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自分の経験を、自分の言葉で語ることの大切さ(月刊風テラス:2023年7月号)

こんにちは、NPO法人風テラスの坂爪です。

先月24日(土)、東京・池袋にて、夜職サミット2023夏「風俗講師たちの女子会」を開催いたしました。

風俗プロ講師会社Mermaidの嶋田ななさん、ヒメクリのさくらさん、ジェルムのゆうさんのお三方をゲストにお招きして、風俗講師という仕事のリアル、そして風俗講師の未来を語り合う、あっという間の2時間でした。

ご参加くださった皆様、ゲストの皆様には、改めて感謝いたします。

ゲストの風俗講師の方々のお話、講師としての心構えや、教え方のスタンス、講師としてすべきこと/すべきではないこと、今後の風俗業界に対するお考えなど、いずれも非常に言葉に説得力があって、私も聞き入ってしまったのですが、その理由を改めて考えると、以下の要素を満たしているからだと思いました。

1.自分が実際に経験したことを
2.自分自身の言葉を用いて
3.当事者に伝わるように発信している

一見すると、いずれも当たり前のことに思えますが、風俗の世界で、個人がこの3つの要件を満たして発信することは、ものすごく難しいと思います。

身バレやプライバシーの問題もありますし、そもそも経験したことを語れない、語りたくない、語る場面もない、ということが大半のはず。

また風俗の世界での体験は、主観的には極めて強烈、客観的にもセンセーショナルなものになりがちなので、それを冷静かつ慎重に、誇張や喧伝を交えずに的確に伝える、というのも至難の業です。

そして、一番難しいのが、当事者に伝わるように発信すること。

一言に「当事者」といっても、世代も業種も地域も収入も家族構成もバラバラであり、この世界で働いている理由も、普段使っている語彙も、人によって全く異なります。文字情報自体を読まない・読めない・読む習慣や動機づけがない人も、一定数存在します。

そうした中で、できるだけ多くの人に伝わる・共感してもらえる最大公約数的な表現を用いてメッセージを発信する、というのは、非常に難しい。

こういった状況の中で、今回のサミットでは、

1.自分が実際に経験したことを
2.自分自身の言葉を用いて
3.当事者に伝わるように発信している

風俗講師の方々のお話をたっぷり聞くことができ、とても勉強になりました。

引き続き、夜の世界ではたらく人たちが「自分の経験を、自分の言葉で、安心して語ることのできる場」として、夜職サミットを育てていきたいと思います。

そして私たちNPOの仕事は、現場の当事者に加えて、社会にメッセージを届けることも含まれています。

そのため、

1.自分たちが支援の現場で蓄積したエビデンスを
2.現場にいない人たち・関心のない人たちにも伝わる言葉に翻訳して
3.社会性のある形で発信する

ということを徹底していきたいな、と決意を新たにしました。

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