冒頭で答えが確定しない問題について

クイズに復帰してから作問した問題が1000問を超えました。普段から作問した問題を提供できる場があることはありがたいことです。
ところで現役を引退してから10年近く経っていることもあり、当時とは作問時の考え方が変わっている部分もあります。特に表題の冒頭で答えが確定しない問題については気をつけるようになりました。今回はその辺りについて書こうと思います。

1.冒頭で答えが確定しない問題とは

競技クイズにおいて昔からよく出されている手垢のついた問題はベタ問と呼ばれています。その中には特定の言い回しがなんとなく決まっていて、答えが確定できるような問題があります。
(こういう問題自体の是非はここでは議論しません)
分かりやすい例では語源問題でしょうか。
 例:フランス語で「稲妻」/
 A:エクレア
このような問題では続きを聞かなくても、答えの相場が決まっています。ここではこのような問題を「冒頭で答えが確定する問題」としておきます。
では、次はどうでしょうか。同じ語源問題です。
 例:ロシア語で「結合」/
 A:ソユーズ もしくは コンビナート
この問題は語源だけでは答えが確定できず、もう少し先まで聞く必要があります。語源はいかにもポイントとなるワードがあるので、言い回し系で別の例もあげておきましょう。
 例:その粒の大きさから/
 A:キャビア もしくは 小豆など
このように特徴的な言い回しではあっても、答えが確定しない問題を「冒頭で答えが確定しない問題」としておきます。

2.学生の頃

プレイヤー視点で言うと、「冒頭で答えが確定しない問題」が出る以上、対策をする必要があります。
対策は簡単で、「冒頭で答えが確定しない問題」を覚えれば良いです。もっと雑に言うならば、確定ポイントを覚えれば良いということになります。
上で出した例で言えば、
 ロシア語で「結合」という意味がある、ソ連/
 ロシア語で「結合」という意味がある、生産/
という具合に「結合」では押してはならず、次の分岐点が確定ポイントだと覚えることになります。
私が学生時代はこれが普通だと思っていましたし、対策が必要である以上、「冒頭で答えが確定しない問題」というのは競技クイズへの理解度を計る上で有用な問題であると考えていました。
特にこの考え自体は今も変わらないので、「冒頭で答えが確定しない問題」を否定するつもりはありません。

3.現在

一度競技クイズから離れて趣味として復帰した自分にとって、クイズは正解を出してもらう方が大事だと考えるようになりました。その中で、「冒頭で答えが確定しない問題」はどちらかというとミスリードを誘う問題として回避するようになりました。
元の問題文は生かすことを前提として、少し例をあげてみます。
・元の問題文例
 ロシア語で「結合」という意味がある、ソ連が開発した有人宇宙船は何でしょう?
・回避例
 1966年に初打ち上げが行われた、ロシア語で「結合」という意味のソ連が開発した有人宇宙船は何でしょう?
 現在の最新型はMSである、ロシア語で「結合」という意味のソ連が開発した有人宇宙船は何でしょう?
 ロシア語で「同盟」という意味がある、ソ連が開発した有人宇宙船は何でしょう?

4.まとめ

今回は「冒頭で答えが確定しない問題」について取り上げましたが、基本的にはミスリードを誘う問題を避けるようになったことに基づいています。
ただし、競技性を持たせる上でどのような場面でも避けるべきと考えているわけではありませんので、一つの作問時の考えとして参考程度にしていただければ幸いです。

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