オーディション番組は善か、悪か
いきなりですが、最近流行のオーディション番組を見たことはありますか?
先月からproduce101シーズン3も始まりましたね。
昨日、Twitterでこのオーディションシリーズのシーズン1に出演し、ファイナル審査まで勝ち残った床波君が最初で最後のイベントをしたと知りました。
彼は大学生の時に出演し、今は大学院生で一般人として過ごしているそうです。
確か、ビーファーストのオーディションにも出ていたはずだから、デビューするために色々挑戦したんだろう。
「本当は音楽の道で生きていきたかったけど、そんなに現実は甘くない。」とコメントしたらしい。
何というか、適切な表現ができないけれど、少し考えてしまった。
最近、Mステに出演したり、昨年の紅白にも出場。
今月末には初のドーム公演を京セラで行うJO1。
このJO1というアイドルグループを作ったのが、produce101シーズン1です。
ファイナル審査の投票で上位11人がデビューし、着々と人気と実力をつけています。
そんな中で惜しくもデビューできなかった大多数の練習生たち。
番組が終わるころには特にファイナル審査まで進んだ9人には(※ファイナル審査に進むのは20人です。)多くのファンがついていた。
ファイナル審査終了後、脱落したメンバーは少しの空白期間を経て、一般人に戻った道、音楽活動を続けている人、再びオーディション番組に挑戦している人、多種多様なそれぞれの未来がある。
私は実際にお金を使っているのはJO1のみなので、恐縮だけど、やっぱりJO1以外で音楽活動を続けている人達の境遇は大変なものだ。
プロモーションやTV番組に出る機会、楽曲やステージ、パフォーマンスにかける費用も規模が違う。
JO1がアリーナツアー、ドームツアー、海外ツアーをする中で、ホール公演などで地道で活動を続けている。
多分、4年も活動していれば、自分たちの将来がどうなるか、ある程度の予想がついてしまっていると思う。
残酷な話だけど、きっと、単独コンサートをアリーナ規模で開くことはできない。デビューできた人と脱落した人の差と言ってしまえば、それまでだけど、”辞め時”を決められない、諦めきれないんだと思う。
特に一度掴みかけたからこそ。夢を。
少し個人的な話をする。
私は他の記事でも書いているように大学時代にKPOPのカバーダンスサークルに所属しており、ステージで踊ることがあった。
その時に受けた歓声、一度きりのステージの高揚感、照明と演出。
これを一度体験してみると、もう忘れられない。
結局、社会人になっても趣味として続けてしまっている。
けれど、25歳までと決めて、誕生日前の来月のイベントで完全に辞める。
サークルレベルの私でさえ、辞めることに踏ん切りがついたのが、3年もかかったんだから、練習生たちはもっと難しいと想像できる。
でも、新卒社会人が3年目に自分の進路や人生に迷い、転職をするように、彼らも3年間、活動してきて、悩むことが多くあったのだろうか。
最近、練習生の中でも芸能活動引退やグループ脱退が相次ぐ。
本当にこのオーディション番組は残酷だ。
辞めようと決めたって、当時の同じ練習生だったJO1が活躍しているのを見てしまったら、歓声を浴びる姿を見てしまったら、
「あともう少し頑張れば、何かのきっかけでバズるんじゃないか」
「もう少し待てば、また違うオーディション番組が開催されるかもしれない」
このような気持ちになってしまうんだと思う。
実際、最近はアイドル業界の中にもLBGTや人種、年齢の壁を撤廃する動きがある。
私も視聴していた中国のオーディション番組”青春有事2”では離婚歴のある女性や20代後半の練習生が出演していたり、韓国でも外国籍のメンバーが多くデビューしている。
年齢制限がないのは、恐ろしい。
諦めなければ、いつまででも挑戦することができるからだ。
勿論、アイドルになることだけが人生ではないと思うし、アイドルにならなかったから得られることも沢山ある。
例えば結婚や子供、確保されたプライベート。
それでも、それらを諦めてもいいと思えるほど、ステージに立つこと、アイドルになることは練習生にとっては大事な”夢”なんだよね。
夢って美しいものだし、何歳でも夢を見ることはできる。
