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5章 大陸を横断 -東海岸に戻る

5-7 6台目の車

 アメリカにはドライブスルーのATMがよくある。いつもはスーパーマーケットに買い物に行ったついでに店内のATMでおろしているのだが、今日行ったスーパーマーケットにはATMが見あたらなかったので、同じショッピングセンターにあるドライブスルーのATMを利用した。とはいっても、慣れないので使いにくくて、結局車から降りて操作をした。

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 アメリカ南西部や中部は有料道路は滅多にないので、ツーソンとラス・クルーセスで車を替えたときに、どちらも有料道路を通るためのプレートパスが付いてない車だったのだが、ここから先は有料道路が多くなるので、ハリスバーグ国際空港のハーツ営業所へ行って、プレートパス付きの車と替えてもらう。幸いにして今までと同じシボレーのエクイノックスがあったので違和感はない。5月3日にニューアークで車を借りてから、なんと6台目の車である。今までの車はエンジンオイルを交換しろという警告が出始めたところで、本来なら自分で交換してハーツに領収書を送って後ほど払い戻してもらうという手数がかかるのだが、車ごと交換して手間が省けた。テキサスでフロントグラスに石が当たってひびが入ったことの報告書も書いて提出する。

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 同じ車種とはいっても、装備など細かい点が多少異なる。モーテルに戻る途中意味不明の警告ランプがついて電子音が鳴った。レンタカーには使用説明書があったりなかったりで、あいにくこの車にはなかったので、ネットで探して調べてみると、どうやら走行している車線の縁を踏むと警告が出るセンサーが働いていたようだ。ウィンカーをつけていたり、曲がるときなど大きくハンドルを切るときには鳴らないらしいので、要するに脇見をしたり、居眠りをして車線からはみ出すと警告する機能である。最近は、日本でもこの装置の付いている車が増えてきたが、余計なお世話なので、切っておくことにした。

 7月13日、とうとう横断の旅も最後だ。小雨の中を出発。途中事故渋滞に巻き込まれてやっと抜けたかと思ったニュージャージー州マファの州間高速道路287号線で、隣の左側車線を走っていたトレイラーの荷台に砂利が積んであって、危ないのでトレイラーから離れようとするのだが、みんな同じペースで走っているので離れられない。いやだなあと思っていたら、案の定、落ちてきた砂利で、またフロントグラスにひびが入ってしまった。6台目の車に替えた翌日だ。対向車ではないので、前回よりはずっと小さいひびではあるが、最後にニューアーク国際空港でレンタカーを返却するときにまた報告書を書く羽目になった。

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 かくして17時ちょっと過ぎにオーバニーの知人の家にたどり着き、往復8000kmの横断の旅は終わった。