淡路島の西側を通りながら

淡路島の西浦(西側)を車で通りながら感じたことを記す。

淡路島の西海岸と最近言われているこの辺りは(特に北の方は)最近どんどんと変わっている、飲食店をはじめとする色々な店舗が出店していて、週末は特にものすごい賑わいを見せている、どこも駐車場は混んでいて、店に入るために行列ができているところもたくさんある。

賑わっているたくさんのお店で気になるのは、まちの骨格が建物にあまり適していないように見えるのである。それは敷地の使い方、特に道路との位置関係である。最近できている店舗などのほとんどが道路の西側(海側)に立地しているのだが、敷地に奥行きがあまりないため、道路に近接して建っている建物も多い、さらに淡路島内の交通手段はほぼ車なので、駐車場の確保が欠かせないのだが、駐車場からの歩行者空間が敷地内にあまり確保されていない所もある。この2点がなぜ気になるのか。

この地域は元々ここまでの賑わいを想定していないこともあり、道路は決して広くない、蛇行していて歩道も十分に確保されていないような道路幅員である。こうした道路に近接して建物が配置されると、建物前の空間が窮屈であまり魅力を感じないし、建物前が賑わっているときには単純に危険である。おそらくこうした店舗が建てられることを想定した道路整備ではないこともあり、敷地に奥行がないことが大きな要因だと思われる。しかし、奥行きの小さい敷地でも道路から引きを取り建物の重心と向きが西側(海側)にあるような建ち方をしているところは魅力的にみえる。また建物内の滞在域を2階とすることで道路との距離を取り、海への眺望が開ける作りをしている店舗もある。(単純に眺望を確保するために滞在域を上に上げたのかもしれないが)敷地内に歩行者空間が確保できていない場合、駐車場から道路上の狭い歩道を多くの人が歩くので、危ない。そしてそうした光景は美しくない。

上記のようなことはまちの骨格と使い方が合っていないことで起こっている。もし、今のような店舗の計画ありきで道路整備を考えるとしたら違った計画がありうると思う(当然のことだが)。しかし、簡単に道路を変えることはできないので施設を整備する側が、どの敷地にどう建てるかを考える必要がある(これも当然)。お店の売上という視点だけなら、道路と建物の関係や、お店の外を利用者がどう使うかということはあまりどうでもいいのかもしれないが、同じまちを利用する人にとっては、安全はもちろんのこと気持ちよさや美しさも共有するのである。さらに言えば、魅力的な場所を提供できないと観光地としての魅力も減るのではないか。

これらの施設が計画された当初はこの辺りにお店は少なく、交通量も少なかったので、道路に面した店舗などを計画するのにも違和感がなかったのかもしれないが、今は交通量の多い道路に面したお店をみるとその内装がいくら優れていても、もったいないなぁと思う。

まちの骨格と未来に想像力をもって計画することはまちの魅力につながるはずだ。

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