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ゆっくり一緒に進んでいきましょう

※本記事はただの一般人が個人の感想を書いていますので、ご理解ください。

iKONの2年半ぶりのツアー「iKON JAPAN TOUR 2022~FLASHBACK~」に参戦してきました。

iKONとは韓国の大手芸能事務所YGに所属している6人組(7人組)の男性グループです。
上記のプロフィールに詳細が記入されていますが、2016年にデビューして今年で6年目です。
同じ事務所にはBIGBANGや2NE1、WINNER、BLACKPINKがいます。
最近は日本人メンバーが多数所属するTREASUREもデビューしました。
コロナ渦はオンラインライブのみでしたが、ようやく来日公演が決まり、いつも一緒に参加している友人と参戦してきました。
個人的な感想や考察を交えながら、大切な思い出の1つとして書き留めたいと思います。

1,メンバー自身が作成したセットリストは決意表明

基本的にアーティストのライブはアルバムを発売し、収録曲のセットリストを中心にライブのセットリストも組まれます。
今回も韓国で2022年5月にミニアルバム「FLASHBACK」をリリースし、そのアルバムを掲げたツアーでした。
収録曲5曲はもちろんセットリストに含まれていましたが、それ以外が今までリリースしたアルバム、時期から均等に選んでいたんです。
またジャンルもバラード、ヒップホップ、ダンスと多様。
メンバーのソロやユニット曲もあり、どの瞬間も飽きないようになっていました。

有名な曲や盛り上がる曲は1曲フルで披露しますが、バラード曲はワンフレーズをアカペラで歌って、パフォーマンスを始める。何曲か繋げて披露する、そんな工夫がされていました。
まるで過去の彼らの道のりと今まで1つの道で繋がっているんだ、そんな風に感じました。

2,サポートバンドで曲の新しい雰囲気を発見

今回のライブでは初めてサポートバンドを付けたパフォーマンスだった。
それがよかった。
iKONのアップテンポな曲の盛り上がりを増大し、メンバーの力強いシャウトが引き立つ。
何より沢山ヘドバンして、メンバー自身が音にノリながら遊んでいるのが、見ていて嬉しかった。
もちろんお金を払っているのは観客だし、観客が楽しむのが一番だけど、メンバーが楽しくて、それでいて観客も楽しくて、会場全体が楽しんでいる。それが一番幸せなことだから。

3,”6人”の曲でもあり、”7人”の曲でもあること

元々iKONは7人グループでした。
BIGBANGにG-DRAGONがいたように、B.Iはリーダーでもあり、プロデューサーでもあり、チームの要でした。
日本のアイドルとの違いはここにあると思うけれど、韓国のアイドルにはプロデューサーがいます。
どんなコンセプトでグループを確立させていこうか、どんなコンセプトで新曲をリリースしようか、綿密に考えて、曲や作詞、ダンス、衣装やヘアメイクを決めます。
そしてiKONではB.Iというメンバーがそのプロデューサーを担っていました。
日本でいうならZOCの大森さん、EXILEのHIROさん、そんな感じです。
B.Iの作る曲は優しくて、人が誰しも感じる焦りとか寂しさに寄り添ってくれて、テーマ性のある作品です。
と、思ったらアップテンポでリズム感が抜群で、ただただ騒ごう!遊ぼう!盛り上がろう!みたいな曲も作ります。
努力家だし、天才なんです。メンバーにも妥協せず、要求します。

私が一番好きなのは「long time no see」という曲。
iKONはデビューを懸けて2回サバイバル番組を経験しています。
(そしてデビューした後に3回目のサバイバル番組にも出演)
1回目デビューできなくて、2回目のデビューを懸けたサバイバルの時に発表した曲です。
題名の通り、1回目でデビューできなかったけど準備してまたみんな(ファン)の前に帰ってきたよ。もうどこにも行かないから心配しなくていいよ。そんな曲です。
作詞家が作って、それをただ上手く歌うことは他の歌手もできるかもしれないけど、チャンスを掴めなかったけど、這い上がってきた彼らが歌うから、綺麗ごとではない中身のある美しい曲に昇華されるのです。
ちなみに初めて発表したステージでイントロ時に
「한빈아、생일축하한다」ってライバルで親友のBOBBYがB.Iに向けて言っています。
これは「お誕生日おめでとう」って意味です。
デビューをかけた大事なステージで、大事な人の誕生日をアドリブでお祝いしてしまう、そんな彼らは少年ジャンプそのもの青春ど真ん中なんです。

