生きることは楽しいかわからないが少なくとも続くのだ

ただいま4月26日の14時56分で、そうすると昨日のことになるのだが、衝撃的すぎてもっと昔のことのように感じる。衝撃的といってもそのときは呆然とするのみで、今だからやっとあれは衝撃的と形容できるのだが。
というか、こうして衝撃的だったとかいってnoteの記事の一つに昇華しようとすること自体が不謹慎で、まだ一日しか経っていないのだし喪に服すべきなのは言うまでもないのだが、一方で昨日のあの出来事のおかげで時間にはだいぶ余裕ができたわけで、こうして書くことへの時間制約的な焦りは感じないですむのである。
しかも昨日あれだけツイッターで人物試験に使う面接カードの書き込みが終わらない旨のツイートを繰り返し、さらに試験があったのであろう時間には特に面接の感想などツイートせず、一日経って今朝8時32分に「さて、切り替えていこう。」などと意味深なつぶやきをしたのだから、これらへの奇妙な違和感をフォロワーの友人らがもし感じているとしたら、早めに真相をお伝えする責任はあると思うのである。
というところでおおよその目途はついただろうが、時系列で遡ればあれは昨日の6時頃から記し始めるのがちょうどいいだろう。試験開始時刻は9:10だ。場所は大阪中之島合同庁舎というところで、グーグルマップで経路を調べると大阪梅田駅から徒歩で20分かかるらしい。20分前の8:50に到着すればいいとして、徒歩で20分だから、8:30に大阪梅田駅に着く電車に乗れば問題ない。ヤフーの乗り換え案内によれば7:58の最寄り駅発の電車に乗ればちょうどいいだろうと計算がついた。家から最寄り駅までは自転車で10分弱。

5:53 ツイッターで「あと一時間で終わらせなくちゃ。どぉしたらいんだ~ろ~う」とつぶやく。当然このときは一時間以内で終わると思っていた。だから彼はフザけているのだ。岡村靖幸の「どぉしたらいいんだろう」から引用している。

6:30 意外に終わらなくて焦りはじめる。終わったとしても、まだ準備も何もしていない。シャワーを浴びて、髪を整えて、スーツに着替えて、USBを持ってコンビニに行って、pdfデータからいくつかの提出書類をコピーしなければならない。面接カード以外の提出書類はすでにUSBに入れてある。最寄り駅までの道にコンビニがあるから、途中でコピーしてそのまま電車に乗るしかないなと考えた。

7:30 さすがにマズい時間になってきたので最も重要であろう志望動機の欄を適当に埋める。「日本の未来を見据えた政策立案」などの面接対策本に載っていた文句をそのまま流用したりした。

7:45 シャワーを浴び終わる。急いでコンタクトをつけて髪を乾かし、スーツに着替えた。バームで髪を整える時間はない。USBとTOEICスコアの証明書の原本、住民票記載事項証明書を鞄に入れたことを確認し、急いで家を出た。

7:52 コンビニのコピー機でUSBからプリントする。面接カードはもともとpdfファイルになっていて、Adobeから直接入力することもできるし、ボールペンで書くこともできる。字に自信がないのと書くのがめんどくさいのとで書き込む一択だった。で、コピー機から出てきた紙を見たら面接カードに何も書かれていなかった。つまり書き込みが反映されてなかった。ここで「「激」」焦る。まだ家に戻る時間はある。結局9:10に着けばいいのだ。20分前に着かなくてもよい。最悪8:30発の電車に乗ればいい。家に急いで帰宅した。

8:12 コンビニで二回目のコピー。いちど戻った家ではファイルが破損してないかなどを確認した。ファイルを開いたら書き込みはしてあるままだったが、このファイルが正常に機能してないことが考えられるのでファイルを削除し、人事院のホームページからあらためてダウンロードした面接カードに志望動機などをペーストして新たにファイルを作った。これくらいしかできることがない。で、印刷された紙を見たら何も書き込まれてなかった。この時点で絶望です。

8:20 とりま家に着いた。何か方法はないかと考えた。そうか、唯一の方法は、ボールペンで書くのもありなんだから、電車内で書いて、さらに大阪梅田駅から庁舎まではタクシーで向かって、車内でも書く。それで庁舎近くのコンビニでコピーすればいい。

8:30 電車に乗った。8:45着くらいだったかな。電車内は通勤ラッシュで混雑していた。恥を捨てて「面接カード」と大きく書かれている紙に立ちながら、ノートを下敷きにして、逐一スマホのメモを確認しながら、なるべく丁寧にボールペンで書き込む。誤字脱字は終わりなので、なるべく慎重に、でも時間は限られている。この時点で八割はやけくそだ。やり切ったんだと思い込めればいいとこの時から思っていた。

8:45 大阪梅田駅着。5分の2くらい書き終わっていた。つまり5分の3は書き終わっていない。とりあえずタクシー乗り場に行く。並んでいた。たくさん。6組はいた。観光客らしきグループもいた。人数でいえば10人以上はいた。そりゃそうか。ようやくこれで諦められる。タクシーに乗らず走っていくと9:10に間に合うかどうかだ。でも書き込みは終わってないし、コピーもできてない。タクシーは6組も並んでいる。電車に並んでるとかなら抜かしてもよかっただろうけど、タクシーだから列を抜かしたところで運転手に乗車拒否されるんじゃないの。というわけで終わった。引き返した。宝塚行きに乗った。乗客はまばらだった。下りの電車だからね。みんながまともに見えた。俺はウソをついているような気がした。パリッとしたスーツにネクタイもちゃんと締めている。はたからみればふつうの若い社会人だろう。しかしこれは面接試験に間に合わず帰るしかなくなったあわれな人間なのだ。俺はウソをついている。俺はよれよれのパジャマを着ているべきだった。ここでいろいろ考えていた。ほんとにいろいろ。でもここまでふざけた筆致で来たから、その内容をここで記すこともない。

9:40 帰宅。コピーしたコンビニで酒を買った。といっても7%のチューハイロング缶。酒を飲みながらお笑いを観ようと思った。DMM TVのWATA BETだったかな。フィリピンにポーカーをしに行った若手芸人がなんだか頼りなさそうで、調べたら35歳とかだった。35歳でこの感じなら俺にもまだ希望はあるとか思った。いや、でもこの人はこうして仕事を得て英語もしゃべれないのにフィリピン行ったんだよな。立派も立派だ。仕事をできてる。ぼくは面接に間に合わない人だった。どうしたらいいんだろうね。

というようなことが昨日あった。そのあと、今朝母に電話して、このことを伝えた。期待してくれてたと思うけど、こんな終わり方になってごめんなさいと謝った。母はすごい励ましてくれた。自分も若いときからそういうところがあって、わかるという。わかるんだけど、それは人生を通して、人生を賭けて直していかないといけないねと言っていた。落ち込みすぎることはないとも言っていた。なんて素晴らしい親なのか。親孝行しがいのある親だ。必ず親孝行しなければならない。それまで健康に生きて、待っていてほしい。急がなければ。「さて、切り替えていこう。」。

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