急にやってきたリモートワーク時代に知っておいて欲しいたった一つのSlackリテラシー

コロナの影響で、急にリモートワークブームがやってきた。

僕はもういいおっさんですが、高校一年生の時にパソコン通信を始め、趣味としてネットワークにアクセスして、掲示板の管理者をやったりする中で、たくさんの人と出会い、たくさんの人と喧嘩したり軋轢を生んできた経験があります。最初の自己紹介で、いずれ炎上する人がそこそこ見極められる感覚なんてのもあった記憶があります。

オンラインコミュニケーションの中で生きてきたと言う自負はあるのですが、仕事でもたくさんの人がSlackを使うようになって、当時の趣味の世界で起きていた問題やみんなのお悩みが、仕事という日常でも起きるようになって、「あぁ昔起きたことを見てるようだ」となることが増えています。その中でも枝葉の議論ではなく、これを持ち続けると、うまく楽しくやっていけるよ、と言うことを書いてみたいと思います。

それは、

オンラインコミュニケーションに期待しすぎない

です。

LINEを活用している人は既読ステータスに慣れていると思います。ちゃんと対応してくれる人はちゃんとしてくれるけど、ちゃんと対応してくれない人は既読がついていても、相手が、ちゃんと読んでいないという経験はありませんか?

Slackには個別の書き込みの既読ステータスがありません。少なくとも「Slackに送ったから読んでくれているであろう」期待は捨てましょう。

オンラインは、たくさんの人が自由に発言できて共有できます。とはいえ、相手が読んだかはわからないので、「Slackに書いたものはみんな見てくれているだろう」と期待するのはやめて、例え上司といえども見落とす可能性のある仕組みぐらいで思っていたほうが良いと思います。

どうしても読んで欲しいことは、そのことだけをDMするとか、直接話すとかしたほうが良いですし、「仕事をする」ってのはそういう工夫が求められます。オンラインチャットの仕組みの不完全さに飲み込まれてメンタル病んでくとかは、マジで時間の無駄なので、そこは割り切るようにしてください。

その代わり、オンラインの良さは、関係ない人が読んでくれる、とか、仕事上起きていることを俯瞰できる、とか、コミュニケーションの絶対量を増やす方にメリットがあります。つまり全体での把握がしやすい方が重要視されて、個別のコミュニケーションの完成度は、UI/UXも含めておざなりになる傾向にあります。

何より1日に流通可能な情報量の上限に制約がないってのもそうですね。1日一回のmixi日記やはてなダイアリーから、ゴミツイートを連発できるtwitterに移行した通り、情報爆発してコミュニケーションがおざなりになる方が時代の流れとして勝っちゃったんですよ。

個別のコミュニケーションはDMなどで可能ですが、DMで話をするのを避ける会社も多いですよね?つまり、個別のコミュニケーションは、原則、パブリックなスペースでやれって話なんだと思います。これも仕事をするって意味ですね。

Slackでの書き込み「こんなの書いたから見てね!!」と言う通知だけを関係者にDMするのはアリだと思います。つまりPushですね。そうでなく、自分のお悩みを周りがPullして欲しいと期待し続けて、それが外れたりするとマジで時間と心の無駄なので、Pushしましょう!

上司や仕事のメンバーは、お互い時間を奪うものです。奪い合っていいから、結果としてのアウトプットが事業に貢献していいのです。それこそが同じ会社に所属する仲間なのです!特に上司の時間は遠慮せずバンバン奪いましょう!忖度は不要です。

なお、情報量とコミュニケーション濃度は矛盾するのですが、これ自体はコントロールできるのが、「非同期コミュニケーション」の良さで、この最たるものがツイッターだったりしますね。各々が好きに発言して、RTなどでたくさんの人が注目したものに全体として価値がある、という考え方です。

ややこしく言うと、全体視点でのコミュニケーションの可視化に価値があるのであって、個別の連絡手段としては、対面の会話やメールやメッセンジャーのように個が尊重されてる手段と比べて発達してるわけではないどころか、むしろ劣っているのです。

ツイッターで考えてみると、フォローが10人しかいない人のタイムラインと、1000人いる人のタイムラインでは一定時間に流れる情報量が変わります。1000人の情報を見なくてはいけない人のほうが個別の情報は見落としやすいです。この違いを認識してください。つまり相手の立場に立って考えるってことですね。

もちろん、それ自体を業務リテラシーとして周りに期待するのは悪くないし、上司やチームメンバーならちゃんと見ろよって言いたくなる気持ちもわかります。結果としてマネジメントがおざなりになったら、それは上司やプロマネの責任です。それは言い逃れできない真実です。

それでも、こんなものが仕事に導入されて良い面と負の面の両方があるなぁと僕は思っていて、今回話しをしているのは負の面を少しでも減らすために個人でできることの話になります。

いずれにせよ、非同期コミュニケーションの仕組みは、上司部下みたいな密な関係を求められるものには向いてないものは向いてないと僕は思っていて、それでも「時代の流れで、全体最適な便利なツールが仕事場に導入されてるんだよ」は前提条件として知っておいてほしいのと、何より、各位がそこのところは理解していると、相手に期待しすぎなくてよく。何より時間と心を無駄に消費しないコミュニケーションをお互い心がけて欲しいなぁと思います。

リモートワークするなら余計にね!!

若い世代はslackコミュニケーションは当たり前だから割と常識として押し通す傾向にありますが、メディア属性の限界で起きる問題は、僕の視野からは、今も昔も大して変わらんなーと思っているので、そこは保守的にも革新的にもなりすぎず、技術の進化と、そこに引っ張られる人間の限界と寄り添っていくことを時代の流れとして見ていきたいなと僕は思っています。





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