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道草を食いながら。

急激な冷え込みと、気圧の乱高下の影響か、ここ数週間かなり体調を崩している。
微熱がある(ただし38℃以上にはならない)、ぼんやりと気づくか気づかないかくらいの断続的な頭痛、1時間おきくらいに強めの腹痛が来る、食欲があるが時々吐き気、体全体が重い、頭がうまく回らない、集中できない、といったどれも微妙な症状なので、病院に行くのもわりと難しい。診察室で、何を言ったらいいかわからないからだ。

2日ほど仕事を休んでいるが、正直に言えば、無理をすれば行けないことはない程度の症状ではある。だけど、もっぱら頭を使って解決策やアイデアを考えるような仕事がこの状態でうまくいくとは思えないし、何よりも、通勤時の車の運転で事故を起こさないかが心配だ。だから、「無理しないでいつでも休んでいいよ」という上司の言葉に甘えて、しょっちゅう休んでしまっている。

丈夫な体に生まれなかったことを悔やんでも仕方ないので、僕は僕なりに「なんとかなる働き方・生き方」を模索していくしかない。長時間労働は僕の体に負担になることはもちろん、僕自身の能力の総量を減らしてしまうことは、編集者だったときの働き方で身にしみてわかった。

意図せぬうちに、僕はこれまでずいぶん生き急いできた。憧れの本作りの仕事もしたし、好きな人に好かれるようになったし、欲しいものはほぼすべて手に入れて、夢はほとんど叶ってしまった。こんなにも早く目標がなくなってしまったのは、こどもを産み育てるという選択を選ばなかったからだと思うけれど、そういう願望は元々僕の中にはなかった。新しい命を生むことよりも、すでに生まれてきているこどもで、困難を抱えている人たちの力になりたい、という気持ちの方が強い。

もはや生き急ぐことはない。僕は長生きはしないだろうとは思うけど、「余生」としては残された年月はおそらくずいぶんと多い。
急がず、じっくり、休み休み。道草を食いながら、昼寝をしながら。

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