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バカ塗りの娘


塗っては研いで塗っては研いでを繰り返す日本が伝統工芸津軽塗が繋ぐ父娘の物語。


バカ塗りの娘

少し前にはなるがとある映画館でバカ塗りの娘という映画を観てきた。
バカ塗りの娘は、青森県弘前市が舞台のオール青森ロケだそう。
青森旅をした時に看板や広告でよく目にしていて気になり、地元でも上映されたタイミングですぐに観に行った。


バカ塗りとはバカが塗るやつという意味でなくバカみたいに丁寧に丁寧に研いで塗ってを繰り返していることからそう呼ばれているそう。

弘前市に住む美也子は、津軽塗職人の父親と二人暮らし。津軽塗の売り上げと美也子のパートの収入でやり繰りをしていた。母親は津軽塗一筋の父親に愛想を尽かし、兄は自由奔放に生きている。
いつしか、美也子は津軽塗職人をしてみたいなと思うようになるのだが、父親はあまり乗り気ではない。それでも周囲の反対を押し切り、津軽塗職人を目指す。
この映画には何個か要素が入っていて津軽塗の魅力、職人魂、弘前の春夏秋冬、LGBT、成長物語が
挙げられる。
舞台は、青森県ということもあり春は弘前の桜、夏はねぷた、秋は紅葉、冬は雪景色と四季色とりどりに表現されている。
LGBTは、G。多様性やら選択の時代やら言われているけどまだまだ日本では偏見の目で見られたりもする。特に田舎では…。
そして津軽塗職人の精魂込めた想い。どれだけの日数とどれだけの手間と労力が関わってくるのかが目に見えて分かる。素晴らしい!
津軽塗に関わらず、人の手がかかってできた伝統工芸は美しく鮮やかで魅了させられる。

美也子は、最終的には大きな成果をあげていて笑顔で終盤を迎える。

弘前に出向きたくなる映画、そして身近にある伝統工芸を大事にしたくなる映画であった。



短歌を1首。
塗って研ぎ塗っては研いで繰り返し
 手間ひま時間かけた津軽

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