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備忘録10:腸の薬

【登録販売者資格の勉強備忘録:胃腸に作用する薬】

1⃣腸の不調

*腸における消化、栄養成分や水分の吸収が正常に行われない
*腸管がその内容物を送り出す運動に異常が生じる
上記の状態を生じると便秘や軟便、下痢といった症状が現れる
水分の吸収>主に小腸 
腸内容物を糞便にする過程で水分量を調整>大腸
以上を生じる原因は腸自体やその内容物によるものだけではなく、自律神経のバランスが崩れた場合でも起こる
交感神経優位>腸管運動低下  副交感神経優位>腸管運動促進
≪腸の不調の原因≫
下痢(急性):体の冷え、消化不良、細菌やウィルスの感染、緊張などのストレス
下痢(慢性):腸自体に生じた病変
便秘(一過性):環境変化などのストレス、医薬品の副作用
便秘(慢性):加齢や病気による腸の働きの低下、便意を我慢し続けることによる腸管感受性の低下

2⃣腸の薬の働き

【整腸薬】腸の調子や便通を整える、腹部膨満感、軟便、便秘に用いられる医薬品
*腸内細菌バランスに影響を与える成分
*腸の活動を促す成分が含まれる

【止瀉薬】下痢、食あたり、吐き下し、軟便などに用いられる医薬品
*腸やその機能に直接働きかける成分
*腸管ないの環境を整えて腸への悪影響を減らす効果を期待する成分

【瀉下薬】便秘症状及び便秘に伴う肌荒れ、のぼせ、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔の症状の緩和、腸内容物の排除に用いられる医薬品
*腸管を直接刺激する成分、
*腸内細菌の働きによって生成した物質が腸管を刺激する成分
*糞便の傘や水分量をます成分

《医薬部外品》
整腸薬と瀉下薬には医薬部外品として製造販売されている製品もある(止瀉薬には医薬部外品はない)
医薬部外品は配合できる成分やその上限量が定められており、効能効果の範囲も限定されている

3⃣主な配合成分

  • 整腸成分:腸内細菌のバランスを整える
    生菌成分:ビフィズス菌、アシドフィルス菌、ラクトミン、乳酸菌、酪酸菌
    その他:トリメブチンマレイン酸塩
    (生薬)ケツメイシ、ゲンノショウコ、アセンヤク
    《トリメブチンマレイン酸塩の適正使用情報》
    *胃腸の平滑筋に直接作用し消化管の運動を調整する作用がある
    *肝臓病の診断を受けた人は、使用前に担当医または処方薬の調剤を行った薬剤師に相談>重篤な副作用に肝機能障害が稀にあるため

  • 止瀉成分
    1)収斂成分:腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し腸粘膜を引き締め(収斂)腸粘膜を保護することで止瀉に働く
    *次硝酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、タンニン酸アルブミン
    (生薬)ゴバイシ(ウルシ科の葉んいつくアブラムシが寄生しその刺激によって葉にできた嚢状の虫こぶ・タンニン酸を含む)、オウバク、オウレ
    *ビスマスを含む成分は収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用を持つとされる

    《収斂成分の適正使用情報》
    *細菌性の下痢や食中毒のときに使用すると帰って状態を悪化させるおそれ
    *急性の激しい下痢、腹痛、腹部膨満、吐き気の症状を伴うひとは安易な仕様を避けることが望ましい(食中毒などが疑われるので)
    *ビスマスを含む成分は1週間以上継続して使用しない
    *ビスマスを含む成分の服用時は飲酒を避ける
    *胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診断を受けた人はビスマスを含む成分を使用する前に担当医もしくは調剤した薬剤師に相談する
    *ビスマスを含む成分は妊婦及び妊娠していると思われる女性への使用を避ける(血液ー胎盤関門を通過するため)
    *タンニン酸アルブミンは稀に重篤な副作用としてアナフィラキシーショックを生じる
    *タンニン酸アルブミンは牛乳にアレルギーがある人への使用を避ける(アルブミンが牛乳に含まれるカゼインというタンパク質から精製されているから)

    2)ロペラミド:腸管の運動を低下させることで止瀉に働く
    《ロペラミド塩酸塩の適正使用情報》
    *食べ過ぎ、飲み過ぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いる
    *食あたりや水当りによる下痢は適用対象じゃない
    *発熱を伴う下痢の場合、血便のある場合、粘液便が続く場合は安易な使用を避ける
    *一般用医薬品の場合15歳未満の小児には適用がない
    *短期間の不況に止める(2〜3日服用しても改善が観られない場合は医師の診療を受ける)
    *胃腸鎮痛鎮痙薬との併用はさける
    *効き目が強すぎて便秘が現れることがあり、稀に重篤な副作用としてイレウス様症状を生じる
    *便秘を避けなければならない肛門疾患がある人は使用を避ける
    *稀に重篤な副作用として、ショック、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症を生じる
    *服用後は乗り物または機械の運転操作(車の運転)を避ける
    *服用時は飲酒をしない
    *母乳を与える女性は使用を避けるか使用期間中の授乳を避ける

