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目標とはなんなのか

エクスキューズ

組織は人によって構成され、人は感情により左右されるため、必ずしも論理的には物事が運ばないことが組織の難しさである。
以下、感情を無視した記述もあるかもしれないが、実運用において感情を無視するのはやめたほうが良い。

はじめに

「目標」とは評価されるからするとか、評価されないからやらないという類のものではない。
そもそも「目標」と「評価」は切り離して考えるべきもので、「目標」は「業績」を上げ、「働きがい」を高めるためのものである。
すなわち「目標」とは「自律性」のためのものであり、「人事評価の仕組み」ではない。
動機付けの方法論である「目標」と人事評価の仕組みである「評価」を組み合わせようとするから歪みが生じることになる。
個人の目標設定はウェットであり、組織の目標設定はドライであることも歪みを生む要因かもしれない。

目標の連関

全社中長期計画→部門中長期計画→部門今期目標→グループ・チームの今期目標→個人目標

目標とは単に「我々がやりたいこと」ではなく、「組織として我々がやるべきこと」が主体である。
勘違いして欲しくないのは、「我々がやりたいこと」を完全に捨てろと言っているわけではなく、徹底的に紐付けをすべきだということ。
その紐付けができないなら、「組織として捉えている課題・目指す姿」と「チーム・個人が捉えている課題・目指す姿」にズレが生じているということになる。

チーム及び個人には「異議を唱える義務」があることは常に念頭に置いて欲しい。
※ 異議を唱えることと、愚痴や文句を言うことは違うので注意。

チーム目標と個人目標

前提として、チームはチーム目標を達成する責務を負う。

組織としてやるべきことに対して、必要であれば個人の成長を目標に入れることもある(例えば新卒であればまずは「エンジニアとして一人前になる」というのが組織目標のための活動)。

個人目標を達成したとしてもチーム目標の達成ができないのだとすると、チーム目標が動機付けとして働いていないか、チームとしての能力が足りないか、それとも他の要素かを考える必要があるが、それによって個人が評価されないということはない。

「チーム目標を達成しなくとも個人目標で評価されないからチーム目標に対するモチベーションが沸かない」というのは、目標のあり方を理解していないということになるし、チームとしての責務を放棄していることになる。
上述したが、目標は評価の仕組みではない。「評価されないから」の時点で前提がずれている。

多くの場合、個人がチーム目標に対する結果責任を「人事評価」の形で負うことは適切ではない。
なぜなら、チーム目標の達成は本人の能力だけの問題ではないからである。

人事評価において、個人は能力を十二分に発揮したかどうか、期待役割に対してどうであったか、に対する結果責任を負うべきである。

どの程度チーム目標の達成に対して個々人が結果責任を負うのかは期待役割(等級)によって異なり、個人目標に落とし込む中で間接的にチーム目標との紐付けを行うので、最終成果である「チーム目標の達成」と「個人目標の達成」の繋がりが見えにくくなることは大いにある。

チームとして立ち向かう

チームはチーム目標達成のための遂行責任があり、遂行の方法に対する裁量がある。
つまり、どう取り組むべきかはチームの自律性に委ねられている。
「誰か1人だけが頑張っているように感じる」などで揉めないように、どう遂行するかはチームで予め握る必要があるし、遂行中にも話し合い続ける必要がある。

振り返り、学習のための目標

目標と指標を設定するのは成果を評価するためのものではなく、活動の結果から振り返り、学習するためのものである。
「XXを頑張る」という目標は頑張ったかどうかという主観的なものでしかなく、何が良かったのか何が悪かったかを判断する基準がない。
具体的な状態(できれば数値)で置くことができれば、振り返るタイミングで状態、数値に対してどうであったかを考えることができる。

参考


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