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株の価値をトークンという言葉で考えてみる

新NISAが始まって証券会社に契約する人が増えていると思うが、投資が怖い人に対する話のPOSTがたびたびXに流れてくる。

どうやら株を始めると、お金が減ってしまうのが怖いということらしい。競馬のような馬券の0-1で当たった当たらないで全額失うのが怖いのか、現金が40%程度減ってしまうのが怖いのかまではわからないが、とにかく、そういうことらしい。

一方で、S&P500に連動する投資信託の推奨派の人たちがオススメする理由は、ざっくりこんな感じだと思う。

投資信託は暴落しても0円にはならないし、万が一、40%減みたいな状況になっても長期保有してれば過去の実績的には失われることはなく、なんなら元に戻った上に、しれっとそれ以上の株価になっている。なので、目の前で減ったとしても黙って待ってれば、大体どうにかなる。

って感じだろう。

下記も参考に…

素人にベストとされているプラクティスは、個別株じゃなくS&P500に連動する投資信託にしましょう、かつドルコスト平均法による積立購入によって、分散投資のエッセンスとか、為替や相場変動に負けないための、いろんな人の知恵がすでに詰まっていて、リスクが限定的(リターンも限定的だが)、相対的に安牌だからオススメされてるんだということは理解して欲しいところではありますが、もう少し深堀りすると、株が怖いって人は、株券を買うという行為そのものが理解できてないので、そこをうまく考えられないかと考えた。

株券と言う別の単位のものを購入する。株券は売ることができる。株券そのものには価値がついている。株券の値段は会社の価値を示す。そして、証券会社で買ってる会社の株は、そもそもそんなに簡単に潰れない会社で構成されているので、即座に価値が0になることなんてものはない。

将来的に株券の価値が上がっていけば、売った時にはより高い現金で戻って来る可能性がある。株券の価値の増減は主に景気と企業業績によってもたらされるので、長く儲かる企業の株券を買うと儲かる可能性がある。

試しに書いてみたがわかりにくい…確かに価値が上がることもあるが、下がることもあるというところで、もうわからない人からするとパニックだ。我々も、間違っても、この辺を絶対に儲かるとは言い切ってはいけないあたりから、リテラシーが求められるので初心者には辛い(なのでここを儲かると言い切る詐欺師の付け入るスキなんで、騙されないようにしましょう)

しかし、ここに対する適切なメンタルモデルがあると、現金から株券という単位のものに価値を乗り換えることに対する抵抗が減るどころか、お金が増える構造が見えてくるわけなのだが、その想像力をどう培うか。

トークンという考え方

そんなことをうっすら考えていて、ふと「トークン」という言葉にたどり着いた。トークンとは、Web3の文脈ではデジタル資産と呼ばれ、ビットコインとかドージコインとか、なんとかコインみたいなブロックチェーン上に記載された、何かの取引単位であり、それが作用する機能の価値を示す時に使われている言葉である。

ざっくり言うと、それぞれの世界の商品券みたいな感じに使える単位である。

トークンという言葉を調べると「代替物」や「象徴」などと言われるのだが、株券も企業という機能群の価値を示すトークンと考えることができるのではないだろうか。

Web3のトークンも株券も購入する際には、法定通貨と言われる円とかドルなどの現金で買うための値段がついているが、その後の金額変動については買った時の値段からは切り離された形で価値が変動する。価値は今、売った場合の現金の金額で示される。

株を買うメリットというのは、現在価値である現金から一旦、株券というトークンに価値を移動させて、トークン自体の価値の上昇または下降に対して、将来の現金に戻すことができるところにあるわけだが、トークンに一旦、自分の資産を委ねてしまうことで、自分以外の人たちの手で資産を増やしてくれるから、そういうことをしっかりやってくれる会社のトークンを買いましょう、ということになる。

マイクロソフト村の商品券であるトークンがある。このトークンはマイクロソフト村が大きくなると、買った時の値段よりも高く売れる。これがNVIDIA村なのかマイクロソフト村なのか、はたまた違う村なのかで価値の上昇が変わるから、どの村のトークンを買うのかは選びましょう。

