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備忘録11:胃腸鎮痛鎮痙薬

【登録販売者資格の勉強備忘録:胃腸に作用する薬】

1⃣主な鎮痙成分
a.)抗コリン成分

急な胃腸の痛みは主として胃腸の痙攣によって生じる。
副交感神経系の刺激は、消化管の運動のほか胃液分泌の亢進にも働く。
そのため鎮痛鎮痙のほか胃酸過多や胸やけに対する効果を期待しm副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで、その働きを抑える「抗コリン成分」が用いられる。
《抗コリン成分》
・メチルベナクチジウム臭化物 ・ブチルスコポラミン臭化物
・メチルオクタトロピン臭化物 ・ジサイクロミン塩酸塩
・オキシフェンサイクリミン塩酸塩 ほか
(同様作用の生薬成分:ロートエキス)

【抗コリン成分の適正使用情報】
*散瞳による目のかすみや異常なまぶしさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難を生じることがある
*使用後は乗り物・機械類の運転操作を避ける
*排尿困難の症状がある人、心臓病、緑内障の診断を受けた人は使用前に担当の医師・薬剤師に相談する
*高齢者は使用前にその適否を十分考慮する必要がある
*ブチルスコボラミン臭化物はまれに重篤な副作用としてアナフィラキシーショックを生じる
*ロートエキスは母乳を与える女性は使用しないか、授乳を避ける(乳児に頻脈を起こす恐れ)メチルオクタトロピン臭化物についても、成分の一部が母乳中に移行する
*ロートエキスは母乳を出にくくすることがある


b.)パパベリン
パパベリン塩酸塩:消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用
抗コリン成分と異なり胃液分泌を抑える作用は見いだされない

【パパベリン塩酸塩の適正使用情報】
*抗コリン成分と異なり、自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる
*緑内障の診断を受けた人は使用前に担当の医師・薬剤師に相談する

c.)局所麻酔成分
局所麻酔成分:消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待
オキセサゼインは局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるため胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される
《局所麻酔成分》
・アミノ安息香酸エチル ・オキセサゼイン

【局所麻酔成分の適正使用情報】
*長期間にわたって漫然と使用することは避ける
*アミノ安息香酸エチルは6歳未満への使用を避ける(メトヘモグロビン血症を起こす恐れ)
*オキセサゼインは頭痛、眠気、めまい、脱力感などの精神神経系の副作用を生じる
*オキセサゼインは妊婦、または妊娠の可能性がある女性、小児(15歳未満)への使用を避ける


d.)生薬成分

鎮痛鎮痙作用が期待される生薬成分
・エンゴサク(延胡索) ・シャクヤク(芍薬)

2⃣相互作用と受診勧奨
a.)相互作用

*胃腸鎮痛鎮痙薬を使用している間はほかの胃腸鎮痛鎮痙薬の使用を避ける
(泌尿器系や循環器系、精神神経系に副作用が現れやすくなる)
*抗コリン作用を有する成分を含有する医薬品同士を併用すると、排尿困難、目のかすみや異常なまぶしさ、眠気、口渇、便秘などの副作用が現れやすくなる(抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を併せ持つものがあるので注意)

b.)受診勧奨

医師の診療を受けるまでのとりあえずの対処として一般用医薬品を使用すると痛みのの場所が不明確となり原因の特定を困難にすることがあるので、原因不明の腹痛には安易に胃腸鎮痛鎮痙薬を使用するのは好ましくない
腹部の痛みは胃腸に生じたものとは限らない。
下痢を伴わない痛み>胃腸以外の臓器に起因 腸閉塞 アニサキス症の可能性あり
以下のような場合は医療機関を受診推奨
・次第に強くなる痛み
・周期的に表れる痛み
・嘔吐や発熱を伴う痛み
・下痢や血便、血尿を伴う痛み
・原因不明の痛みが30分以上続く場合
・血尿を伴うわき腹の痛み(腎臓y尿路の病期の疑い)
・小児が長時間、頻回に腹痛を訴える場合


+++++今日のひとこと+++++

「抗コリン成分」と聞くとどうしてもゆうこりんを思い出す。コリン星はいずこへ?

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