    3)腸内殺菌成分
    *腸内殺菌成分は、細菌感染による下痢の症状を鎮める。
    *腸管内に生息する通常の腸内細菌に対しても抗菌作用を示す
    (ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリン、アクリノール)
    (生薬成分:オウバク・オウレン)
    *ベルベリンはオウバクやオウレンに含まれる物質で、抗菌のほか抗炎症作用を併せ持つ
    *タンニン酸ベルベリン:タンニン酸とベルベリンのかごうっぶつ。消化管内ではタンニン酸(収斂作用)とベルベリン(抗菌作用)に分かれてそれぞれが止瀉に働くことを期待

    【腸内殺菌成分の適正使用情報】
    腸内殺菌成分の入った止瀉薬はあくまで下痢の症状があるとき、その症状を間然する必要のある間のみの服用にとどめる
    >下痢の予防で服用したり、症状が治まったのに漠然と服用すると腸内細菌のバランスを崩し、腸内環境を悪化させる恐れ

    4)吸着成分
    吸着成分:腸管内の異常発酵などにより生じた有害な部室を吸着させることで止瀉に働く
    ・炭酸カルシウム ・沈降炭酸カルシウム ・乳酸カルシウム
    ・リン酸水素カルシウム ・天然ケイ素アルミニウム 
    ・ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム
    (生薬成分)・カオリン:カオリナイト等からなる粘土
          ・薬用炭:活性炭

    5)生薬成分
    木クレオソート:過剰な長官の運動を正常化し、あわせて水分や電解質の分泌を抑える(脱水症状を防ぐ)止瀉作用
    歯の使用の場合、局所麻酔作用もある
    注意: 石炭を原料とする石炭クレオソートには発がん性の恐れあり>医薬品として使用できない。

  • 瀉下成分
    ①刺激性瀉下成分
    小腸刺激性:ヒマシ油
    大腸刺激性:センノシド、センノシドカルシウム、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム(生薬成分:センナ、ダイオウ、アロエ(キダチアロエやアロエベラとは別種)、ジュウヤク、ケンゴシ)

    *センノシド(センナから抽出された成分)は胃や小腸では分解されず大腸に生息する腸内細菌によって分解され、その分解生成物が大腸を刺激して瀉下に働く
    *ビサコジルは大腸のうち、特に結腸や直腸の粘膜を刺激して瀉下に働き、結腸での水分の吸収を抑えて糞便の傘を増大させる働きもある。
    *ピコスルファートナトリウムは胃や小腸では分解されず、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて台帳への刺激作用を示す

    【刺激性瀉下成分の適正使用情報】
    ・大量使用は避ける
    ・ヒマシ油は激しい腹痛、または悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦または妊娠していると思われる女性、三歳未満の乳幼児への使用を避ける
    ・腸の急激に動きに刺激されて、流産・早産を誘発する恐れ(特にセンナ、センノシドが配合された瀉下薬については妊婦、または妊娠してると思われる女性への使用は避ける)
    ・ヒマシ油、センナ、センノシド、ダイオウは母乳を与える女性は使用しないか、授乳を避ける
    ・ヒマシ油は腸管内の物質を速やかに体外に排除させなければならない場合(有害部質の誤飲)に用いられる。ただし、防虫剤や殺鼠剤などの使用性武士の誤飲の場合は使用を避ける。(ナフタレンやリンなどがヒマシ油に溶け出して中毒症状を増悪させる恐れ)

    【ダイオウを含む漢方処方製剤の適正使用情報】
    *瀉下を目的としない漢方処方製剤においてダイオウの瀉下作用は副作用
    *瀉下薬の併用に注意する
    *母乳を与える女性は使用しないか、授乳を避ける(母乳を介して乳児が下痢を引き起こす可能性)

    【ビサコジルの腸溶性製剤】
    *ビサコジルの内服薬では、胃内で分解背れて効果が低下したり胃粘膜に無用な刺激をもたらすことを避けるため、腸溶性資材となっている製品が多い。
    *腸溶性製剤(腸内で溶けるよう錠剤がコーティングされているもの)の服用前後1時間以内は制酸成分を含む胃腸薬の服用や牛乳の摂取を避けることとされている(牛乳には胃酸を中和する働きがあるから)

    【大腸刺激性瀉下成分の服用方法】
    大腸刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は服用してから数時間後に効果がでるので、寝る前に服用して起床時に効果を求めると排便リズムも付きやすい。ただし毎日漠然と飲むのではなく、頓服(あらかじめ切れられたタイミングではなく、症状が出たタイミングで飲む方法)として使用するべき。
    *毎日の排便が滞るようなときは以下の大腸刺激性瀉下成分のみに依存しない方法を始動することが必要
    **無機塩類や膨満性瀉下成分の製剤を使用する事
    **成長成分の製剤を並行して使用する事
    **食物繊維を積極的にとること

