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ポエム

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#小説

「いい子だけが行ける森があるのよ」と、鳥がささやいた。
僕はいい子で嫌われ者だから、森に行った方がいいのだと言う。
両親の言い争う声のする部屋を横ぎると、森への道をすすむ。

2

春菊と、かつおと、ひつじのお肉と、鴨肉と。
「話、ちゃんと聞いてるよ。だけど、ごめんね。おいしくって」
そうして、彼と彼女は一緒に笑った。

1

「選ぶってそんなに体をよじるほど難しいことかい?」
「わからないでしょう、あなたには。ひとつ売れ残ったケーキに自分を重ねてしまう人もいるのだということを」