話がそれましたが、そんなB.Iが大麻使用疑惑でチームを脱退します。
本当に使用していたかは不明だけど、そこまで彼が長年ストレスを抱えてしまったこと。楽しくて始めた音楽が段々彼の中で重荷になってしまったのだろうか。
B.Iらしいのは疑惑が出た時点でチームに迷惑をかけた点で脱退をしたこと。
B.Iなりのプライドなんだろうと勝手に解釈しています。
2016年にデビューして、一部のファンには支持されていたけど「iKON=○○」な代表曲がなく伸び悩んでいたのですが(これは後々メンバーもインタビューで話しています)、2018年に사랑을 했다(LOVE SCENARIO)が大ヒットし、人気が急上昇します。

この約1年後の2019年6月に上記の大麻疑惑でチームを脱退します。
この1か月後7~9月に日本でツアーを予定していました。
私自身もツアーに参加しましたが、こんなことを言うのは失礼かもしれないけど、残されたメンバーも傷心状態でどうしたらいいのか分からないけど、とりあえずステージを消化して、目は笑っていないけど、笑顔を作って楽しませている。そんな印象でした。
ファン達も「とりあえずライブに行って席を埋めて、メンバーを安心させないと。何もできないけど、そばにいて寄り添っていないと。」そんな気持ちでいつもの楽しい遊ぶライブとは全く色の違う異様な空気とメンバーの表情。
私自身も「これのツアーが終わったらiKONは解散しちゃうのかな。B.Iが抜けた穴はあまりにも大きすぎる」と思って、最後になるかもしれないパフォーマンスを目に焼き付けていました。

言わずもがな、その年末~翌年にかけてコロナが大流行し、国内外問わずライブ公演ができなくなりました。

それぶりの日本公演。
前回のライブと同じくB.Iのパートは削除や同じくラッパーのBOBBYがカバー、ダンスパートに切り替えの対応。
でも前と違うのは低音ダミ声のジュネがアカペラで、BOBBYが新しいリズムに変えて、ドンヒョクがフリーダンスで「自分のパートとして消化している」こと。
B.Iの影は残しつつ、B.Iの代わりではなく、”6人”のiKONとしてのパフォーマンスになっていました。それはB.Iのことを忘れたわけでないけど、もうメンバーは前を向いていることが伝わってきて、純粋に楽しむことができたし、彼らのステージは本当に楽しいものでした。

4,人気メンバーの結婚と第一子の誕生

度々既に名前の登場しているBOBBY。
BOBBYは韓国のラップ好きな人はご存じでしょう。
デビュー前の2014年に「show me the money3」に出演し、優勝したラッパーメンバーです。

B.Iと同じくラップの作詞・作曲は自身で行っており、その才能と音楽が大好きな姿勢、人懐っこい愛嬌から人気メンバーの1人です。
既にソロアルバムも発表しており、事務所からも絶大な信頼を置かれていました。
そんなBOBBYが2022年に突然結婚と第一子の誕生を発表したのです。
子供ができて、別れたり子供を手放すのではなく、結婚するところがBOBBYらしいと思います。
(BOBBYの両親・兄は度々TV番組に登場しており、彼の家族愛は周知されています)
アイドルには所謂”リアコ”人気もあると思いますが、BOBBYはそんなメンバーでもあったんですね。そりゃそうですよ。あれだけラップ上手なのに自由で自分のペースで感性に沿って生きていて、あの愛嬌は母性本能しかありません。※私はBOBBY推しではないですが

