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三菱鉛筆9800 其の一

現在、まだ比較的探しやすい古い9800。そんな中でも、このデザインの箱は比較的少なくなってきました。

真ん中に赤文字で『トレーシング用・特許製図用』と書かれている。現行には無い。


裏面はイラストなんかも描かれて、他の箱とは全く違います。

1ダース¥120


9800の歴史は1946年に始まります。
トンボ鉛筆が其の前年、1945年に8900を世に出した翌年のことです。

両社とも、戦後の混乱期に発売した商品ということもあり、其のパッケージデザインは変わりに変わりました。

トンボ鉛筆さんは調べるとこういう資料があっさり見つかるから羨ましい…
(画像クリックでリンク先に飛べます)

トンボ8900の超絶初期デザイン各種


この画像の上二つに該当する9800のデザインを、私は知らないのですが、一番下に該当する9800のデザインはコレです。私は『茶箱』と勝手に呼んでおります。

現行より凝ったデザインとはこれ如何に


其の次に確認できた古い9800の画像がコレです。
現行に通じるデザインになっていますね。

真ん中の赤文字部分が違っている

ただ、コレもよく見ると左下にJISマークが入っています。
鉛筆にJISマークが付けられる様になったのが、大体昭和27年頃らしいので、この写真の個体も古くて昭和27年以降の物だと思います。

さて、ここで疑問です。
先程の『茶箱』からここまでの間に、デザイン変更はなかったのか?
私は、ひょっとしたらデザインは同じでJISマークの入っていない箱があるのではないかと考えています。

というのもトンボの所謂『緑箱』の製造期間を見ていただけるとわかりますが、かなり短い期間です。
8900はその後、現行に通じるあのデザイン『ナメクジ箱』に変わります。あ、勝手に付けたあだ名ですから大きな声で言うのは禁物です。

マイ・ナメクジ箱 8900

三菱とトンボは別会社ではあるものの、其の販売価格からモデルチェンジの時期までかなりシンクロしています。
つまり、三菱の『茶箱』9800がそれ程長期間、販売したとは想像できないというのが根拠です。
物的な証拠も何も無いのであくまで妄想ですが。

私は『ぬるま湯コレクター』なので、常にネットを巡回したり、日本各地の骨董市・骨董品店・蚤の市を巡るなんて事はしないので、それを手に入れる事も真実を知る事もないでしょうが、空(妄)想で遊ぶのも楽しいので良しとします。

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