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あべかわ餅:トレハロース

(きなこたっぷりあべかわ餅は、たまに食していたので、
調べてみました。)

2023年10月22日

結論から言うと、

トレハロースの問題点は、

原料が遺伝子組み換えかどうかで
消費者サイドからでは判断しようがないというのが問題点。

それ以外は問題ない。安全である。

原材料:もち粉(タイ製造)、砂糖、きなこ/トレハロース
酵素(一部に大豆を含む)

3個入り

トレハロースとは?

トレハロースはブドウ糖が結合してできた2糖に分類されます。
ライ麦から発見された成分で、
食品をはじめ化粧品などにも使用されて今では有名な成分
となっています。

ライ麦の他にも海藻類やひまわりの種、
エビやキノコ類など様々な植物や微生物などに含まれているので、
知らない間に口にしていることも大いにある成分です。

トレハロースの歴史

微生物や植物の体内にもトレハロースの成分があるという事で、
トレハロースは太古からある成分として考えられていますが、
実際に存在が明るみになったのは1832年のことです。

ライ麦の中に成分が発見されてから、
薬・美容・食品など様々な分野で使うことが出来るのではと
たくさんの研究がおこなわれました。
しかし当時はトレハロースを抽出するのが難しかったために
1kg4~5万円とかなり高額だったそうです。

1994年、日本の企業「林原」が
でんぷんからトレハロースを生産することに成功し、
大幅なコストダウン・大量生産を可能にしました。
400円~500円と1/100の価格で利用できるようになりました。

それ以来、トレハロースは化粧品を始め、和菓子・パン・弁当やおにぎりなどに添加される他、肉類や野菜の加工処理などにも使われています。

トレハロースが人工甘味料と間違われる理由

トレハロースが人工甘味料と間違われる理由は、
トレハロースが「糖質」であること。
甘味料といえばもちろん甘さをイメージしますよね?
世間的に糖質も甘いイメージを持たれていることと、
1つ目の理由が重なり結果合成甘味料と勘違いされるのです。

糖質はもちろん甘味をもつ成分もありますが、
実際はお米や麦などの穀類やイモ類などのでんぷんも仲間です。
トレハロースは甘味料ではなく糖質であることを覚えておいてくださいね。

>>人工?合成?糖アルコール?甘味料の種類について

トレハロースの特徴は甘味ではなく保湿力

トレハロースは砂糖の半分の甘みしかないのにも関わらず
カロリーが1gに対して砂糖と同じです。
砂糖と同じ甘さにしようとすると、
トレハロースはたくさん入れなければいけないため
約4倍ほどのカロリーになってしまいます。

ですから甘みをつけるという使い方ではなく
品質を保つ事を目的として使用されることが多い。

冷凍食品の風味変質の抑制

トレハロースは、風味や変質を抑えてくれる効果があるので、
冷凍する前の味に近いまま保つことが出来ます。
クリームなどの軟らかい食品も
解凍しても滑らかな舌触りをキープしてくれますよ。

でんぷんの老化を防止

ご飯をしばらく放置するとかたくなってしまいますよね?
その原因がまさにでんぷんの老化になります。
しかしコンビニ弁当やお餅のデザートも、
いつ買っても固くなっていることはありませんよね。

それがトレハロースの力なのです。
トレハロースにはでんぷんの老化を防ぐ効果があるので
軟らかいまま維持することが出来ます。
コンビニやスーパーで売られている食品には
大概トレハロースが使われています。

美容にもつかわれる保湿力

トレハロースの最大の特徴は保水力
その効果は食品にとどまらずスキンケアやコスメにも使われています。

乾燥肌の人には得意の保水力が効果的ですし、
敏感肌の人には肌の細胞を保護してくれる効果もあるので
重宝されいます。
オイリー肌の方も、元の原因は肌の乾燥からくるものなので、
トレハロースが悩みを解決してくれます。

トレハロースの安全性・危険性

WHO(世界保健機関)からも安全性を認められており、
本来だと体に害が出ないように成分ごとに許容摂取量を設定するのですが、トレハロースは設定する必要がないほど安全だと太鼓判を押されています。もちろん厚生労働省も安全な成分であると食品添加物に認定しています。

大量生産されるトレハロースの主な原料は
危険性も否定できない遺伝子組み換え作物。

トレハロースを抽出する元の素材(トウモロコシやじゃがいもなど)は、
海外からの輸入品が99%。
それは、原料が遺伝子組み換え作物である危険が高い
ことを意味しています。

清涼飲料水に含まれるブドウ糖果糖液糖の原料が
遺伝子組み換え作物で作られているであろうことを知っている方は
増えていると思いますが、実は、トレハロースもその一つであることは、
知らない方も多いのではないでしょうか。

初めて分かったトレハロースの危険性

英紙Natureに掲載されたJ. Collinsらの論文
「論文紹介:食品に添加されたトレハロースが
クロストリジウムの流行の原因だった」

1995年から2007年の間に10倍も症例数が増えた
「クロストリジウム・ディフィシル」という人間の腸内常在菌が起こす
下痢や腸炎について研究が行われました。
その中で、トレハロースがこの腸炎を起こす菌の増殖に
関係していることが分かりました。

クロストリジウム・ディフィシルという菌

健康人の腸内細菌叢に存在している菌で、
抗生物質に抵抗性を持っています。
しかし、健康な人の腸内では他の細菌が
クロストリジウム・ディフィシルの増殖を抑えるため、
腸炎を発症することはありません。

この腸炎は
一般に抗生物質を服用することで起こるとされていました。
抗生物質に抵抗性をもたない他の菌が
抗生物質の服用や点滴で除去されることで
細菌叢のバランスが崩れると、
クロストリジウム・ディフィシルは増殖して
腸炎を起こすとされてきたのです。

ただ、抗生物質の助けなしに増殖することがあり、
これが「流行性」の感染症と言われているものでした。
2000年以降多くの国で流行があり、
ゲノムの解析から強い毒性を獲得した原因株が発見されました。
この流行は必ずしも抗生物質と関連していなかったため、
原因がなんであるのかの究明が待たれていました。

クロストリジウム・ディフィシル腸炎は、
抗生物質を使用していない人に起こることは稀な病気でした。
しかし、2000年以降、
なぜか流行性クロストリジウム・ディフィシル感染症が世界で増えた。


その原因を究明するために研究者が目を付けたのが食品中の糖質でした。
様々な糖質を調べた結果、2000年以降に広く使われだしたトレハロースは、他の菌が利用できないにもかかわらず、
クロストリジウム・ディフィシルの流行性菌株でのみ
利用できることが分かりました。

食品として多く含まれるようになったトレハロース。
この環境に菌は対応して進化したのです。

この論文のもっとも致命的な点は、
1995年から食品添加物のトレハロースが
上市され最も流通量が多い日本がこのチャートに入っていないことだ。
著者らは食品添加物のトレハロースが原因で強毒性CD菌感染症が
集団発生するとの仮説をたてたようだが、
ではなぜ20年以上にわたって最もトレハロースを摂食している日本において全くアウトブレイクが起こっていないのか*。
*国内で2001年にCD強毒菌検出の報告はあるものの
アウトブレイクはない。



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