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Vol1 楽訓(貝原益軒)

貝原益軒の「楽訓」の巻上総論の簡単な紹介をします

楽訓の巻上総論の項目は下記のとおり
1人の道
「人身は得がたし。空しく過ごすことなかれ」
2楽しみとは
草木の成長してやまぬように、わが心にも天機が生きてやわらぎよころぶ勢力の絶えないものがある。これを名づけて楽しみという
3楽しみは内にあり
すべての万物の生きる心をのたえてやまぬのを賞し愛でれば、かぎりない楽しみである。これに向かうと心開き、情けよく、道心を感じ、よろこびおこり、物を惜しむ心を洗い去る。これを天機に触発するという。触発とは外物に触れて善心をおこすのをいう。これは外物の養いをかりて内の楽しみを助けるのである 
4学ばぬ人は
学ばぬ人は内外の楽しむを失う
5楽の字
誰でも楽しみが内にあると、徳が身をうるおじ、心はひろく体はゆたかになる
6和楽をむねとして
ふだんは和楽をむねとして、気を養おう
7人とともに楽しむ
われひとり楽しんで人を苦しめるのは天のにくむところ。人とともに楽しむのは天のよろこぶ理で、真の楽しみ
8聖人の道
それは聖人の道の学びである
9和気を保って
和気を保って楽しむ道は、心をひろくして、人をとがめないこと
10人の愚かなのを
人が悪く生まれついたのは、その人の不幸である。あわれんでやらねばならぬ。こだわってうらみとがめ、みずからを苦しめてはならぬ。人が悪いからといって、自分の心の楽しみを失うのは愚かである
11小人には
悪事、非人情はふつうのことだから、恨み怒らぬこと
12不肖の子
天命というのはあるから、みずから苦しみ人を怒って楽しみを失わないこと
13心ここにあらざれば
心がここになかったら見ても見えない。楽しむべき情景が満ち満ちていてもわからない
14心にある楽しみ
明晰な心を持ち世の理をよく思い知り、ものに感動できる人は、天地間の万事を見聞きするたび、耳目をよろこばせ、心を快くするから、その楽しみは無限
15道は内に
富貴も貧賤も、願は外にある。内に道を得なかったなら苦しみばかりで楽しみがない
16内の楽しみを本として
内の楽しみを本とし、耳目を外の楽しみを得る仲介として、欲になやまされず、天地万物の光景の美に感動すれば、その楽しみは無限
17足ることを知る
足る事を知る者は心富めり
18小人の楽しみ
君子は道にしたがうことを楽しみ、小人は欲にしたがうことを楽しむ
19栄枯栄衰
どんな大富貴で幸福な人も、病気なく、長命し、親戚に心配なく、五福備わり、思い通りになる人はまれである。世はこのようであることを知らずに栄枯盛衰に心いためるのは愚か
20身に即して楽しむ
身に即して楽しみ、外を願わないこと。どんな立場でも必ず楽しみ方がある。楽しみは心に生まれついたものだから
21時を惜しむ
人にもし余暇があったら、心おだやかに静かにし、日をながくして、あわてない。老いて残る年が少ないなら、時刻を惜しんで、1年を10年と思って楽しみなさい
22光陰は矢の如く
かねてから悔いのないように、時を惜しんで一日もむだに過ごしてはいけない。今日が暮れても明日があるのをあてにしてはならない。今日の日のうちを日々に惜しもう
23知足の理 
分に安んじて、分外をうらやんではならぬ。分外を願う人は楽しみがなく、憂いが多い。禍はまたここからおこる。愚かというべきだ
24余財あらば
世の中に同じく人と生まれて、飢え凍える人も多い。その不幸をあわれむべき。自分に余財があったら、こういう貧しい人にほどこしをして救い、自分も楽しみ、人も楽しませるがよい
25貧しくとも
貧しきは富めるにまされり、読書は貧者の楽しみ。書を読み道を尊ぶ楽しみは、どんな富貴にもかえがたい
26かぎりある命
かぎりある命のうちの時間を惜しみ楽しんで月日を送りなさい。まして憂い、苦しみ、怒り、悲しんで楽しみを失うのは愚か。
27短い人生
つねに時日を惜しみ、役にたつことをし、善をすることを楽しんで過ごすのは、この世に生きるかいがあるといえよう
28草木までも
 善を好み心おだやかなら、草木までかわいく見える
29従容せまらず
 「従容不迫(しょうようふはく)」を守るべき。心穏やかに静かに、楽しみを持つことを忘れないこと
30心に閑を
 心が静かだと月日が長い
31貧居の楽しみ
 独り座っているのも、楽しみの1つ
32清福の楽しみ
 その身が気楽で、静かで、心に憂いないこと。
33読書と良友
 書を読み、道を楽しみ、良友と対座して道を論じたり、自然を愛でることはすぐれた楽しみ
34天二物をあたえず
 清福の楽しみは富貴よりはるかにまさる。清福を得た人は富貴を願わないこと。二つとも得ようとするのは欲が深く天命にそむく。
35旅行の楽しみ
 景勝の地にあそんで見聞きしたことは、老後まで思い出されて、その時見聞きしたと同じ思いで楽しめる
36忍の理
  怒りと欲をこらえること
37酒は天の美禄
 酒は微酔に飲み、花は半開に見る
38気を養う
 俗曲・民謡を元気にうたおう。気を養える
39勇者と和順
 真の勇者は常に和楽


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