明け方の空を見るといつも思い出すこと
青白くなってくる外の光。
まもなく朝がやってくる。
カーテンの隙間から漏れる、その青白い空を見るといつも思い出すことがある。
はじめての子を出産して数ヶ月。
朝も夜もない赤ちゃんのリズムに合わせて生活していたころ、夜になるのが恐怖だった。
なかなか寝ない赤ちゃんで、ようやく眠ったと思っても1時間おきに泣き声をあげた。
抱っこをして、揺らして、何とか寝かしつける。
抱っこしたままソファにゆっくり腰を下ろして、気がつくと私の瞼も閉じている。
そしてまた泣き声で目が覚める。
それが毎日、夜中続いた。
真っ暗で静まり返った部屋。
赤ちゃんの泣き声は響くのに、静かで不安で怖かった。
それを何度も何度も繰り返しているうちに、すりガラスから漏れる光が青白くなってきたことに気がつく。
時計を見ると4時半。
まだまだみんな寝ている時間なのだけれど、
朝の訪れを感じで折れかかった気持ちにエネルギーが満ちてくる。
部屋の中に音が戻ってきた気がした。
変わらず赤ん坊は1時間おきに泣く。
でも耐えられる気がした。
明け方の空を見ると、今でもあの時の希望に満ちた気持ちを思い出す。