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Meteor派宣言~①ニューゲイザーとは

初めに(自己紹介とこれを書く理由)


初めまして、bedlam_revelerです。
そもそもお前誰やねんとなるので簡単に書くと、
洋楽オタからのRAYオタです。
内山NoteのLimp Bizkit回でRAYを知ったので、
RAYオタ歴は約四カ月の超ニワカです。

そんなニワカがなぜこんなNoteを書き出しているかというと、
RAYの1,2月の大阪遠征、計5回のライブでノーMeteorという、
関西在住かつRingo Deathstarr大好きマンの私にとってはカタストロフィカルな大惨事が起こったからです。
そして昨日の単独終演後の反応を見ても、
この曲見たかったというツイはありましたがMeteorを見たかったと言っているのは私しかいなかったのです!!(たぶん)
そこで私は一つ仮説を立てました。
Meteorの真価というものはRAYのオタクどころか、RAYのメンバーにも理解されていないのではないか…と。
Meteorの真価が浸透し、オタクみんながMeteorを熱望する、メンバーがMeteorをやりたくて仕方がない、そんな状況になればこんな惨劇は起こらないはず…。
そう、RAYは光、この苦境においても光を見いだすため私はこのNoteを執筆しています。

ここで皆さんに問いかけたいのですが、
先ほど名前の出たRingo Deathstarrというアメリカの、ニューゲイザーというムーヴメントに括られるバンドをご存知でしょうか?
このバンドのエリオット・フレイザーというギタリストがMeteorを作ったのです。

左のいかにもギークな男がエリオット・フレイザーです。決してアレックス・ゲーリングという美女を紹介したいわけではありません。

Meteorという曲の価値を正しく伝えるためには、まずRingo Deathstarrという素晴らしいバンドの存在を伝えなければならない。そのためには彼らが属するニューゲイザーというムーヴメントを語らなければならない。なぜなら、私見ではありますがニューゲイザーがなければRAYは今の形で存在していなかったと思うからです。

前置きが長くなりましたが、Meteor派宣言は
①ニューゲイザーとは
②Ringo Deathstarrとは
③洋楽オタから見たRAYにおけるMeteorの価値
の全三回の予定です。
Meteor派が一人でも増えてくれたら幸いです。

ニューゲイザーとは

元も子もないことをすると、この記事はここで終わってしまうのですが(だってwiki読めばわかるじゃん)、
せっかくなのでうだうだ書いていきます。
長くなりそうなので結論を先に書いておくと、
ニューゲイザーは音楽のジャンルではなく、
2000年代終盤に起こったオルタナ/インディーロックのムーヴメントの一つだと思っています。
そしてRAYはそのニューゲイザーというムーヴメントの延長線上のCutting Edgeにいるのです(うまいこと言ってやった感しかないw)。

オルタナ/インディーの歴史とニューゲイザー

 
まず1991年以降のオルタナ/インディーの歴史をおさらいしましょう。
ここは読むのだるいと思いますし、ほぼ私の恣意的な解釈で書かれているので読み飛ばしてもらって大丈夫です。
※追記
このテキトーなオルタナ年表に、LovelessとニューゲイザーとRAYのPinkを追加しました。その方がこの後の内容が伝わりやすいかと。

・1991 Nirvana Nevermindリリース
インディーロックのメジャー化。レッチリのBlood Sugar Sex MagicやPrimal ScreamのScreamadelicaなども発売される、エポックメイキングな年ですね。
My Bloody ValentineのLovelessもこの年リリースです。

・1994 カートコバーンの死とOasis Definitely Maybeリリース
カートコバーンの死によってオルタナは一部を除き再度アングラ化し、一方より一般大衆にも刺さるOasisのようなバンドも出てきます。Oasisはオルタナではないですけど、USではなくUKでロックがメインストリームに残り続けた象徴かなと。

・2000 Limp Bizkit Chocolate Starfish & The Hot Dog Flavored Waterリリース
UKではRadioheadがいるものの、USではオルタナ/インディーの灯は消えかかっていました。その代わりに台頭してきたのはヒップホップとラップメタルです。USの社会情勢が悪すぎて、オルタナ/インディーよりももっと陰鬱で過激なものが求められたという面もあるかもですね。インディーロックとは相容れない露悪趣味・商業主義の頂点がLimp Bizkitのこのアルバムです。

・2001 Strokes  Is this it?リリース
過激なラップメタルに食傷気味だった人々に突き刺さったのがStrokesのシンプルなアートロックと彼らに続くロックンロール・リヴァイヴァル勢です。最初は初期衝動を押し出したガレージロックが中心だったものの、そこからさらに派生してニューウェイブ・ポストパンクリヴァイヴァルも生まれるとともに、ほぼメディアに人為的に生み出されたものですがニューレイヴなんていう時代の徒花的なジャンルも生まれました。Strokes以降で代表的なバンドはやはりWhite StripesかArctic Monkeysでしょうか。そして、Strokesの出現とともにオルタナ/インディーは息を吹き返し、そこからシーンが音楽的に煮詰まっていった先に今回のテーマであるニューゲイザーが生まれたわけですね。
※ちなみにUKではロックが地上に残り続けたおかげか、StrokesはUKからブレイクするんですよね。

・2008 Deerhunter MicrocastleとNo Age Nounsのリリース(ニューゲイザーの勃興)

・2020 RAY Pinkリリース

ということで91年にメジャー化したオルタナ/インディーロックは、一度その勢いが衰えたものの2001年に復興したのです(めちゃくちゃ雑なまとめ。しかももうおっさんなので、正直2010年代中盤からの流れはわかんねえっす)。

