28歳息子に親ができること:口出しすべきか、見守るべきか?
ブログにいただいた、片付けには関係ない質問に、この記事で回答します(お便りの引用許可はいただいています)。
息子さんの将来に関する相談で、差出人はYさんです。
まず、メールをシェアします。
28歳息子のこの先の選択
ご本人には、すでにメールで返信しています。私の返信の拡大版をシェアしますね。
私なら口出ししない
はじめまして。筆子です。
メールをいただき、ありがとうございます。
私のブログを参考にしていただいているとのこと、大変嬉しく思います。
息子さんの将来について深く悩まれていること、そしてご自身の後悔や葛藤について率直にお話しくださったことに感謝します。
私は、アスペルガー症候群については何も知りませんし、息子さんは日常生活に支障がないようなので、この病気のことは度外視して回答しますね。
普通の(という書き方も変ですが)28歳の息子について、友人にメールで相談されたとき、私は以下のように返信します。
息子さんはもう28歳で仕事をもち、自立しているのだから、本人の選択にまかせてみてはどうでしょうか?
息子さんが、准看護師の資格を取得して働き、一人暮らしをしているのは、すごく立派なことです。
私も5月から一人暮らしを始めましたが、生活費を稼ぐのが大変ですし、3度の食事の支度がとても面倒です。
65歳の私がそうなのですから、28歳でちゃんと自立している息子さんは本当に素晴らしい。ですから、そこまで心配することはないのでは?
正看護師の試験に何度も落ちたり、看護師の仕事が合わないと感じたりすれば、息子さん自身が、「今の仕事はもうやめたい」とか、「別の仕事を探したい」と言うのではないでしょうか?
彼自身が自分の将来を考え、決定することが重要だと思います。
>大きな決断を自分でできない、自己肯定感を持てない大人
たぶん、今まで自分で決断するチャンスがあまりなかったので、決めることが苦手な大人になったのかなと思います。
人間、やり慣れないことはうまくできないものです。
今後は、どんなこともできるだけ本人に決めさせれば、だんだん決断できるようになるでしょう。
それに、正しい決断をさせることにこだわることもないと思います。正しい決断をしたかどうかは、あとになってみないとわかりませんし、考え方次第で、正しいとも間違っていたとも解釈できます。
Yさんは、息子さんが親の期待に応えるために無理をして、本当はしたくない仕事を続けて、深く傷つき、毎日苦しんでいる……そんな事態になることを恐れているのだと思います。
ですが、いろいろなことを自分の裁量で決めることを積み重ねることによって、今よりもっと、決断できるようになり、自信を持つ可能性もあります。
息子さんがつまずくかもしれない石を、先回りして、どかすことを続けていると、この先も、息子さんは大きな決断をできない、自己肯定感が低い人のままです。
息子さんが、本当に決断できない自己肯定感の低い人なのかどうかもわかりません。
Yさんが、そう思い込んでいるだけの可能性もあります。
仮に本当に息子さんが自己肯定感の低い人だったとして、もっと自己肯定感を高めてほしいなら、自分で決めてその結果を引き受ける体験をさせることが不可欠です。
ブログを通じて、片付けや整理整頓が苦手で汚部屋でずっと暮らしている方から、お便りをもらいますが、この人たちは、片付けができないのではなく、これまであまりやってこなかっただけです。
つまり、経験値がないだけ。
経験値とは、知識を得るだけでなく、得た知識を実際に活用し、成功や失敗を経験することで得られる深い理解やスキル、判断力です。
人がもっとも経験値を得られるのは、失敗したときです。
ですから、あえて、息子さんに少し冒険をさせてあげたほうがいいと思います。
いずれにしろ、今、息子さんがそれなりに毎日楽しく仕事をしているなら心配は無用でしょう。
Yさんがお子さんの幸福を願う気持ちはよくわかりますが、これまで口出ししすぎたことを後悔しているなら、これからは口出しを控えればいいのではないでしょうか?
息子さん自身が考え、決断できるようにサポートできる準備をしておき、アドバイスを求められたら率直な意見を言う形がいいと思います。
「お母さんはいつでもあなたの味方だから、困った時はいつでもサポートするよ、遠慮しないで私に相談してね」
そんな気持ちを息子さんに伝えてください。
親としての意見を伝えることは悪いことではないし、ある意味当然ですが、それが息子さんの選択の幅を狭めるものであってはならないと感じます。
息子さんが必要以上に親の意見を聞くタイプならなおさらです。
私なら、「看護師の仕事がきついなら無理にやらなくてもいいと思う」ぐらいは言いますが、その後のことは本人にまかせます。
私の娘は来月26歳になりますが、ダブルワークをして身体をこわしたので、「夜はちゃんと寝なさいよ」とか、「夜勤のない仕事に変わったら?」みたいなことは、私もたまに言います。
でも、娘は基本的に自分のやりたいようにやるので、痛い目を見て、そこから学んでもらうしかないと思っています。
最後に、息子さんの将来が明るく、彼自身が満足できるものになることを心から願っています。
いつもブログやnoteをごらんいただき、ありがとうございます。また何かありましたら、いつでもご連絡ください。
今後ともよろしくお願いいたします。
筆子