒屋、北町も左折です。
曳き出し1周目は全町、駅前に上がり左右に分かれてやり回しします。午前6:30頃からは駅前に上がる台数が減ってきます。2周目以降は駅に上がるマストが無く、カンカン場周辺を回り出すのです。そうなると、カンカン場を中心に紀州街道沿い、疎開道、臨海線沿いで多くの地車を見られます。曳き出しの終わり時間は7:30。実質8時前まで。
この時間帯には各町、自町に帰るルートを取ります。駅周辺の町は駅前に上がります。紀州街道沿いは小門貝源で曲がると真っ直ぐ紀州街道を走って帰ります。浜地区は船津橋左折で疎開道を逆行したり。

各時間帯も同様。どの町がどの道を通ってカンカン場へ向かい、どの道を通って帰町するか?ネイティブのプロの見物人は行動を先読みして移動します。

さて。上のガイドマップ画像をよく見てください。カンカン場を中心にピンクに塗られたエリアがあります。「移動が困難な区域」!!物騒ですねぇw

理屈を知れば納得です。
カンカン場に集まる地車は、やり回しの後、次の小門貝源で右左折。和歌山側は、らんかん橋を直進すると2つのS字を経て、一部は本町奥から疎開道を回ってきます。一部は本町で海側に右折して疎開道へ出ます。らんかん橋を右折した町は、船津橋で臨海線に入り、浜地区の中から疎開道に出るか?カンカン場の外側を通過して北側に向かいます。
小門で左折して大阪側へ向かうものは次の菊右衛門橋を左折して臨海線へ。一旦北上、コーナン(ホームセンター)前でUターンして再びカンカン場へ。
22台殆どがこのエリアに集まると必然的に渋滞します。地車が連なるから一般人は交差点を渡れません。締め出されます。だから、エリアの内側に入ると陸の孤島となる訳です。

だから、カンカン場で見るならベイサイドモール側(外側)で見るべし。駅方向に移動するなら、南側へ。北側はコーナン前まで迂回する必要が出ますから。南側ならエリアが広い分、渋滞せず、隙間が出来て道を渡れます。とは言え、らんかん橋はほぼ常時規制が掛かるので、大手町交差点から市役所方向に上がり、旧26号線を大阪側へ向かうのが賢明。

さて。
南海電車で訪れる場合ですが。。。
日中時間帯、岸和田駅は大混雑です。
また、大きく迂回させられます。
なので、特急、急行で下車したら、ホーム向かい側の普通電車に乗り換えましょう。一つ先の蛸地蔵駅で下車するんです!

蛸地蔵駅から真っ直ぐ海側へ下りたら、そこは紀州街道と疎開道の交差点。祭りエリアの南の端です。

関空から来た場合も、岸和田で下りず、普通に乗り換えて次の和泉大宮駅で下車です。
同様に真っ直ぐ海側へ下りたらコーナンの少し北側、臨海線に出ます。信号を海側に渡って南下すれば、カンカン場の海側(ピンクエリアの外側)にたどり着きます。

▪️トイレと食事と休憩と

さぁ問題はコレですわ。
無意識に行動してるとエラい目に遭いますw
何せ、祭りエリアのお店の人たちは祭りに参加して店は閉めてたりしますからw
みんながそうじゃ無いにしても、開いてる店も混雑します。勿論、地元へお金を落とすのは大事ですが、食事にあり付けない事態を避ける為にもある程度の食べ物やドリンクは準備した方が良いと思います。近年は観光客用に整備されて仮設トイレも設けられています。

炎天下、座れる場所も極めて少ないです。
出来れば、釣りやアウトドア用の小さな折り畳み椅子が有れば便利です。

9月はまだ猛暑。
無理せず、冷房のある施設へ避難しましょう。
カンカンベイサイドモール、だんじり会館、各所のコンビニなどに入って下さい。また、紀州街道沿いには、本町の地車小屋近くに、まちづくりの館という施設が有ります。トイレもベンチも有ります。