ここで賢明なるRAYオタクのみなさんならお気づきかと思うのですが、
このオルタナ/インディーの歴史の表側に我らがMy Bloody Valentineは出てこないのです!
そりゃそうですよ、だってLovelessのリリースは91年でそれから次作MBVは22年の歳月を要し、
1stのIsn't Anythingは厳密にはシューゲイズではない。
Rideがいるじゃないか、Slowdiveがいるじゃないか、ジザメリがいるじゃないかという反論は承知のうえで断言すると、
シューゲイズの歴史は線ではなく、点であり、
ケヴィン・シールズという奇才がLovelessを作り上げた瞬間に完成した歴史だったのです。
もちろんシューゲイズのアトモスフィアを取り入れたバンドは数多くいますが、
誰の目からも見える形のシューゲイズの歴史はLovelessの登場とともに誕生して終演したのです。
それほどLovelessは完成度が高く、その後に何を足すも引くもできないほどの傑作です。

ここで一つ問いたいのですが、2000年代の後半に起こったニューゲイザーというムーヴメントなくして、
RAYは今の形で存在していたのでしょうか?
くっそ失礼なことを書くと、私はRAYを知る前はFor Tracy Hydeもcruyff in the bedroomも知らなかった人間なので、
ニューゲイザーがなくともRAYは存在していたかもしれません。
しかし、RAYのMeteorという曲は存在していませんし(Gravityもかな)、 
何よりも我々オタクの受け入れ方が違ったと思うのです。
オルタナ/インディーの歴史における絶海の孤島マイブラに、
独力でたどり着ける人がどれほどいるでしょうか?
ニューゲイザーというシューゲイズ・リヴァイヴァルの登場によってRAYがこの世界に出てくる土壌が耕されたという面は確かにあると私は思っています。
ですから私は、My Bloody Valentineが終わらせたシューゲイズという歴史をニューゲイザーたちが紬ぎ、
その延長線上でアイドルという新たな形をもってRAYは存在していると言いたかったのです。
その象徴としてMeteorにはやっぱり歴史的価値があるんだよお!!!!
(ちなみに私はジャパニーズシューゲイズの歴史はわからないので完全に無視して書いているので、そのへんは菅梓さんに語っていただきたいですw)

ニューゲイザーの代表的バンド

ニューゲイザーとして私の中で真っ先に出てくる作品は、2008年にリリースされたDeerhunterのMicrocastleとNo AgeのNounsですね。
しかし、先ほどリンクを載せた日本語版wikiのニューゲイザーの代表的なバンドにこの二組は入っていないんですよ。
ここがニューゲイザーのわかりにくいところで、
まあ音楽のジャンル分けなんてしょせん言葉遊びってことです。
wikiに書いてある通り、あるバンドがふざけて自分たたちのことをニューゲイザーと呼び、
それを面白がったメディアが音楽的に共通性が多いわけではないその年期待の若手バンド二組をニューゲイザーと括ったというわけですね。そういう経緯なので、ニューゲイザーはジャンルではなくムーヴメントと書きました。Deerhunter、No Age以降のシューゲイズ的アトモスフィアを持ったバンドの隆盛という感じでしょうか。せっかくなのでその二組も含め、いろいろなニューゲイザーバンドを軽く紹介していきます。本題のRingo DeathstarrについてはMeteor派宣言の第二回で書きます。私が知っている範囲なので、みなさんが好きなものがたくさん抜けていると思います。引リツで教えてくれたらうれしいです。

・Deerhunter
ニューゲイザーのカリスマ、ブラッドフォード・コックス率いるバンド。彼らの代表曲Nothing ever happenedを聴いていると穏やかな死と諦めのイメージが広がります。シューゲイズというよりはオルタナ・サイケって感じ。RAYの曲ではFading Lights好きな方にはおすすめかな。

・No Age
ギターとドラムの2ピースバンド。シューゲイズというよりはドリーミーローファイパンク。起承転結を無視した独自の曲構成が魅力(アカデミックな言葉であんまり好きじゃないけど、脱構築って感じ)。RAYの曲と共通性はほぼないかなw

・M83
エレクトロシューゲイズの第一人者。代表曲のMidnight Cityはダンス色をなくしてもっと侘びさせたフロンティアって感じです。

・Nothing
月海さんも好きなバンド(ここテストに出ます)。ギークだらけのシューゲイザーには珍しく、バッチバチにタトゥー入ったいかつい兄ちゃんたちの集まり。曲調はとにかく暗い。ニューゲイザーで一番暗いよ!

・Turnover
かなり枯れたオルタナサウンド(シューゲではないな)。RAYで言えばnot a lovesongを生きる気力を失いかけたおじさんがやってるイメージです(何だそりゃ)。

・Westkust
このバンドはRAYにたとえやすくて、音の質感がめちゃくちゃGreenっぽい!

・Autolux
全世界のドラム始まりの曲好きに捧げたいのがTurnstile Bluesという一曲。轟音というよりフィードバックノイズの使い方に強いこだわりを感じます。

・The Big Pink
ここまで挙げた中ではかなり聴きやすい方だと思います。RAYで言うなら愛はどこにいったの?みたいな王道ミドルテンポシューゲが多いです。

・Niights
私がRingo Deathstarrと並んで愛するニューゲイザー。Keyholeは美しいメロディ、心地よい轟音、静と動の押し引きすべてを兼ね備えた完璧な一曲。バタフライエフェクトが好きな人にはぜひ聴いていただきたい!

ということでMeteor派宣言の第一回はここまでです。
まだMeteorの魅力を語るところまで進んでいませんが(なんと第二回も前置き)、
すでにMeteor派に加入の意思を持った方はぜひいいね、リツイートお願いいたします!!

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