もちろんアイドルだって一人の人間で、そこに人生があるわけで。
でも発表したタイミングが悪かった。
前述の3回目のサバイバル番組「kingdom3」に出演し、認知度が上がってきて、これから再起を図って頑張っていくぞ!っていう時だったんです。
そんな時に結婚発表はファンからしたら「今じゃないでしょ」と思いますよね。
また、韓国には徴兵制度があり、韓国人男性は満20~28歳の間に18~22か月の期間、軍役に従事しなければなりません。※事情により兵役開始を遅らせることも可能です。
最年長のジナンが92年生まれのため、そろそろ入隊になるでしょう。
となると兵役前最後のアルバム活動、ライブは万全の状態で実施したいですよ。
BOBBYが発表してからのインスタライブやトーク番組にて何となく他のメンバーと壁を感じてしまって。
「本当に解散してしまうかもしれない」そんな風に思いました。
ライブでもどこか、申し訳なさそうに、「何に対して」明言はしないけど、何度も深くお辞儀して、ごめんなさいって謝罪して。
そんな姿は本来のBOBBYではないから、見ていて可哀想で、辛かった。
でもここで終わる男じゃない。
やっぱりライブになくてはならないし、iKONにとって欠けてはいけないメンバーだった。

ライブが始まって最初の1時間はアップテンポな曲、新曲で盛り上がりメインだった。
そんな時にBOBBYのソロ曲。
しっとりとセンチメンタルな感情が会場を包み込む。そこで一気に会場の雰囲気が急転換。
その後バラードの曲が続く。
前述した通り、このツアーのセットリストはメンバー自身が作成した。
ということはメンバーたちもBOBBYの雰囲気を変える技術があること、彼のことを信頼して、大事な場面を任せたわけだし、BOBBY自身も自分のスキルに自信とプライドを持って、失った信頼を自分の実力で再び引き付けた。
その姿がもうかっこよくて痺れてしまった。

もう1つBOBBYの想いが溢れたと感じた場面があります。
내가 모르게(DON'T LET ME KNOW)という曲の最後のBOBBYのパート。
ちなみにこの曲はライブのセットリスト1番最後の曲でした。
BOBBYのパートは3:02~です。

音程リズムはもはや全部無視して、ただ魂を込めて歌っていました。
きっとこれはB.Iに向けて歌ったんだろうなと感じたんですね。

「俺にわからないようにしてよ
 愛しすぎて
 自慢したくなるそんな人に出会っても
 俺は分からない
 君ほど切ない人に出会えるか
 心配なんだ
 俺に分からないようにしてよ」

BOBBYはiKONは、B.Iのことが大好きで今もこれからも忘れないけど、B.Iには幸せでいて欲しい、元気でいて欲しい、そんな想いがあるんだろうな。
もしかしたら今もプライベートで連絡を取り合っているかもしれない。彼らは少年時代からずっと一緒でshow me the moneyも一緒に出演して、ユニット曲も沢山作って、同じ事務所の先輩の曲にも2人で参加したりして、ファンが思っている何百倍も深い関係だから。親友同士が頻繁に連絡を取ることはおかしな話ではないでしょう。
でもあえてライブという公開されたパフォーマンスでB.Iの曲をそんな風に表現したことでファン(少なくとも私)は救われたし、BOBBYの気持ちが伝わった。

どんなことがあっても、BOBBYが欠けたらiKONのパフォーマンスは物足りない。

5,ファンを楽しませたいから

iKONのライブは楽しい。
毎回違うアレンジがあるから何公演も参加してしまう。
ボーカルジュネを筆頭に曲のアレンジ・アドリブが多いのです。
ジュネに関しては被せの声がでかすぎて、「ジュネのソロ曲なの?」と思うほど。※私の推しはこのジュネです。
音楽が好きで、歌うことが大好きなのが伝わってくる。
自分のパートに入る前にちょっと(だいぶ?)なドヤ顔をしながら、しっかり自分の声を魅せていく。キリングパートは目をつぶって、顔をクシャクシャにして熱唱する。
ジュネは元々ダンス志望で入ったのに、グループ内で唯一無二の低音だからメインボーカルになったのも面白いポイント。

