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『太陽』が足りない。

東京で一人暮らしして8年。
最初は目黒区民、今は杉並区民。
2年前後で引っ越しをする。

今の家に引っ越したのも急な話だった。
もともと別のところに引っ越したばかりだった。前の家と同じ最寄駅だけど新宿がより近くなって、アパートだけど綺麗で広くて、なによりも以前からお世話になってる不動産の担当のお兄さんが親身になり紹介してくれたのでそこにした。

私は衝動的に決めてしまう癖があるので、内見を三軒くらいしてすぐに決めてしまった。

引っ越し当日。
業者を頼らずに母と姉と私で引っ越しをやった。二階だったのでかなりキツかったが、一人暮らしの荷物だったのでなんとかできた。
夕方に引っ越しを済ませ、夜からは一人でダンボールの中の物を出して整理をしていた。

なるべく生活用品は片付けたかったので、12時くらいまで作業をしていると
『ピーンポーン』とインターホンが鳴る。

こんな時間に誰?!怖い。。
と思いながらも、少し前に管理人のおばさんが訪ねに来たので、また管理人のおばさんかもしれないと思い受話器を持つと、すっごい勢いで男性の声で怒鳴り散らされた。

『おまえ、こんな時間まで何やってんだよ!!!うるせーなー!!!!!』

え!!!!
この怒ってる人は誰?
下の人?
とてつもなく怒ってる。
普通に怖すぎる。

私は慌てながら平謝りをする。
『すいません、一階のかたですか?私今日から引っ越してきたもので、挨拶に行かずにすいません。今すぐにやめますので』
そう伝えると、何も言わずに相手はドタドタと階段を駆け下りて行った。

私は凍りつき、しばらく動けないままでいた。
遅い時間まで片付けをしていた私がいけないのだが、ここまで怒鳴り散らされて、引っ越してきたことに対しては無視をされ去られる。

すぐさま、荷下ろしは中止。
そこから忍足で歩くようにした。

すると、思ったよりこのアパートの壁が薄いことに気づいた。
隣の部屋の声、下の人のトイレを流す音、階段を上り下りする音、これでは11時以降はお風呂にも入らないほうがいいかなとか思ったり二階に上がってくる音が響くたびにまた怒られるんじゃないかとビクビクしていた。

一気に敏感になった私はまたすぐさままた引っ越すことを決めた。

次の日に不動産屋の担当の人に相談したが、一階の人は最近更新したばかりで、映像系の仕事をしてる人だと教えてもらったが、更新したばかりではしばらくはこの人も住んでいる。しかも映像系なら家でフリーランスでやっていたら、ずーっといる。

私も自宅で作業することが多いのに、この人と同じタイミングで仕事してて、また物音で怒鳴り散らされたら嫌だ。

一度は改めて謝りにいこうと菓子折を持って訪ねようとしたが、その人はいつも窓のシャッターを閉めていて、いるかいないか分からない。
郵便ポストも一人だけ厳重に鍵をかけている。

多分この人は色々と敏感な人だ。
一緒には暮らせない。

不動産屋の担当の人には嫌な顔をされたが、私は次の日からひたすら新しい物件を探しまくった。
多分20軒は内見をした。
内見に何度も行く私に不動産屋担当は呆れて途中からもう紹介する家はないと言われてしまった。

そして引っ越したのが今の家だった。

今の家は家賃をいくらか抑えられたうえでマンションで鉄筋コンクリート、角部屋だし、リノベーションされたばかりで綺麗だった。

まぁ、日当たりが悪いのはイマイチだったがすぐさま一階の住人から逃げたかったので1ヶ月で引っ越した。

そして今年で更新になるのだが、多分私はまた引っ越す。
何故ならば太陽が当たらないことでかなりのダメージを受けている。
日が当たらなさすぎて部屋はいつも湿っぽい。
湿度が高すぎて食器や服がカビたりする。
太陽がこんなに大切なのかと思い知らされる。

前の前の家は確かに南向きでとても日当たりが良かった。
西日もかなりだったが、ちゃんと生きてる感じがした。

やはり人間には太陽は必要なのだ。
鬱の人の傾向も引きこもって、太陽に当たらず光合成してないからというのも聞いたことがある。

私は次に物件探す条件としては、ある程度太陽が当たるところを希望する。

ずっと住みたいと思う家に住みたい。

次はどの街に行くのだろうか。
答えは一年後。

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