再出発

19歳の夏。2週間滞在した西表島から戻り、空港から直接リールのメンテナンスへと向かう。

八重山諸島は河川が少ないためか塩分が強く、その影響をもろに受けるリールはすぐにガタが来ていた。塩でダメになったパーツは交換してもらう。

オイルをさし直し、パーツの擦り合わせで性能は新品以上に良くなったリールを受け取る。
数日後には台湾への出発が控えていた。

台湾で目指すのは「ジャイアントスネークヘッド」。本来は東南アジアに生息しているものの外来魚として持ち込まれ台湾に生息している。
日本でも外来魚として時折話題になっているブラックバスが台湾のあるダムではジャイアントスネークヘッドが移されてからは姿を消したという話まで見かけた程でその凶暴さが知れる。

アジアのフィッシュイーターの中でも断トツで人気を誇る彼らを手にしてみたかった一心でパスポートを取るところから準備を揃えた。

どこのダムで釣れるかまでは特定していたものの、それまで日本人がほとんど行っていなかったこともありこれといった情報が掴めない。
ツアーは見つけたがアルバイトで資金を貯めていた自分には手がでない値段だった。

迎えた出発当日。

出発直前は英語も全く出来ないし初めての海外ということでびびりまくっていた。(中学生の頃に先生から「大学生の時に同級生が海外に行って行方不明になった」という話を聞いてから何があっても海外には行かないと誓っていた)

台湾に着いたところで行く当てもないしどうしようか、、、と悩むのも程々に出発となった。
高雄行きの飛行機乗り込むと日本人は見かけられず、中国語が飛び交いすでに異国となっていた。

これからどうなるんだろうという素朴な疑問と心細さは他所に飛行機は高雄へと飛び立ち、10日間の台湾釣行が幕を開けた。

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