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「脳振盪の疑いによる交代」2021

Jリーグでは2021シーズンより
「「脳振盪による交代(再出場なし)の追加における試行」について、選手の安全の確保を最大化させることを目的に、育成年代も含むJリーグの公式試合すべて及びプレシーズンマッチにおいて導入することを決定」し実行しています。
「Jリーグ公式試合等における脳振盪による交代の試行について」

そして、2021シーズンでは実際に「脳振盪の疑いによる交代」が発生してしまいました。ですので、この「脳振盪の疑いによる交代」についてまとめてみます。

まず、「脳振盪の疑いによる交代」が発生した大会は「J.LEAGUE Data Site」によると

⚽FUJI XEROX SUPER CUP 2021(以降、XEROXと略す)
⚽2021明治安田生命J1リーグ(以降、J1と略す)
⚽2021明治安田生命J2リーグ(以降、J2と略す)
⚽2021明治安田生命J3リーグ(以降、J3と略す)
⚽2021JリーグYBCルヴァンカップ(以降、YLCと略す)
の5大会でした。
※他の大会では記録されませんでした

そして「脳振盪の疑いによる交代」は、この5大会で計30回(29試合)発生しました。
内訳は以下の通りです。

そして「脳振盪の疑いによる交代」の発生割合は以下の通りです。

上記の5大会合わせて「脳振盪の疑いによる交代」が
1試合あたり2.58%の確率で発生した事になります。
試合数で言えば38.7試合毎に発生しています。

ちなみに「脳振盪の疑いによる交代」が行われた時間に特徴が現れています。
30回の交代のうち、
⚽試合の後半 → 20回
⚽試合のラスト3分の1 → 17回
⚽試合の81分以降(記録上ラスト10分) → 11回

ここから想像できる事は、時間が進むにつれどうしても頭と身体が疲れてきて、さらにリードされているチームは少々無理めなプレーになってしまうので、無理めな接触プレーが発生して「脳振盪の疑いによる交代」が発生してしまうのかな?と。


そして以降は、個人的な興味上の考察です。

⚽「脳振盪の疑いによる交代」で2回ピッチから退いた選手
これは1選手ですが、徳島ヴォルティスの石井秀典選手です。
さすがに2回となると心配です。

⚽「脳振盪の疑いによる交代」を記録した回数が多いチーム
これは徳島ヴォルティスがのべ3回記録しました。
※石井選手で2回カウントしています

⚽湿度の影響
湿度が高いとプレーに悪影響がでて、この「脳振盪の疑いによる交代」発生割合が高まるのかな?と思っていたのですが、
一覧を見て分かる通り湿度に関してはけっこうバラけた数値となっている為、湿度は特に影響はなさそうです。

⚽接触プレーで交錯したした両選手が「脳振盪の疑いによる交代」
接触プレーで交錯したした2選手が2選手とも「脳振盪の疑いによる交代」したパターンが1試合だけありました。
「J3 岐阜 vs 今治」
です。
※交代時間は微妙にズレていますが、DAZNで脳振盪の疑いによる交代をした2選手が交錯していたのは確認しました。

⚽「脳振盪の疑いによる交代」を記録した回数が多い記録員
Jリーグの公式記録員を務めている身としては、どこのチームの記録員が一番「脳振盪の疑いによる交代」の記録を付けたか気になりましたので調べました。
鹿島アントラーズの記録員さんが最多の3回経験しています。
まぁ、鹿島アントラーズの記録員さんは経験豊富な方々のはずなので、この対応もすんなり対応したのでは?と思います。


以上、「脳振盪の疑いによる交代」が30回で済んだので、たいした考察とはなりませんでしたが、まとめとします。


※Jリーグで気温/湿度/WBGTを測定する機器は原則として「黒玉式熱中症指数計」を使用しており、この指数計は湿度に関しては20%~90%の間の数値しか表示されません。なので湿度は原則として下限が20%、上限が90%となります


※「脳振盪の疑いによる交代」が上記の5大会でしか記録されていない理由は、たぶん他の大会ではドクターがいる試合自体少ないのではないかと思われます(基本、ドクターじゃないと判断できないですよね。。。)


※最後に、私のサッカー用Twitterアカウントは「@fubie12」となります


※全ての計算を30回=30試合で計算していましたが、正確には30回=29試合でしたので、再計算し修正しました(12/31 18:20)

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