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【Web3考】ヤクザ組織から半グレと言うDAOな未来

昔一緒に働いていた金城さんがWeb3に関する記事を書き始めた影響で、Web3について考えることが増えた。

金城さんが書くDAOの特徴としては、

DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の略であり、日本語では自律分散型組織と訳されます。それだけ聞いても「?」という感じですが(僕もそうでしたw)、簡単にいうと社長のいない会社のようなものです。

株主、経営陣、役員などのような管理者がいなくても、ミッション実現に向かってメンバーが自ら自律的に価値提供をして、事業を推し進めていく組織のことをDAOと言います(この組織(Organization)の部分はCommunityやCompanyとも言い換えることができDACと呼ばれることもあります)。

DAOにはコア開発者(コントリュビューター)というプロジェクトの方向性を提示する中心メンバーが存在し、基本的にはそのコントリュビューターが提示する選択肢に対し、DAO内のメンバーたちが投票することで決裁がなされ物事が前に進んでいきます。

半グレという名のDAO

今は、Youtubeから消えてしまったのだが、半グレ組織を取材していた「【1年間の潜入取材】コロナ禍を逆手に暗躍する半グレの全実態 追跡スペシャル【ABCテレビ ドキュメンタリースペシャル#3】」というテレビ番組の取材が秀逸で、なるほど、これがDAOで言いたい世界ではないのか?と考えている。

追記:ぐぐったら見つかった…

動画が見れないので共感を得にくいとは承知の上で、メモだけしておく。

中央集権のヤクザ組織から、分散型の半グレ組織
構成員という組織の一員から、仲間
しのぎという組織の戒律から、働きは自分次第

映像の中で、半グレの人たちは子分を仲間と呼ぶことにこだわっていた。つまり半グレ組織の実態はコミュニティである。そして、まるで草の根パソコン通信ホストのシスオペのようにリーダーも入れ替わるような世界だった。

働き方は、歌舞伎町へのキャバクラや風俗店へのスカウト、オレオレ詐欺などであるが、映像の中では刑務所を出てきて行き場がなく歌舞伎町でさまよっている青年を、そのまま仲間としてスカウトするという映像が描かれていた。とりあえずやってみて生き残れるかどうかは自分次第。入社試験や新入社員教育があるわけでもなく、根性でその場を乗り切って生き残れればコミュニティに参加し続ける世界。生き残れさえすれば周りの仲間が暖かく見守るつながりの世界。分散型コミュニティもそんな感じの実力世界になるだろう。

彼らの暗躍にインターネットという存在は無視できないだろう。変化は周縁からもたらされると考えると、会社という組織からフリーランス的な集合体に変わるという構図が生まれるよりも早く、暴対法で締め付けられたヤクザ組織から、自律分散型の半グレへの変化というのは必然だったのかもしれない。

以下、Web3に対する感想

Web3の文脈ではGAFAが権力の象徴として扱われるが、これは日本では違和感があって(シリコンバレーでは支配的な空気なのかもしれない)、それよりは、ある種の法的秩序を求める完成した国家の中で、反社やブラック企業などを生み出してしまう構図に対するオルタナティブであると言ったほうが個人的にはしっくり来るし、期待値も大きい。

なるほどね。そういうパラダイムシフトを促すのがWeb3と言うソリューションなのであれば、割とすんなりと受け入れられる。言うてネットベンチャー(乱暴に言うとgithubフローで標準化された働き方をする開発組織)が現状の会社法に則った働き方をしていながら、大卒就職先の権威であるSIerからの転職を促すという現状も、もしかしたら中途半端な形態なのかもしれない。

DAOのトークンエコノミーは、キャッシュフローから将来レバレッジ可能なストック報酬としても活用可能な世界を生み出し、総フリーランス化の礎になるのかもと思えばこそ面白い。トークンとして給料が支払われて、今、スタートアップの資金から現金に換金するか、将来のストックかを選べるような感じになればいいんでしょ?ストックオプションと同じく税金どうするの問題はあるけれど。株式資本として見るよりはキャッシュフローがレバレッジ可能な貯金になればいい気がしますけど、まあ深堀するとよくわかってないことがバレるので虚言だと思って聞いてもらえればいいのですが、、、

