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ロシアの復活と多極化が新世界秩序を阻む

午後11:41 · 2023年11月18日 チェーザレ・サッケッティ著https://www.theyeoftheneedle.com/the-resurrection-of-russia-and-the-multipolar-world-prevented-the-new-world-order/

ロシアが国家ですらなかった時代があった。
少なくとも、本当の意味での国家ではなかった。

政府は法律を執行する力を持たず、
他のアクターがシーンを支配していた。
90年代のことである。

当時、ロシアに住んでいたロシア人に話を聞けば、
当時のロシアがどんな生き地獄だったかを教えてくれるに違いない。

ベルリンの壁が崩壊したのは、
ソ連の封鎖が解かれ、政治的空白が生まれたからだ。

政治的空白は、
アメリカのディープ・ステート影の政府)や
悪名高いロシアのオリガルヒ(アシュケナージ・ユダヤ人)などの
外国勢力によって埋められた。

アシュケナージとは、ヘブライ語でドイツの意味。
アシュケナジム - ディアスポラのユダヤ人のうち、
おもに東ヨーロッパなどに定住した人々やその子孫の呼称)の
単数形(アシュケナジーとも)。
同地からイスラエルに移住したユダヤ人とその子孫の集団も
同様に呼ばれる。

アシュケナージ系ユダヤ人

東欧諸国(ドイツ、ポーランド、ロシア)に居住していた祖先をもつユダヤ人の2大グループの1つ。もう一方のグループはセファルディ系ユダヤ人と呼ばれ、こちらは北アフリカ、中東、スペインに居住した祖先をもつ。米国在住のユダヤ人は、大部分がアシュケナージ系ユダヤ人である。「eastern european jews(東欧ユダヤ人)」とも呼ばれる。

アシュケナージ・ユダヤ人とは
アーサー・ケストラーが著書『第13支族』
カザール王国の人々が、ユダヤ教(モーセ5書)を信仰しながら、徐々に、800年代から200年ぐらいかけて、ハンガリーやポーランドや、ドイツ、ロシアなどに移動していったことを描いた。これが、アシュケナージ・ユダヤ人である。彼らはこのあとアメリカ合衆国やイスラエルに移住した。

彼らは、古代イスラエル=パレスチナにいたユダヤ人とは異なる。  アシュケナージ・ユダヤ人は、1880年ぐらいから、ポグロム(迫害)を避けて、外国に移住した。また、同時期に興った「父祖の国であるイスラエルに帰ろう」というシオニズムに共感して、どんどんイスラエルに戻った。
この説によると、アシュケナージ・ユダヤは、偽のユダや人ではないが、古代イスラエルーパレスチナにいたユダヤ人ではない、ということになる。
今のイスラエル国民の8割ぐらいは、このアシュケナージ・ユダヤ人であり、残りはスファラディ・ユダヤ人である。
スファラディ・ユダヤ人は、1492年のディアスポラ(大離散)で、スペインから世界各地に追放され、移住していったユダヤ人、ということになっている。
すると、第二次世界大戦中に、ナチスに寝返ったシオニストのユダヤ人は、ネタニヤフ首相と彼を支持している過激な極右勢力連中だと考えられる。
10月7日のハマスによる襲撃事件があるまでは、ネタニヤフ首相による法制度の改革や自身の汚職不祥事で裁判にかけられているなどの問題などで、国民の大半はネタニヤフ首相の政権に不満を抱いていた。
シオニストも、ネタニヤフ首相周りのシオニストとアシュケナージユダヤ人及びスファラディ・ユダヤ人のシオニストに分割しているということになる。

これらのオリガルヒのおかげで、
ロシアは
マフィア、人身密輸業者、麻薬の売人など、
最悪の種類の人々によって支配されることになった。

これらの要素はすべて、
当時のロシアの事実上の政府であった。

この時点で、分析を続ける前に
いくつかの事実を強調しておく必要がある。
私たちはソ連時代を懐かしんでいるわけではない。

ウォール街はいかにしてソ連をつくったか

ソ連は
アングロサクソンの金融界が作り出したもので、
共産主義を世界中に広め、
キリスト教的価値観を取り入れた古代のロシア皇帝の伝統を
取り除くために考えられた。

ソビエト連邦誕生の本当の物語は、
自由主義者の物語を乱すことになるため、
歴史書には書かれていない。

例えば、トロツキーが
1917年に革命を計画するためにニューヨークに行き、
この街で地元の有力な裕福な銀行から資金援助を受けていたことは、
少なくとも私たちが学校で習う歴史の教科書には載っていない。

1917年、シアトルのエリオット湾にSSシルカ号という汽船が入港し、
この船には10万ドルの金塊が積まれていたことは、
あまり知られていない。

ボリシェヴィキ革命-
-ロシアの歴史だけでなく、世界全体の歴史を変えた革命--は、
ロシアの労働者たちによってではなく、
彼らの敵によって資金提供されたものだった。

