#3 遊びを介した学びの効果
「プリミティブな教育」シリーズとして、太古の教育のことや自然とともにある教育について、調べ、感じたことを綴っています。
今までの教育の活動から、大事なものは引き継がれていくように。
また、子どもたちも、子どもと一緒に過ごす大人も、生活・時間・人間関係などの面で無理がない形(継続)ができるようにと願って集めたことです
#1はこちらからどうぞ(#1 狩猟民族の子どもたち)
こんにちは。幼児教育と社会を結ぶ、ドラマトゥルクとして活動しています、塚田ひろみです。
これまで、ピーター・グレイ著『遊びが学びに欠かせないわけ〜自立した学び手を育てる』という本をたよりに、人間の歴史から、学びと遊びの姿をまとめてきました。
この本が伝えてくれることは、学びは本来苦役ではないということ。
そして、現在、多くの人がイメージしている<学び=知識(情報)を吸収すること>でさえも、遊びが介していたほうが効果的だということ。
そのことを、この本は様々に語ってくれています。
学びが効果的になるとき
では、遊びが介された場合とは、具体的にはどんなものでしょうか?
抑圧的ではない環境、遊び=安心して、開放的で、自由が保証されている環境。まるで縄文時代のような人間社会、そうした環境の中で学ぶことが効果的である。そのことを、エビデンスを添えて語ってくれています。
この本が示してくれる、エビデンスの幾つかを紹介すると、
・新規なもの、学ぶ部分が大きいもの、わからないもの、自分の期待や予想と違う結果を示すものに、子どもたちは関心を示し、たくさんの時間を遊び・学びに費やす。
・あるおもちゃについて、遊び方を教えてもらった子どもたちよりも、何も知らない子どものほうが、長い時間遊び、おもちゃに備わった機能をより多く発見した。
・ある物事について、十分に成熟した人であれば、誰かに見られることでの緊張感はプラスの結果に作用する。しかし、まだ学びたての者は、誰かに見られる緊張感によって、学習やパフォーマンスにマイナスの影響がある。
そうした数々の実験を紹介しながら、、子どもを信頼する、子どもが学びを選ぶ、そうした環境をいかに保証していくか、という大切なテーマを扱ってくれています。
どんな場所で、空気の中で、人間関係の中で学んでいくのがいいと感じましたか?
どうぞ、事例豊かなこの本を読んでみてください。
幼児教育のあたりまえが伝わるように
幼児教育では、何事においても「遊びが基本」です。
ですが、それは、
・小さな子どもは、まだ机に座って字の練習が出来ないから。
・小さな子どもは、簡単な歌やリズム遊びしか出来ないから。
そんな風に、誤解されていると感じることがあります。
また、幼児教育の現場においても、「遊びが学び」が当たり前になりすぎていると感じます。
それゆえに、「遊びが基本、遊びが学び」の本当の意味するところを、言葉にして伝え、理解してもらうことが難しくなっている、とも。
そうした背景から、学びと遊びをしっかりと結びつけていきたい。学びと遊びは別物、ではなく、本来ひとつである、ということを少しずつ、記事を書き続けながら伝えていきたいと思っています。
今回は、子どもたちをとりまく「環境」にフォーカスしました。次回からは、遊びそのもの質についても展開していく予定です。
【参考文献】
ピーター・グレイ 吉田新一郎 訳 『遊びな学びに欠かせないわけ』」(2018 築地書館)
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