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ワクチン接種の話

特にこれといった思い入れがあるわけでもないのだけれど、最近あった出来事の一つを書き留めておこう。

新型コロナウィルスのワクチン接種の話。

5月下旬にファイザーの一回目を受けることになった。

オンラインで予約を取り(これが一番大変だったと思う。予約枠がなかなか取れない時期だったから)接種日当日は緊張しながら少し早めに家を出た。近所ではあったものの不慣れな場所でもあったため、道に迷って予定時刻に遅れるということを避けたかったためでもある。

私は大型病院近接のワクチンセンターでワクチンを受けることになっていた。病院の入り口に着いて、割と新しい立派な外観を見上げながら、家の近所にこんな大きな病院があることを今更知ったわけだが、思い返してみれば以前、ここの救急に救急車で運ばれたことがあった。あの時はそういえば、仕事の休憩中に歩道を渡ろうとしていたら不意に後進してきた警察車両に足を轢かれ、病院までは歩いて行けなかったので警察が救急車を呼んだのだった。幸いにも大きなけがには至らなかったが、仕事はドクターストップが出され、束の間のバカンス(ちょうど世間は夏休み)を楽し……ではなく、静養を余儀なくされたので大人しくしていた。そんなことをふと思い出した。あの事故のあと、また別件で足首をケガすることになるのだけれど、前世で足首を使って何か悪いことでもしたのだろうか、と思いたくなる。ただ単に運動不足なのかもしれないけれど。

さて、本題に戻ろう。

予約確認メールに記載されている場所になんとか着いたものの、肝心のワクチンセンターの会場はそこではないらしく、入り口に貼り紙がしてあった。なんだなんだ、と思いながらそれを読むと、

「ワクチン会場は、病院正面入り口横です。ご了承ください」

というわけで、最初に見た入り口まで戻ってきた。

ワクチンを受ける前に少し頭を使えということか……。

それならそうと、最初から予約確認のメールに該当場所の説明を入れてくれ、そういうところはやはりずさんだなと思いつつ、入り口横のワクチン接種会場につながる階段をようやく見つけた。

そこにいたスタッフに「保険証とIDを持っていますか。見せてください」と言われ、両方見せると彼女はIDを持ってリストに名前があるかを確認し始めた。私の名前が無事にあったので「二階右手側に進んでください」と指示を受け、階段を上った。この国では予約しててもリストに名前がない、ということは多々あるから、滞りなく関所をまた一つ越えたか、と安堵した。

会場に入ると、受付がありそこで再度保険証の提示を求められたので渡し、そのあとすぐに待合室と思しき、衝立をいくつか置いただけのスペースに案内され、名前を呼ばれるまで待機と指示を受けた。周りには10人くらい待ってる人がいた。

あの場にいたスタッフたちは医療系のボランティアだった。この適当大国にしては珍しく、優しくてテキパキと動いていたため非常にスムーズに物事が進んでいた。

10分もしないうちに、名前を呼ばれついにいくつかあったブースの一つに入る。

こんにちは、と女性が迎えてくれた。簡単な質問を確か10個くらい受け、それらに全部答えたあとどちらの腕が良いか、と聞かれ「左腕が良いと思いますが、何か左右で違いはありますか」と聞くと「あなた右利き?それなら左腕の方がいいわよ」と言われたので左腕にしたのだが後々振り返ってみると正解だった、と思う。

二回目を接種するまでの期間のことが気になっていたので質問をしている間にいつの間にか注射は終わっていた。文字通り、あっという間だった。

そしてブースの前の椅子が何台か並べてあるところに案内され、15分ほど経過観察のため待機を指示された。

きっちり15分後、名前を呼ばれQRコードのついた証明書を受け取った。特に何も説明もなかった。待機時間を含めて約30分ですべてがすんなり終わったことに感動した。

始まりが始まりだっただけにまた何かあるんじゃないかと内心疑っていたけれど、きちんとオーガナイズされ、ここまで手際が良かったのは本当に珍しかったので、「なんだ、やる気出せばできるじゃん」と上から目線で褒めたくなった。

そして家に帰ってから前夜作っておいたポカリもどきと一応アセトアミノフェンを飲んでおいた。何時間か経つと、腕に痛みが出てきて腕が動かしにくくなったのと、夜は体のだるさを感じたけれど特に熱が出ることもなく、他の副作用も出なかった。ただ左腕が動かしにくかったので事前に準備しておいた作り置きのおかずが役に立った。あの動かしにくい腕で料理するのは難しかったと思う。

翌朝もまだ左腕の痛みと昼間では体のだるさはあった。しかし時間の経過とともにそれも落ち着き、痛みもほとんど感じなくなっていた。

こうしてワクチンの第一回目の接種は無事に終わった。

残すは二回目のみ。もう少し間を開けて受けることになっている。二回目の方が副作用が出やすいとも聞いているが、これもまた個人差があると思うので様子を見てみようと思う。

気が向いたら二回目もレポートします。

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