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【ゆるクソクイズ学note】新潟市民にバカウケするばかうけの話

 ゆるクソクイズ学noteとは、クソクイズに対してゆるく真面目に考えるシリーズです。内容に厳密性はありません。

1.問題

新潟市民にばかうけの話をするとバカウケする。○か✕か。

作者:澤木恭介

2.問題の確認

恭介:「ばかうけ」は栗山製菓により販売されている米菓で、「ばか」は本社の位置する新潟県の方言で「すごい」を意味します。そんな新潟生まれのお菓子「ばかうけ」の話題を新潟市民にすればバカウケ間違いなし!というのが本当か嘘かを問う問題です。
ぼたん:これはクソクイズ。

3.考察

3.1.背理法

ぼたん:取っ掛かりのない問題に見えますが、僕の人生経験より命題の正しさを判定するために有効な手法の1つとして背理法が使えるのではないかと思いました。
恭介:なるほど。背理法はどんな方法ですか?
ぼたん:ムックっているじゃないですか。
恭介:ガチャピンの相方かな?イエティなので、頭のプロペラで体を冷やしているやつですね。背理法に何か関係あります?
ぼたん:ムックって食いしん坊なので、たまに窒息すると思うんですよ。恭介さんはムックが窒息したらどうします?
恭介:背中を叩くとか。
ぼたん:それでダメだったらどうします?
恭介:あ、クイズで聞いたことあるかも。後ろから手を回して横隔膜を突き上げるように圧迫する方法がありましたね。ハイムリック法?
ぼたん:そうです。そして、ハイムリック法にはムックが入ってますね。
恭介:うん?
ぼたん:ハイムリック法からムックを取り除くとどうなりますか?
恭介:えーと、ハイ「ム」リ「ック」法だから・・・、ハイリ法だ!
ぼたん:はい、その通りです。でも実際ムックにハイムリック法を使うことはあるでしょうか?
恭介:そういう仮定を置かれたのである前提で聞いていましたが、無いと思います。
ぼたん:そうですね。なので仮定を置いて、それを否定する方法が背理法です。
恭介:なのでじゃ無いんだよなぁ。

3.2.バカウケしないとどうなる?

ぼたん:背理法を使うため、新潟県民にばかうけの話をしてもバカウケしないと仮定します。
恭介:これで矛盾があれば、バカウケするって言えるわけですね。
ぼたん:では、バカウケしないとどうなりますか?
恭介:うーん、すごいウケる訳じゃないってことはややウケしたりウケなかったりする訳ですよね。
ぼたん:そうです。大滑りします。
恭介:違くない!?それ周極星に対して全没星って言ってるようなもんだよ!?論争巻き起こるよ!?(伊沢拓司『クイズ思考の解体』P227参照)
ぼたん:大滑りするってことは、場の空気が冷えることですね。
恭介:なんかゴリ押しされてるけど、多分そうだと思います。

3.3.空気が冷えると感じるのはどれぐらい?

ぼたん:では恭介さん。空気が冷えたと感じるためには、どれぐらい温度差が必要かわかりますか?
恭介:あんまりイメージ湧かないですね。よくクーラーの温度を1℃上げたら暑いし1℃下げたら寒いみたいな話はありますね。
ぼたん:あれはエアコン稼働パワーの関係なので、実際はもう少し変化がないと気づかないと思います。ただこれ、調べてもあまり出てこなかったので3℃と仮定しましょう。
恭介:仮定に仮定を重ねて良いのですか?
ぼたん:この話に厳密性求めてます?
恭介:いや、やっぱり大丈夫です。
ぼたん:ところで、私はあえて温度差と表現しましたが、今回の話は人間が感じる温度なので、体感温度の話をしたいんですね。
恭介:実際の気温が3℃変わっても、人が感じる温度は違うかもしれないってことですかね。
ぼたん:その通りです。体感温度はミスナールの計算式(改良版)を用います。詳細はWikipediaをご参照ください。

恭介:求めるには温度、湿度、風速が必要ですね。
ぼたん:そこで今回の問題設定が生きてきます。今回は新潟市民を対象としているので、新潟のデータを参照しましょう。気象庁にデータが公開されています。

恭介:平均湿度が72%、平均風速が3.3m/sみたいですね。
ぼたん:これを元に計算すると、気温が1℃変化するごとに体感温度は約1.21℃変化します。
恭介:実際の変化より大きく変化を感じるってことですね。
ぼたん:この辺りから計算ざくざく概算にしていきますが、体感温度が3℃低下するためには、実際の気温の低下が2.5℃必要です。