諦めなければ叶う夢だってある。
でも、夢がいつしかしがらみになって、足枷になってしまうこともあるような気がして。
でもそんな練習生の美しい夢への想いや他の練習生との絆、友情。成長。
何といっても、一度限りのメンバーで、それが人生の中で最後のステージになるかもしれないオーディション中のステージパフォーマンスは美しい。
デビューしたJO1がパフォーマンスしていても、オーディション中のステージの方が何倍も素敵で最高なんです。
オーディションから4年経った今でもたまにパフォーマンス動画を見ている。
今でも、私は彼らの人生をエンタメとして楽しんでしまっているんですよ。
勿論、オーディション番組に出ることを決めたのは、練習生自身だし、このオーディションに出たからこそ、出会えた仲間も経験も沢山あると思う。
実際、上述の床波君もオーディション中に仲の良かった岡野海斗とライブハウスでイベントを開催したし、トークでも「あの経験(produce101シーズン1)をできて、本当に良かった。楽しかった。」と話していたらしい。
きっと、床波君は賢いから、全力で挑戦した上で、諦めることを決めたんだろうか。
諦めたから負けとか、悪いとかではなくて。
ツカメの歌詞にもあるけど、
練習生みんなが各々の人生の主人公で、未来の真ん中で歩き続けているわけだし、全員が誰かにとって光り輝く1pickだったんですよ。
この歌詞は一般人の私達にも当てはまる歌詞だから好きなんですが、
何かを成し遂げていないから、名声が無いから、華やかな人生を送っていないから。悲観することがよくあるけれど、少なくとも家族にとっては私は1pickだろうし、私の人生の中で今も未来も私が真ん中で歩く主人公だ。
だから、練習生全員がたとえ、アイドルとして売れなかったとしても彼らの人生の中では真ん中で輝く主人公であることを覚えていて欲しい。
以前より、更にオーディション番組が増えて、身近になってきた。
初期のオーディション番組出身グループの活躍を目にすることが増えて、デビューできたら自分のやりたい、想像する未来をイメージしやすくなって、より憧れが強くなるのも分かる。
それでも大多数がデビューすることができなくて、仮にデビューできたとしても活躍できるのは、ほんの少数だ。
実際にNIKはデビューしたものの解散してしまった。
しかも、オーディション中にステージの楽しさを知ってしまう。
オーディション番組って、人生が本当に変わってしまうんだと思う。
何というか、デビューできなかった夢追い人をどんどん増やしてしまう、気がして。
それでもオーディション番組を見るのは楽しいし、面白いし、大人になって忘れていた努力とか、好きとか、夢とか、そういうものを思い出させてくれる。
私は人生でしっかり推しを作って、投票して、周囲にも投票をお願いして、視聴していたのはこのproduce101シーズン1だけだ。
それ以外のものはハイライトのみの視聴だし、投票も気が向いたらするくらいです。
オーディション番組を見たことがない人は一度くらい経験だと思ってちゃんと視聴して、投票するのもいいかもしれない。
もちろん、視聴する中で練習生に情が湧くし、親近感を覚える。
デビューした後も、他のグループや歌手への想いとはまた違う特別な感情を感じながら応援することができる。
色々と書きたいことがあったので、まとまりがないですが。
produce101シーズン1に限らず、全てのオーディション番組に出演した人がこれからも彼らが望む道で、幸せな人生を送れますように。
最後に私の大好きなproduce101JAPANシーズン1のテーマ曲「ツカメ~it's coming~」の歌詞を載せたいと思います。
最初に聞いたときはトンチキソングだし、練習生の声はバラバラだし、何だこれって思ったけれど、オーディション中にBGMになるからずっと聞いていて、今聞くと、儚くて、強くて、不安な気持ちも、嬉しくてワクワクして楽しい気持ちも、どちらも描いている素晴らしい歌詞で大好きな曲です。
結婚式でも、お葬式でも流してほしい。
私の人生のテーマソングにもなりつつある。
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