MSIのメタを振り返りつつDFMの評価を固める。 その1

MSIのDFM記事を書こうと思っていたらいつの間にかMSIが終わっていた。なので今回はMSIのメタを振り返りつつ、DFMのメタ読みは正しかったかどうか、余力があれば課題はどこだったかを考えてみたい。
例のごとく視聴した試合からの感想がメインであり、全試合を見たというわけではないうえに振り返って視聴もしていないのでおぼろげである。
書いてて長くなりそうなので何回かに分けます。今回はDFMの話しはありません。

ADC育成対人型RTA


MSIのメタを一言で表現するならこれ。13.1の異常ともいえるBotレーン編重から違った意味でBotレーン編重になっていた。
使用しているチャンプは違えどやってることは変わらなかったが違いがあるとするならば育成要素だろう。
主役がジンクス、アフェリオス、ゼリ、ザヤという半数が3コアからが本番のチャンプになったことに咥え、そんな晩成型のADCが3コア集めないと倒せないタンクが続々とメタに浮上してきたことが主な理由となる。これにはDPSを出せるようなAP型Midレーナーが現れなかったのも関係するだろう。Midはバースト型かタンクの2択だった。

育成対人型RTAを最も強く意識していたLPL


1.リターンの中身が大事BLG


この育成対人型ということを意識していたのはLPLだった。特に象徴的だったのがBLGで、相打ち上等とも思えるような早期のタワーダイブを積極的行っていた。
3人でタワーダイブをした結果、こっちは2デス1キルで収支はマイナス。けれど相手のADCを初手で倒したので互いのADC間だけで言えば0キル対1アシストなのでヨシ!経験値でも有利が取れたのでヨシ!相手のサポートに2キル献上ヨシ!
で、問題ないとしていた。あくまでこのRTAが対面との対比によって優劣が発生しているものである、対称はADCのみである、という認識だったのも独自発想だった。ハイリスクローリターンだとしても少ないリターンの中身が大事、ということなのだろう。多分他チームでは全体ゴールドの視点からでしか語られなかった要素だ。

2.13.1の姿勢を全く変えなかったJDG


常道から逸れまくりのBLGに対してJDGの志向はリスクを嫌い、小さなリターンを積んでいこうという印象だったが、他チームと決定的に違かったところといえば13.1のような試合展開をほぼそのまま13.8の環境に移植してきた点だろう。13.5のマークスマンSUPの陳腐化によって他チームはBotレーン編重と言えど他のリソースを割くまでではないだろうとイメージしていたところを13.1の比重そのままで試合に臨んでいた。この意識もほとんどのチームには見られなかった点といえる。
BLGのような過激な行動を行わずに有利が取れると見込んでいたのは自チームのBotコンビが世界一だとの自負からだろう。

MSI独自メタ


1.サイオンダイブ


今年のMSIといえばこれ、赤側でサイオンをピックした際に行われていたサイオンダイブだろう。名称が分からないのでここではサイオンダイブとする。
内容はTopレーナーにサイオンをピックさせ、Lv1からのインべードで青側Botサイドの森をTopとJGで掌握、Lv3になったJGとサイオンがそのまま青側のタワーにダイブするというもの。Botサイドの森をクリアしてダイブする頃にはまだ青側BotレーナーのLvが1なので抵抗すれば2デスは確定、敬遠すればBotレーナーにミニオンの金も経験値も入らないという戦法だ。
タワーダイブするうえでサイオンは死亡、相手のTopはフリーファーム、サイオンは絶望的な状況からのレーン復帰とデメリットも一応あるがこの世界はADC育成RTAだということやTopはタンクが多くピックされていたことから多少のゴールド有利が発生したところでソロデスしないし、チームダメージにも直結しにくいとデメリットが顕在化しにくいカウンター無しのプレイだった。
一応カウンターとしての行動も発明されたが青側のBotレーナーがビハインドを背負う、という点は不可避だったため、本当の意味でカウンター無しのプレイだった。
T1が初披露したが、原典はどうやらLECらしい。

2.Midノーチラス

こちらもLECが初?だった気がする。G2が見せたMidノーチラス。
アジールがナーフされたことによってMidレーンでウェーブクリアが速くて後半のダメージも期待出来そうなチャンプが消えたために出て来た。アーリ、リサンドラと一応のAPチャンプは存在したがダメージという点で現在のカッチコチタンクに対して今ひとつなためそれならばいっそダメージ源を他に担保してもらい自身はタンクとして全うしようという狙い。初手にアビサルマスクを積むことで対面に来るであろうAPチャンプのダメージをものともせずにレーニング出来る点も評価された。JGにキャリー系のチャンプが台頭してきたことも追い風。
Midでタンクなら他にもあるやん!ノーチラスとか基礎ステ的にもソロレーン無理やで。と個人的には思っていたのだけれどそれでも他のタンクよりも重宝されたのは序盤から能動的に試合を動かすにはもってこいのフックスキル持ちであること、対称指定CCを持っていることの2点なのだろう。
瞬く間にメタとして席巻できたのは上記のような志向をすることもこのパッチにおける一つの回答だと、Midノーチラスが出てくる前の段階で各チーム薄々感じていた証でもある。

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