恐らく、これは一部の読者を動揺させるかもしれないが、
共産主義は自由主義の裏返しに過ぎないというのが真実だ。

これらの政治的教義は、
どちらも同じ権力者によって運営されていた。

なぜなら、どちらもフリーメーソンという宗教に基づく
世界政府の樹立という同じ目標を目指しており、
現在も目指しているからだ。

カトリック教会とレオ13世のような素晴らしい教皇たちは、
『レルム・ノヴァルム』のような回勅の中で、
こうした計画を非難した。

失われた知恵を探すなら、
これらの貴重な文書から始めるべきだ。

しかし、ソ連の独裁体制を作り上げたのは、
80年代初頭にソ連を滅ぼそうと考えたのと同じ人々だ。

ソ連は世界政府計画にとって時代遅れとなった。

統制された二重支配は解体される必要があった。
なぜなら、アメリカ帝国だけが
グローバリストのヒエラルキーの杖を握るべきだからだ。
これが、ゴルバチョフが80年代初頭に権力を握った理由である。

彼はこの任務を遂行するための完璧なトロイの木馬だった。

私たちがソ連をどう思おうと、
一部のリベラル派の歴史家が装っているように、
ソ連は機能不全のために崩壊したのではない。

ソ連は世界最大の軍隊を持ち、
いくつかの軍事・航空宇宙技術分野でリーダーだった。

ゴルバチョフが
ソ連の腐敗と闘うためにペレストロイカ運動を展開したとき、
彼は西側諸国が望んでいたことをしていた。

このことは、元ロシア大統領が一部のリベラルで
影響力のある西側サークルで賞賛された理由にもなっている。
彼はソ連を殺し、
90年代に始まるグローバリゼーションへの道を開いたのだ。

ベルリンの壁の崩壊とロシアの略奪

1992年には、
ソ連という組織はすでに消滅し、
ロシアにはもはや主権がなかった。

ボリス・エリツィン

クレムリンには
ボリス・エリツィンという傀儡大統領がいたが、
彼はアルコール依存症で悪名高く、
公の場でビル・クリントンに嘲笑された。

エリツィンは
モスクワでハーバード・ボーイズのトップである
ジェフリー・サックスを雇い、
今ではNATO批判者のふりをするサックスは
ロシアの全産業を売り払った。

「ショック療法」と呼ばれたが、
私たちは略奪という言葉の方が好きだ。
これらの大規模な民営化によって、
ロシアの富は外国資本の手に渡り、
その過程はイタリアで起こったこととよく似ている。

マリオ・ドラギ Mario Draghi

イタリアでは、
マリオ・ドラギ前ECB総裁という別の経済ヒットマンが、
イタリアの公共産業を
JPモルガンとゴールドマン・サックスに売り渡した。

ロシアは途方もない苦難と残酷な経済危機に見舞われた。
ロシア外務省のスポークスマンであるマリア・ザハロワが、
ロシア国営テレビが主催した討論会で語ったように、
中絶が急増し、飢饉が蔓延していた。

この危機は、ロシアが、
トランプの効果的な用語を借りるなら、
国の沼の水を抜くことができる指導者を見つけたときに
ようやく終止符が打たれた。

その指導者とはウラジーミル・プーチンである。
今から23年前の2000年に大統領に就任したプーチンは、
外国人工作員や汚職官僚がうようよしていた
ロシアの組織の浄化を強行した。

プーチン氏の娘カテリーナ
Vladimir Putin and His Wife

プーチン自身、
2021年の演説で、
いかにロシア政府を浄化しなければならなかったかを回想している。
多極主義の最初の種が蒔かれたのはこの時代だった。
多極主義は、
一部の人々が考えているような最近の政治哲学ではない。

今、私たちが見始めている世界は、
過去20年間続いた政治的プロセスの結果である。
ロシアが主権を主張するようになると、
ロシアは徐々に、もはや無視できない力を持ち始めた。

ネオコン戦争の時代

当時、国際政治は
ホワイトハウスを支配する
シオニストのネオコン教義に支配されていた。

一握りの危険で強力なシオニストの政治家たちが、
1998年に『新アメリカの世紀計画』と題するマニフェストを書いた。

アメリカ新世紀プロジェクト
Project for the New American Century, PNAC
アメリカ合衆国の保守系シンクタンクで、1997年に設立された非営利的教育組織である。アメリカの国際的指導力を促進することを目標としており、ワシントンD.C.のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所英語版)と同じ建物に事務所を置いている

この文書では、
ディック・チェイニー、

ディック・チェイニー Dick Cheney
ポール・ウォルフォウィッツ Paul Dundes Wolfowitz
ジョン・ボルトン John Bolton

ポール・ウォルフォウィッツ、
ジョン・ボルトンといった、
後にブッシュ政権の屋台骨となる人々が、
ベルリンの壁崩壊によって生まれた好機の窓を利用し、
アメリカ帝国の力を拡大する必要性を強調した。