最後にこっそりクルマ利用について。

なるべくなら公共交通の利用を。。。

でもね。
宵宮早朝の曳き出しは午前5時半頃には現地入りしておきたい!始発電車じゃ間に合わない!クルマしか無いやん。
浜工業公園という広い公園が有ります。
ココが臨時駐車場になります。
とは言え例年、日が昇った日中は満車になる場合が多いです。早い時間に来るなら。。。という条件付きですね。

因みに朝5時を過ぎたら臨海線は規制がかかり出します。岸和田市内は丸一日、通行止規制。なので、短い区間でも阪神高速湾岸線で向かい、岸和田南ICで下りて下さい。出口を出たら信号を左折、次の信号を左折したら公園入り口です。下道なら遠回りして貝塚側から臨海線を北上、地蔵浜交差点右折で公園入り口です。
ただ、右折なので交差点手前で結構渋滞が起こります。その際は、公園から臨海線を挟んだ海側にも臨時駐車場が設けられるので、少し歩く距離は伸びますがそちらに止める方が賢いかも?
駐車場を出る場合は必ず右折(和歌山側)。
臨海線は丸一日規制が掛かります。
貝塚は迂回して下さい。その際、旧26号線(府道堺阪南線)は祭りエリアのど真ん中を突っ切るので渋滞になります。大阪側へ帰るなら、26号線(第二阪和)を使いましょう。

では楽しい祭り見物を!

(以下、補筆)

▪️町を知る

前半に、岸和田旧市地区は22台の地車が有ると書きました。具体的には、元々岸和田城内に有った岸城神社に宮入りする15台。岸和田駅裏の岸和田天神宮に宮入りする6台。そして、本来岸和田の北隣=春木地区内の弥栄神社に宮入りする春木南です。

岸城神社宮入り
宮本町、上町、五軒屋町(以上抽選無し)。
北町、堺町、本町、中町、南町、大工町、中之濱町、紙屋町、大手町、中北町、大北町、南上町。

岸和田天神宮宮入り
沼町、筋海町(以上抽選無し)。
並松町、下野町、藤井町、別所町。

弥栄神社宮入り
春木南

各町それぞれに特徴が有ります。
例えば、五軒屋は宮入りの際、正面大屋根下に赤いコマ提灯を一列付けます。コレは元々、燈明係を担当していたから。
中之濱(地元では「なかんば」と呼びます)は、正面の番付表示が相撲取りの彫物で纏も軍配。コレは奉納相撲が強かったから。
春木南は駅前パレードの際、大きな大漁旗を掲げますし、纏も鯛デザイン。勿論、漁師町だったから。
こんな風に、纏、法被、地車の形、様々なデザインで自町をアピールしていますから、慣れてくると…あ、あそこの町だ!と判別付くようになります。
また、曳き方にも特徴が有りますから、何処の町が贔屓っていう(推しですね)のが自然に出てきます。
例えば。。。

並松町は、カンカン場や岸和田駅前通商店街のアーケードでは大屋根に二人の大工方が並んでツインで踊ることが有って名物です。

本町の大工方は、昔から片足を上げる「飛行機乗り」が名物です。

五軒屋は昔から代々、大屋根の大工方が黒い着流しを着て踊ります。
昔は他町も結構着流しスタイルが多かったのですが、足元が不安定で敬遠され、五軒屋も一時、法被スタイルになってほぼ絶滅でした。しかし近年、少しずつパレードや宮入りで着流しで踊る大工方も復活しています。

鳴物にも特徴が。

大工町は雷太鼓が特徴。元々大太鼓が太く、他町より重低音が響くのですが、その大太鼓の手数が多いのでカミナリが鳴るように聞こえる訳です。多分、現地でも遠くから響く重低音で大工町が来たと分かりますよw

北町は、やっぱり面打ちの鐘。
地車の鳴物の鐘は、昔、おばあちゃんの家の仏壇前に置いてたような平たい鐘ですね。コレを吊るして「ふち」の部分を叩くのが普通ですが、北町は昔ながらのスタイルで、時々アクセントに平たい部分も叩くカンカンという音が風流です。

