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「2018年生まれの子の1歳時の腸内細菌数は2020年生まれの半分しかない」ということが書かれてある記事

2023年12月31日 

時事メディカルの記事ですが、
長いものですので、
全体はオリジナルからご覧下さい。
タイトルの部分を抜粋します。
「半分」というのは厳しい数字ですね。

(参考記事)過剰な消毒がどのように小さな子たちを殺していくか
In Deep 2021年10月21日


子どもの「腸活」が大事なわけ~多様な菌が心身を健康に~

時事メディカル 2023/12/28
…腸内細菌と免疫システムに関し、
冨士川さんが懸念していることがある。

新型コロナウイルスの影響だ。
「パンデミックの最中に生まれた子どもは、
腸内細菌の多様性が低いことが明らかになっている。
免疫システムを考えると非常に不利と言える」。

コロナ禍で手指の消毒・殺菌が当たり前になった上、
人との触れ合いも制限された。

2018年生まれと20年生まれの子の1歳時の腸内細菌数を比較すると、前者は後者のおよそ半分しかないという。

冨士川さんは
「多様性の点を考えると心配だ。
意識して自然の中で過ごす時間を増やしたり、
食品から摂取したりして、上手に加菌してほしい」
と呼び掛けた。

◇菌を増やせるのは幼少期

「腸内細菌の働きがバリアー機能を果たしている」と冨士川さん。

細菌は腸内で食物繊維などの未消化物を餌にして
代謝物質を作り続けている。
代表的な物質の一つが短鎖脂肪酸だ。
主に、酪酸菌やビフィズス菌が作り出す酪酸や酢酸、プロビオン酸を指す。これらは腸管から吸収され、
感染症予防に重要な役割を担う抗体の一種である
免疫グロブリンA(IgA)を生み出す。
IgAは腸管だけでなく、
血液や粘膜を介して感染症を予防している。

また、酪酸は免疫を調節する制御性T細胞を
活性化させることも分かっていて、
「ちょうどいい免疫力」を保つ。
つまり、免疫の暴走であるアレルギー反応を防ぐ役割も担っているのだ。
冨士川さんは
食物アレルギーの子の便は多様性が低かった」
と指摘する。

「成人でも、
病気がちな人は腸内細菌の多様性が低く、
補おうとしても定着させられず、限界があった。

一方、2~6歳ごろまでは食事や接触によって
菌をどんどん取り入れ、
腸内に常在菌として住まわせることが可能。
多様な菌を抱えられる子ども時代こそ、
腸活が重要になってくる」
と冨士川さんは話す。

具体的には、
ヨーグルトや納豆、漬物などを食べて
善玉とされる菌を直接摂取したり、
その菌の餌となる食物繊維が含まれる野菜や果物、
豆類などを取ったりするといい。

バランスよく食べることが重要だ。
同社は両方を手軽に取れる商品を開発・販売し、
子どもの腸活をサポートしている。

◇好きな食べ物は腸内細菌が決める?

緊張やストレスの緩和といったメンタルコントロールにも、
腸内細菌が関わっていることが分かってきている。
現在注目されている話題で、
「脳腸相関」という言葉が知られるようになった。

慶応義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授は
「脳と腸は四つのルートでつながっている」と言う。
自律神経の一つである迷走神経、ホルモン、リンパ管や
粘膜を移動する免疫細胞、そして腸内細菌が作る代謝物質だ。

おなかの調子が悪いと気持ちが落ち込む。
ストレスや緊張を感じると、おなかが不調になる。
また、睡眠不足や食生活が乱れた際、
腸内細菌のバランスが乱れることもある。

食の好みも、腸内細菌に左右されているかもしれない。
「例えば『おふくろの味』。
実家を離れてから当時のメニューを懐かしい、
食べたいと思うのは、
今までの食事内容が腸内細菌の餌となっていたためではないか
と推測している。
食の好みに腸内細菌が
影響しているという動物実験での研究報告もある。
腸内細菌の声を聞いて食を選ぶという方法が成り立つのではないか」
と福田特任教授。
冨士川さんも
「食欲は腸内細菌が影響しているのではないかと仮説を立てている」
と明かす。

◇腸内細菌が持つ可能性

冨士川さんは
「腸内細菌の多様性は、
大人になってからでは取り戻せない。
腸活は便通と同一視されがちだが、
健全な成長全てに関わっている。
もっと知ってほしい」
と言葉を強める。

福田特任教授も
「最新の科学技術を用いて自分の腸内環境を知れば、
自分の腸に何を届ければいいかが分かるため、
体調管理や病気に強い体づくりをスムーズに進められる」
と語る。
近い将来には
「腸内細菌をコントロールしてストレス耐性を高めたり、
自分の体質に合う薬を選んだりできるようになるはずだ」
と進行中の研究の社会実装に意欲を示しており、
今後さまざまな成果が得られるかもしれない。
(柴崎裕加)

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