さらに、選ぶのが面倒な人向けに、村の上位500村をミックスして商品券を買えるS&P500ってパッケージが存在していて、それを買うと、成長する村、そうでない村がたくさんあるんだけど、みんな良い時もあるし、コロナの時みたいに全部が悪いときもあるけど、20年ぐらいのスパンで見ると全体では成長してきたよ。このトークンのことを株券とか投資信託って言うんだ。

株を買うとお金が減るかもしれないというのは、単純に企業が信頼できてないからってことでもある。スタートアップで働く人にストックオプションが理解されないから、渡してもあんまり効果がない説ってのがあるのだが、そこに足りないメンタルモデルとは何なのか?それが将来価値と現在価値への視点の置き方の違いであり、ある意味、会社を信じきれてないってことなのだとも思う。

1000円の価値は1000円で確定してるから安心じゃないか!ってのが現金信奉者の思想で、株を買う人は、その1000円が数十年後には100円みたいな価値になってるから、今のうちに増やせる方法を考えないと!って焦っていて、そのために企業に働かせようとする。将来、その結果を受け取るための権利が株券という名のトークンである。

っても、習うより慣れるしかない

教習所で車の実技講習をする時に、自動車の構造理論から教えたりしない。とりあえずミラーのこの辺に白線が来たらハンドルを回して、このパターンで駐車すればOKだから!という感じで教える。主に単一車種で運転経験を得ることができるのが自動車教習所の価値なのだと思うが、何にせよ、まずは習うより慣れて、車の感覚を体に覚えるところから始まる。

結局のところ、ここまで書いてきたよくわからない概念を理解するためには、とにかく証券口座を作って、NISAだろうがNISAじゃなくてもいいから、1000円でも5000円でもいいからS&P500の投資信託を買ってみて1日放置してみて欲しい。その金額が多少増える日もあれば、減る日もある。でも、そんなに金額が変動しないことは体でわかるハズ。

更に、この投資信託を1年ぐらい放置してると、徐々にではあるが増えている可能性が高くて、あぁなんか持ってても損しないんだ、ってなる。少なくとも絶望的に下がるなんてことはないし、馬券みたいに0にもならない。価値を置き換えただけなので、トークンは所有し続けてるからね。

あくまで参考までに…煽っているわけではないのだが

僕も去年か一昨年に、きっとアフターコロナにあわせて株価があがるハズと思って、試しに少量の投資信託を買ってみて放置してると、どんどん増えてきたので、なるほどなと思った次第である。買った直後はマイナスのときもあったかも。

一応書いとくと、これだけを保有して、こんな記事書いてるわけじゃなくて、投資信託よくわからなかったので試しに買った奴ね。eMAXIS Slimは配当金が再投資されるらしいので、このまま置いて継続的にウォッチしてみるか。

今は円安の影響もあり買った時の2倍ぐらいの金額になってるんだけど、だったらあと一桁二桁多く投資できればよかったですが、最初は、もっと投資しなかった悔しさを得るところから始まる。機会損失を悔やむところが大事な気がする。新興国株式なんて長らく微妙なマイナスだったのに、今はプラスになってる。

ちなみに、名前は違うけど、同じ銘柄で構成される投資信託のドル建てで買った新興国株式のインデックスファンドはマイナスに沈んだまま。

こういうのをやってくと円高円安のメリデメも見えてきたりします。

どこかで為替も勉強しないといけないのは確かですね。でも、それも習うより慣れろってのに尽きます。そうやって強くなっていくものかなと。

ここで学んだことは、勝負をかけるのは1日でも早いほうが良い。毎月積み立てていくことで10年20年以上の勝負ができるので、本当に自分の年齢が長期投資の足かせになります。

そして、今は国が新NISAを成立させたいからなのか知らないが円安容認で株価が上がっている状態なので、その感覚を得るには絶好のタイミングだ。もし年初から含み損だったら、ハナからお葬式モードに株に不慣れな国民が耐えられるハズはないので、ある意味仕組まれた状況なのかな?とさえ思ってしまう。この状況が、いつまで続くのかわからないが。


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