春木南もパレードの際だけ、面打ちを披露します。

チキチンの一音目を面打ちする昔ながらの独特のスタイル。聞いた感じはコンチチ、コンチチですかね。

他にも色々有りますがキリが無いです(笑)。色々発見して下さい。

さて。
もうひと項目。。。

▪️三日間の歩き方

推奨コース的に。。。

●2回目試験曳き

(本祭りの前日)
前日リハーサルですが、実際は三日間の祭りの初日みたいなもんですw 
午後2時〜午後4時の2時間のみ曳行します。
翌日「曳き出し」もご覧なら、見物のリハーサルにもなります。

走るのは午後ですが、一部の町は午前中から小屋出しをします。時間に余裕が有れば午前中から祭り気分を味わえますね。

そして走り出す前に見物のスタンバイ。
おススメは船津橋交差点。
大北町を先頭に、浜地区の地車が一気に疎開道を走ってきてカンカン場に向かうポイントです。
カンカン場から一周した2時半頃からは紀州街道へ。瓦屋根の屋敷が散見される街道筋を進む地車を間近に眺めましょうか。
3時前後に各町休憩タイム。その間に臨海線を目指して北上。カンカン場のやり回しを遠目に見つつ、ホームセンターコーナン手前辺りで見てみましょうか。みんな、やり回ししたくてカンカン場に集まるので地車銀座w  ひっきりなしにやって来ますよ。
そして、3時半頃からは駅前へ移動。アーケードで待ってると、駅周辺の町の地車がカンカン場から続々と帰ってきます。

●宵宮


早朝3時半迄に岸和田に入るのがオススメw
夜明け前の静かな直前の雰囲気も味わって下さい。
曳き出しは午前6時〜7:30。
ですがスタートするのは5:45頃!
試験曳き同様、船津橋からどうぞ。

曳き出しは全町、駅へ上がる事になってますから、駅前通商店街アーケードという手も有ります。
しかし、一周したら後はフリー。各町カンカン場周辺から離れないので、6時過ぎには、試験曳き同様に紀州街道がオススメ。

午前の曳行は、9:30〜11:30頃ですが、この時間帯、汐掛け(海沿いの町らしく海水を汲んで地車に掛ける神事)やら、近隣町会同士の親睦会など出掛ける地車が多いです。のんびりとあちこち散策気分でどうぞ。

午後は何と言っても駅前パレード。
全22台が順番に駅前に来てセレモニー、やり回しを披露します。青年団や後ろ梃子の面々が仮装したり装飾を替えたり、趣向を凝らすので見ていて楽しいです。アーケードや駅前周辺で場所取りしましょう。

夜はゆっくり灯入れ曳行。夜店も賑う如何にもお祭りムードでゆったり。地車半分、夜店半分そぞろ歩きw

●本宮(宮入り)

午前中は各神社への宮入り!
初心者の方は、やっぱり「こなから坂」へ。
岸和田城そば、岸和田市役所の前の坂に、岸城神社に宮入りする15台が順番に上がってきます。通常のやり回し、現在は停止線で止まってからスタート、曲がりますが、こなから坂だけは、坂の下から走り出し、そのまま曲がる昔ながらのスタイルが唯一楽しめます。曲がる角の周りは混み合うし、意外と見えないので市役所の玄関前周辺がオススメです。
地元民は数日前から場所取りしてますから、早め(8時くらい?)に着くようにして、小さな折り畳み椅子などで、何気に場所取りしてないようでしてるみたいなスタイルで待ちましょうか。やり回しポイントはソテツの木の影になりますが、坂を上がる様子がよく見えます。

やり回しは別に。。。という人はお城周辺のゆっくり歩くルートだと、お城バックに風流な姿を楽しめます。

もう午後はラスト半日、残るチカラを消化する様に最後のチカラを振り絞って曳き続ける姿を、しかとご覧下さい。特にラストのカンカン場。一回一回キメルート毎に上がる雄叫びにグッと来る筈ですよ。


お気に入りの町が見つけられたら、そのままゴール地点まで追っかけしてもいいかも?
達成感いっぱいの町民の皆さんに感動します。


どうです?
是非存分に楽しんでくださいね。

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