他にもジュネがギターで弾き語り、BOBBYがラップのデュエット、ユニョンのトロット曲(トロットは韓国の演歌みたいな歌謡曲ジャンル)など個人で準備していたステージが多く、それが公演の良いアクセントになっていた。

自分の強みやキャラクターを利用して、どうしたらグループに還元できるか、そんなことを考えて考えて準備したことが伝わった。

6,私達はどこにも行かないし、永遠に一緒だよ

今回のライブで気がかりなことがありました。

日本語が得意でいつもMCは中心となって盛り上げるジュネの口数が少ないこと。
コメントでも「僕たちは皆さんに愛されていい存在なのか、そんな価値があるのか考えてました」「心が不安定な時、僕は走ったり運動します」と話していて。
※記憶を頼りにしているのでニュアンスです。
他のメンバーもどこか遠くを見ているような、儚い表情で観客を見渡していて。

日本ツアーのオーラス公演で運営主催のメンバーへのサプライズがありました。
声援を出すことができないから、スローガンを提示。
そのスローガンに書かれていたのは
「우린 어디 안가 영원히 함께 하자」
「私たちはどこにも行かないよ。永遠に一緒にいよう」
このスローガンを見て、ジナン・ジュネは号泣。
ジュネは普段全く泣かないメンバーなので相当です。
サプライズ後のコメントでメンバーがしきりに「会えない間、iKONIC(ファンの名称)が待っていてくれるか、僕たちiKONのことを忘れていないか不安で心配だった」と話していました。

チームの柱でもあったB.Iが抜けて、コロナでiKONの強みでもある有観客ライブができなくなって、デビューして約10年、ヒット曲もあるのに、若手グループとともに3回目のサバイバル番組に出て、メンバーの結婚。

メンバーはファンがついてきてくれるか、自分たちのことを忘れていないか心配で不安だったんです。

そんなはずないじゃない。
会えない間も、楽しい気分になりたいときはdumb&dumberやsinosijak、blingblingを聞いてテンション上げて、春の昼過ぎはlove scenarioやbeatiful、airplaneを流して昼寝して、秋はgoodbleroadを聞いて夜散歩したり、いつもiKONの曲を聴いていたよ。
いつも楽しくて、暴れて、音楽で遊ぶお兄さんのiKONだけど、乗り越えなきゃいけない問題が多くあって、感受性豊かなお兄さんたちだからこそ不安な気持ちだったんだと思う。

いつもライブの時にアンコール前は、ファンがこれを合唱する。

「long time no see
 どうしてたの毎日?
待たせたけれど、そばにいるよ
だからbaby don't worry
long time no see
会いたかった本当に
迷わず君の元に行くよ
だからbaby don't worry」

どこにも行かないから心配しないで。
who is winでデビューできなくて、もう表に出ないんじゃないかってファンが不安な時にB.Iがこの曲で「どこにも行かないよ」って言ってくれたけど、今度は私たちがiKONに伝える番でしたね。

BOBBYが「言語も文化も、ほとんど全部違う僕たちがこうやって1つになれるのは本当に不思議。音楽のちからはすごい」
「コンバットが焚火みたいです。皆さんがいなかったら僕たちiKONは燃え上がらないです。いつも力になってくれてありがとうございます」って素敵なコメントを残してくれたけど、こちらこそありがとうの気持ちでいっぱい。
沢山の困難を乗り越えてiKONで居続けてくれて、全力で盛り上げてくれて、遊んでくれてありがとう。

いつもメンバーがライブで言ってくれる言葉がある。
「ゆっくり一緒に歩いていきましょう」
どこまでも続く私達の道を私たちのペースで一緒に歩いていこう。

これを読んでiKONに興味を持った方はぜひ下の動画を見てください。
素敵な魅力がギュッと詰まっています。









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