![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70100355/rectangle_large_type_2_f8e8c6326463de071cefdd8e753cfbef.png?width=1200)
OSPFとBGP、それぞれの違いを解説
![](https://assets.st-note.com/img/1642400215871-zEDUdFXmN1.jpg?width=1200)
異なるルーティングのアルゴリズムにより、IGPにおいて三つの計算手法が活用されている。それぞれは、ホップ数(通信経路上に存在する転送・中継設備の数)重視のディスタンスベクター(OSPF)、コスト値重視のリンクステート(RIP)、そして距離と方向の複合値を重視するアイブリット(EIGRP)である。
![IGP vs EGP、違いを解説](https://assets.st-note.com/img/1642384010089-ywVE6fcSTe.png?width=1200)
OSPFとは
OSPF(Open Shortest Path First)とは、ディスタンスベクター型ルーティングプロトコルの代表であり、通信経路のコスト値で最適ルートを決めるという経路制御の方式である。
SPF(コスト値)アルゴリズムによる経路制御
SPFとは、Shortest Path Firstの略で、宛先までのコスト合計値を計算した上で最適ルート(コストの合計値が最も低いルート)を決めるアルゴリズムである。
![](https://assets.st-note.com/img/1642399591027-UpdK5h95U8.png?width=1200)
![コスト値の計算式](https://assets.st-note.com/img/1642125849523-Ntdd5D3rVH.jpg?width=1200)
コスト値の算出は上記の公式に示す通り、10Mbpsのコスト値が10、1Gbps(1000Mbps)のコスト値が1と見なす。
![SPF(コスト値)アルゴリズムによる経路制御](https://assets.st-note.com/img/1642125876096-saHQv2YjIP.jpg?width=1200)
ルーターAのコスト合計値が4、ルートBのコスト合計値が11。ルートAを最適ルートだと見なす。
また、すべてのリンクが1Gbpsの場合、各ルートのコスト合計値は宛先によって異なる。ルーターAのコスト合計値が4、ルートBのコスト合計値が2。ルートBを最適ルートだと見なす。
![最適ルート(最も小さいコスト値)](https://assets.st-note.com/img/1642126165116-0UHNCbfyqg.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1642213534673-7x5OuwX8Dr.png?width=1200)
OSPFエリアとは
![](https://assets.st-note.com/img/1642400718210-8ObxfzkroR.png?width=1200)
OSPFエリアとは、同じトポロジマップ(LSDB)を持つルーターのグループであり、ネットワークの細分化による通信の効率化を実現した。
LSAとは、Link State Advertisementの略で、OSFPルーターの持つ自分に関する情報(ルーターID、リンク数、コストなどのインターフェース情報)が含まれている。
LSDB(Link State Database)とは、LSAを収納するトポロジテーブルであり、ネットワーク全体の構造いわゆるトロポジマップを反映するデータベースである。
![OSPFエリアの定義](https://assets.st-note.com/img/1642386104793-15jxF4LSEr.jpg?width=1200)
上記の図に示す通り、エリアA内のすべてのルーターが同じLSDB(エリアA)を共有する、エリアB内のすべてのルーターが同じLSDB(エリアB)を共有する。
OSPFエリアの内部と外部
ネットワークの細分化、いわゆるネットワークを複数のエリアに分割し、共通のポリシーやIGPで「内と外」を意味づけた。
関連性の低い情報なら概要だけ掴み、関連性の高い情報を詳しく把握する。そいう基準に則って、エリア内のルーターは所在エリアの詳細なネットワーク構成を記録し、エリアの外に流出させない。
一方、エリア外のネットワーク構成の詳細を知る必要がなくなることは、大規模ネットワーク内のLSAやり取りの削減・帯域幅の節約に繋がる。
![OSPFエリアの内部と外部](https://assets.st-note.com/img/1642387494473-BkBf7jyYdA.jpg?width=1200)
さらに、エリア内のネットワーク構成が変わる場合、各ルートのSPF値もそれなりに変わる。エリア内のすべてのルーターに知らせが届き、共有されたLSDBは更新される。
それに対して、エリア外のネットワーク構成に変更がないため、SPF値の再計算を行わずに済む。
BGPとは
IGPに所属するOSPFとは違い、BGP(Border Gateway Protocol)とはEGPの一種として、AS間の情報通信を管理するルーティングプロトコルである。異なるAS間の経路制御を行い、最適なルートを選出する際に使われる。
パス属性アルゴリズムによる経路制御
ASとは、Autonomous Systemの略で、共通ポリシーを持つルーターやネットワークの集合体を意味する。そのASを区別・識別するために、各ルーターにユニークなAS番号が割り当てられた。
ASパス(AS_PATH)とは、そのパス(経路)上すべてのAS番号を記したリストである。
![ASパス(AS_PATH)とは、そのパス(経路)上すべてのAS番号を記したリスト](https://assets.st-note.com/img/1642390295840-xHyOHjU3ud.jpg?width=1200)
BGPはまさにASパに基づいて最適ルートを決めるルーティングプロトコルである。最も短いASパス(AS数が最も少ない)を最適ルートだと見なして、経路の優先順位を決めるというのはBGPの仕組みである。
![](https://assets.st-note.com/img/1642213500821-zIBFOOf8eQ.png?width=1200)
BGPの仕組みとループ回避
BGPはTCPセッション179番による接続を使用して、経路情報の交換(
OPENメッセージ)を行う。その経路情報の中に、自身のAS番号、ルーターID、BGPバージョン、自分の保有している経路情報などが含まれる。
![経路情報の交換(OPENメッセージ)](https://assets.st-note.com/img/1642391469943-Yi25fqEndE.jpg?width=1200)
また、経路ループを回避するために、受信したASパスに自分のAS番号が含まれている場合、ルーターはその経路情報の受信を拒否する。
![BGPの仕組みとループ回避](https://assets.st-note.com/img/1642392145120-SZMCNiZNTh.jpg?width=1200)
OSPFとBGP、両者の違いをまとめると
![OSPFとBGP、両者の違い](https://assets.st-note.com/img/1642215626043-fP1YoyyhN2.png?width=1200)
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