経営者は再配分可能な原資を産めるかが鍵。アクティビティの評価に対してトークンを支払い続けるのは、株式の代わりというよりは、株式報酬としても使える、お給料というキャッシュフローで賄いたい気分ではありますけどね。直感的には。換金可能なのは、上場前であれば円やドルにペグされてることが前提になるのでしょうし。

それならば測定可能なストックオプションとしてサブセット化可能な気もしますし。不確実で現金化できないプロジェクトについては未来に期待しましょうという側だけで頑張る選択肢もありだろうけど、それだけだと、その人達が成功した後の未来がないので社会の仕組みとしてはちょっと足りない気がします。短期的にバブるのは全然いいと思いますが。

堀江さんが昔のライブドア株を1円単位にしたかったのも、それと同じ感じがします。基本単位を円にペグして価値がレバレッジ可能であるという部分においては。ただ古い証券取引所の仕組みでは処理できなかったと。

ちなみにストックオプション的な議論について見落とされてそうに感じる論点としては、未来を信じきれるか?という部分で未来価値よりも現在価値を重視したくなる側面ですね。それであれば現在価値(主に取得価額)で現金化できるといいかなとは思います。ビットコインも微々たる価値の頃から今も持ち続けられる人は少ないって話はよく言われることですが、ビットコインの将来価値を信じきれなくなったか、法定通貨による現金が不足して売りたくなるという要素は無視できません。

そのため、法定通貨にペグされてるトークンであれば換金できると思いますので、チーム内で売買するなど、その要素は重要なんじゃないですかね。換金できないトークンを永遠に持ち続けるということは紙くずになるリスクも一緒に負うってことですから、バスから降りる自由は渡せるといいですね。だからお給料の一部の方がいいのかなと思ったりします。僕も、ついクレジットカードの支払いに負けて後の壮大な価値になるビットコインを売ってしまったことを後悔し、残りのBTCは紙くず(=ただのデータ)になるまで絶対に売らないと決めていますが、ビットコインコミュニティという壮大な分散型組織がもたらす貨幣価値を信じ続けるためには法定通貨のキャッシュがなければ続けることはできません。

Web3については、ビットコインがDeCentralizedな状態(つまりサトシナカモトという架空の人材を中心に責任が分散していて、こいつ一人を殺せばソリューションが死ぬって存在がいない)で成功したことで、法定通貨とは違う価値観が生まれたことこそが、なにより、その1実装なのだろうし。ビットコインの成功はブロックチェーンというシステムの話じゃなくて、組織の話だったんですね。

なので、まぁ、そういう変革がテクノロジというかソリューションによってもたらされると言うのは若干謎だと思いつつ、githubもエンジニアの働き方を変えたし、そういうことはあるか。おそらくgithubがWeb3を実装し再配分可能な原資を生むことで、OSSの開発者に対する恩恵なども分配される世界が来たらいいでしょう。

普通に国家やGAFAMがWeb3に対応することで面白い世界ができるんだろうなぁというイメージがありますけどね。社会秩序や話の妥当性が成立すれば、別に対立してるイメージがないし。なんでGAFAを引き合いに出してWeb3を正当化しようとするのか全然意味がわからない。(exGAFAの起業の理由にもなってるみたいで、結果GAFAに買収される流れを期待してツッパってるのでしょうかね。誰か空気感を教えて下さい)

中途半端に、既存の社会システムを前提に、つまり、株式会社とかで社会を変えに行ったら、昔の堀江さんとかWinnyの金子さんみたいになってしまうとは思いますので容量用法にはご注意ください(と表面的には書きつつ、久しぶりにぶっとんだのが出てくることは期待する)

p.s. 別の話で、とりあえずメタバースが未来なのはいいんですけど、デザインは何もVRじゃなくてもよくないですか?ゴーグルが酔っちゃって、ついていけないんですよね。何も気持ち悪くなりながら勉強したくないし。


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