3.4.空気が冷えるとめちゃくちゃエネルギーが吸収される

ぼたん:さて、2.5℃気温を下げるためにはどれぐらいエネルギーが吸収されれば良いかを考えていきましょう。
恭介:具体的な話に入りそうですね。エネルギーと温度の関係を考えるってことは、比熱ですか?
ぼたん:その通りです。この辺りは厳密性は置いといて、空気の比熱は約1J/gだそうです。
恭介:空気1gを温めたり冷やしたりするのに、1J必要ってことですね。わかるようなわからないような。空気1gってどれぐらいですか。
ぼたん:こちらは後で使わないですが、おおよそ1Lで1gだそうです。
恭介:にゃる。あれ、この数値は使わなくて良いのですか?
ぼたん:今回は別の数値、地上1$${m^2}$$あたりの上空の空気の総量10000kgの方を使います。
恭介:
なそ
にん
ぼたん:新潟市の上空にどれぐらい空気があるかを求めましょう。
恭介:この辺りはWikipediaから数字持ってこれそうですね。

ぼたん:新潟市の面積は726.45$${km^2}$$なので、新潟市の上空には約7.3✕$${10^{12}}$$kgの空気があります。これを2.5℃冷やすためには、エネルギーを1.8✕$${10^{16}}$$J吸収する必要があります。
恭介:すごい数字になってきた。

3.5.新潟市民の放出エネルギー

ぼたん:さて、ここまでの話をおさらいすると、新潟市民にばかうけの話をしてバカウケしないと仮定すると、新潟市民にばかうけの話をするとエネルギーが1.8✕$${10^{16}}$$J吸収されるということでした。
恭介:文が冗長でわかりづらいですね。ところで、話をする相手は新潟市民ひとりで良いのですか?
ぼたん:新潟市上空の空気が全部冷えることにしているので、新潟市民全員にばかうけの話をしたことにしないと不平等でしょう。
恭介:そうかなぁ。
ぼたん:さて、吸収されるエネルギーばかりあってはそのうち新潟市は凍てついてしまいます。何かで均衡がとられているはずです。
恭介:一番大きいのは太陽光とかですか?
ぼたん:太陽光などを仮定してしまうと、新潟市民に対してばかうけの話をするスケールからずれてしまいます。今回は、新潟市民が放出するエネルギーだけを考えるのが妥当でしょう。
恭介:そうかなぁ。
ぼたん:新潟市民はWikipediaによると77.5万人います。また、単位人間が単位時間あたりに放出するエネルギーは約2.0✕$${10^{5}}$$J/人・hとされているようです。
恭介:単位人間って言い方、なんか人間っぽさを感じない。
ぼたん:というわけで新潟市民全体で放出するエネルギーは1.6✕$${10^{11}}$$J/hです。
恭介:大きなエネルギーを感じるノロ。

3.6.吸収エネルギーVS放出エネルギー

ぼたん:さあ、ここまでで吸収されるエネルギーと放出されるエネルギーが求められました。
恭介:これを比較すると何か分かるんですか?
ぼたん:まあ、私はあまり思想的なものを主張するつもりはないですが、一般論として地球温暖化が進んでいると言われています。なので、冷えていることはないってことです。
恭介:つまり、吸収エネルギーよりも放出エネルギーの方が大きいって事ですかね?じゃあ比較したら良さそうですが、単位が若干違いますね。
ぼたん:その通りです。放出エネルギーは1時間あたりの放出エネルギーなので、吸収エネルギーに達するまでにどれぐらい時間がかかるかを求めてみましょう。
恭介:単純に1.8✕$${10^{16}}$$J ÷ 1.6✕$${10^{11}}$$J/hで行けそうですね。計算したら、約1.1✕$${10^{5}}$$hです。
ぼたん:これはわかりやすい単位に直すと、12.5年ほどです。
恭介:にわかに現実的な値に戻ってきましたね。

3.7.新潟市民のばかうけ周期は12.5年より短いか

ぼたん:今までの結果から、新潟県民は平均12.5年に一度以上ばかうけの話をされているとすると、地球はもっと冷えているはずで、矛盾します。
恭介:いろいろおかしいところはあった気がしますが、一旦受け入れましょう。
ぼたん:では新潟市民のばかうけの話をされる周期は12.5年より短いでしょうか。
恭介:うーん、明確ではなさそうですね。
ぼたん:では、ばかうけの歴史を見てみましょう。ばかうけはホームページによると1989年に発売開始されたので、現在34周年目となります。つまり、新潟市民が過去3回ばかうけの話をされていれば、矛盾が生じることになります。
恭介:3回と言われると、少ない気がしますね。
ぼたん:その感覚は正しいですが、もう少し考えてみましょう。新潟市民の大部分がばかうけの話を振られるような出来事は過去どれぐらいあったでしょうか。
恭介:まあ、まず発売が開始されたというところで1回はありそうですね。
ぼたん:その通りです。その他話題になりそうな出来事として、1993年のCM開始、1998年のホームページ開設、2001年のキャラクター登場など。
恭介:おお、じゃあ3回以上はばかうけの話を聞いてそうですね。
ぼたん:はい、というわけで矛盾が導かれましたので、最初の仮定が間違っていたことになります。背理法により、この答えは○です。

4.結論

新潟市民にばかうけの話をするとバカウケする。
※厳密性はありません。

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