    ②無機塩類
    無機塩類:腸内容物の浸透圧を高めて糞便中の水分量を増やし、大腸を刺激する事により瀉下に働く
    マグネシウムを含む成分:酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム
    ナトリウムを含む成分:硫酸ナトリウム
    *酸化マグネシウムや硫酸ナトリウムを服用することにより、腸内容物中の塩分濃度が高まると消化管内の水分が引き寄せられる=水分の消化管吸収されにくい=糞便が柔らかくなる

    【無機塩類の適正使用情報】
    *腎臓病の診断を受けた人はマグネシウムを含む成分を使用する前に担当する医師や薬剤師に相談する(高マグネシウム血症を生じる恐れ)
    *心臓病の診断を受けた人は硫酸ナトリウムを使用する前に担当する医師や薬剤師に相談する(血中の電解質のバランスが損なわれ心臓に負担)
    「高マグネシウム血症」:血液中のマグネシウム濃度が異常に高くなる状態。脱力感、低血圧、呼吸障害などが現れ、重症の場合は心停止が起こる

    ③膨潤性瀉下成分
    腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し糞便の傘を増やすとともに柔らかくすることで瀉下に働く。効果を高めるため使用に泡褪せて十分に水分を接種することが重要。
    ・カルメロースナトリウム(カルボキシメチルセルロースナトリウム)
    ・カルメロースカルシウム(カルボキシメチルセルロースカルシウム)
    膨潤性瀉下成分と同様の作用の生薬成分
    ・プランタゴ・オバタ(オオバコ科のプランタゴオバタの種)

    ④ジオクチルソジウムスルホサクシネート
    ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)は腸内容物に水分を浸透しやすくし、糞便中の水分量を増やすとともに糞便を和ら隠し瀉下を期待して用いられる
    【要約】
    ・無機塩類→消化管内の水分量を増加させる
    ・膨潤性瀉下成分→その成分自体が水分を含んで糞便中の水分増加
    ・DSS→界面活性剤の一種で、消化管内容物に水分を含ませやすくする

    ⑤マルツエキス
    腸内細菌が麦芽糖(マルツエキスの主成分)を分解して生じるガスによって便通を促す
    【マルツエキスの適正使用情報】
    *比較的作用が穏やかなので乳幼児の便秘に用いられる
    *水分不足に起因する便秘には効果が期待できない
    *麦芽糖を60%以上含んでいるため、水あめ上で甘く、乳幼児の発育不良時の栄養補給にも用いられる

  • 漢方処方製剤(腸の不調)
    *桂枝加芍薬湯(カンゾウ)体力中程度以下で腹部膨満感ある人
    *大黄甘草湯(カンゾウ・ダイオウ)体力に関わらず使用可/他の瀉下薬との併用避ける/虚弱な人・胃腸が弱い人は副作用でやすい
    *大黄牡丹皮湯(ダイオウ)体力中程度以上/他の瀉下薬と併用避ける/胃腸が弱く下痢しやすい人は不向き
    *麻子仁丸(ダイオウ)体力中程度以上/他の瀉下薬との併用避ける/下痢しやすい人不向き

4⃣相互作用と受診勧奨
a.)相互作用

*止瀉薬と便秘の副作用を生じる医薬品を併用した場合、瀉下薬と下痢の副作用を生じる医薬品を併用した場合は作用が強く現われたり、副作用が起こりやすくなる恐れ
*ヒマシ油と駆虫薬の併用は避ける(駆虫薬と瀉下薬の併用はありうる)
*腸内殺菌成分が配合された止瀉薬と生菌成分が配合された整腸薬うぃ併用した場合、腸内殺菌成分によって生菌成分の働きが弱められる
*瀉下薬を使用している間は、ほかの瀉下薬の使用を避ける
*瀉下薬と緩下(かんげ)作用を示す食品の相互作用に注意

b.)受診勧奨

*医薬品の使用中に原因が明確でない下痢や便秘を生じた場合は、安易に止瀉薬や瀉下薬を使用せず、その医薬品の使用を中止して医師や薬剤師に相談するよう勧める
*げっりは腸管内の有害な物質を排出するための防御反応でもあり、止瀉薬によって下痢を止めることでかえって症状の悪化を招くことがある
*便秘は食生活などの生活習慣の改善が図れることが重要で、瀉下薬などの使用は一時的にとどめることが望ましい。
以下のような場合は医療機関を受診するなどの対応が必要
・下痢や便秘の症状が長引く場合(過敏性腸症候群など)
・発熱を伴う下痢の場合(食中毒菌による腸内感染症など)
・便に血が混ざっている場合(赤痢・腸管出血性大腸菌など)
・粘液便が続いている場合(腸の炎症性疾患など)
・瀉下薬が手放せなくなる慢性の便秘
・腹痛が著しい場合、便秘に伴って吐き気や嘔吐が現れた場合(急性腹症など)

+++++今日のひとこと+++++

ジオクチルソジウムスルホサクシネート??覚えられん。
このノート書き終えるの(勉強再開するのに)3ヶ月かかったわー。
ただただ教科書を書き移してるだけだけどね。
カタカナ地獄に立ち向かうにはタイピングが有効な50代なのさ。

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