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受けつぎ逆らうもの。映画“ノーザン ソウル”。

観始めて何分かで久々に衒いなく好きだと言える映画に出会ってしまったと解る。

カルトと称される文化のひとつにスポットが当てられるとエモーショナルな感慨が湧き出してくる。きっかけはまずだれかとの出会いでもたらされる。

合衆国北部のクラブミューッジックはのちのChicago House、Detroit Technoと連綿魂の鼓動を塩化vinylに彫琢刻印し世界中のフロアを沸かせることになる。その源ともとれる劇中で使われている、虚勢でなく去勢され得ない楽曲は勿論必然性を帯び、この映画に切実な関わりを持つ。またBluce LeeやBen Shermanと思しきシャツ、バギーパンツ、ひっきり無しに吸われる喫草、“AKIRA”すら思わせる大量に摂取されるアンフェタミンの描写..イギリスの音楽、映画に時折、少なからず現わる鬱屈したワーキングクラスの抱えた光と闇の情景とともに、物語は受けつがれしレベルカルチャーに純度の高い動機を与える。

映像はちから強くもきめ細かい。監督・脚本のElaine Constantineさんが女性であるからかもしれない。The Jamに“That's Entertainment”て曲があるけど映画として正にそこに昇華されている。

とにかく日本で上映されるに至りこころから良かったと思える映画!でした!

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