前述のマニフェストの中で、
ネオコンは9.11テロを予言し、
新たな "真珠湾攻撃 "だけが、
ワシントンが放つ将来の "対テロ戦争 "を正当化すると指摘した。

しかし、戦争が行われたのは、
大イスラエル構想など、
イスラエルが自国の計画を脅かすと考える国々に対してだけだった。

アメリカは独自の外交政策を持っていなかった。
親イスラエルの外交政策をとり、
アメリカはテルアビブに支配された民兵の役割を果たした。

これが当時の地政学的背景であったが、
ロシアは忍耐と知恵をもって、
90年代に破壊された国の再建に取り組んだ。
軍隊は再建された。
経済的な奇跡が起こり、
ロシアは世界における地政学的な力を取り戻し始めた。

90年代に生まれた空白は、
この国の復活によって埋められようとしていた。

多極主義は2000年代にさかのぼる。

プーチンは 2007年のミュンヘン会議で演説し、
世界に向けて自らの政治的ビジョンを強調した。

プーチン大統領「ミュンヘン演説」全文 2007年

ロシアは、NATOのような単一の封鎖による
権威主義的支配のない世界を望んでいた。

ロシアは、各国が対等な関係を築ける世界を望んでいた。
米国のディープ・ステートに代表される権力が、
他国を属国として扱い、
その命令を実行させるような世界を望まなかったのだ。

一極主義は、NATOの独裁を世界に強要する方法だった。
この帝国に従わない者は一掃された。
そして、NATOに反対して立ち上がった指導者のリストは
非常に長く、これらの政治家の多くは大西洋同盟によって殺された。

セルビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領

セルビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領のように、
90年代に世界のマスコミから悪者にされ、
「ジェノシディスト(大量虐殺主義者)」として
誤って描かれた人物のことだ。

その後、2016年に彼は、
その犯罪で彼を冤罪で訴えたのと同じ裁判所であるICCによって
無罪となった。

しかし、遅すぎた。
ミロシェビッチは2006年、
ハーグで不明な死を遂げた。

自国を愛し、アメリカドルに代わる
国際通貨のために働いたという「罪」を犯した
ムアンマル・カダフィも同じ運命をたどった。

ムアンマル・アル=カッザーフィー

カダフィは、1944年のブレトンウッズ協定以来、
世界を支配してきた金融アングロサクソン勢力の電線に触れた。

ロシアは政治的な代替案を模索してきた。
帝国がその条件に口を出すのではなく、
最終的に各国が主権を相互に尊重することで
仕事ができる世界である。

20世紀は、特に第2次世界大戦後、
国家が力を失った世紀だった。
終戦後、
多国籍企業とともに国際機関や超国家機関が台頭し、
国家の権力は徐々に海外に移った。
EUはこの力学の完璧な例である。

権限のいくつかのレバーは
もはや欧州政府の手にはなく、
一般市民がしばしば無視する委員からなる
選挙で選ばれたわけでもないEU委員会の手に握られている。

1992年にマーストリヒト条約が締結されたのは、
このプロセスを実施するためだった。

今、私たちは新たな段階に足を踏み入れている。
XXI世紀は、これまでとはまったく異なる時代になることが
約束されている。

多極化する世界では、
国家が復活することになる。
前世紀に私たちが経験したのとは正反対のプロセスであり、
ロシアは彼の外交政策によってこの新しい局面を加速させた。

確かに、この分析には
覆すことのできない重要な要素がある。

トランプが大統領になったとき、
米帝国はその役割を執行することをやめた。

米国は国際的な大国から国家的な大国となった。
ワシントンの政治スペクトルは、
グローバリストやシオニストのロビーよりも、
むしろ国益を守ることに重点を置いている。

アメリカのこの優先順位の転換は、
ロシアの計画と完全に一致し、
ウクライナ戦争は
この20年のビジョンの結論における決定的な局面である。

NATO自身、ゼレンスキーが倒れれば、
旧来の一極世界が消滅することを完全に認識している。

その書記長は、
ロシアが戦争に勝てば「悲劇」だと公然と述べた。
確かに、世界を再構築し、
新世界秩序の世界的独裁体制に移行することを望んでいた人々にとっては
悲劇である。

それどころか、
国家とその伝統が復活する世界を望む人々にとっては、
大きな興奮の瞬間となるだろう。

数年前まで、世界中の何人かの人々は、
グレート・リセットという虫の知らせが届く
この悲しい時代に生きていることを後悔していた。

人類を
グローバルな独裁体制に引きずり込もうとした
WEF計画の失敗は、すべてを変えた。
これらのことを考慮すれば、
私たちが生きている時代が最も興味深く、
エキサイティングな時代であることは間違いない。

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