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1章 大陸を横断 -砂漠の町ツーソンへ

1-5 西に向かって出発

 5月9日、オーバニーの知人の家を出て、西に向かって走り始める。目的地はアリゾナ州のツーソンで4000kmくらいある。
 まずは600kmほど北西に進んでペンシルベニア州エリーの町に着いた。ここで2泊。宿泊はマイクロテル・インMicrotel Inn & Suites by Wyndham Erie 。ちょっとわれわれには似合わない瀟洒なモーテルだけど、最初だし奮発。もちろんペットOKでネコは一泊10ドル。コーヒー、お茶、水ほかいろいろな飲み物は24時間無料。朝ご飯付きなのだが、なかなか充実していた。ポップコーン、シリアル3種、ヨーグルト、パン、ソーセージやコンビーフハッシュなど豊富にあり、自分でワッフルを作れる装置があったので、毎朝つくった。ワッフル生地の入った機械があって、レバーを押すとカップ一杯の生地が出てくる。カップに入れた生地をワッフル焼き器へ入れて蓋をして反転させ、2分間焼く。タイマーが付いているので時間になったら教えてくれる。取り出してお皿に載せてシロップや干しブドウなどをかけて、いただきま~す!この先のモーテルでも、まったく同じワッフル作り器を度々見かけた。なかなか人気があったので、日本の朝食付きホテルとかでも取り入れると評判になりそうだ。

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右側の機械で生地を出して、真ん中の機械で焼く 

ホテル裏の駐車場に綿毛がたくさんふわふわと飛んでいる。

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裏の林のアメリカマルバヤナギSalix amygdaloidesの種だ。

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柳の綿毛が飛んで行く状態を表す「柳絮(りゅうじょ)」という言葉があるのをずっと後で知った。アメリカのイメージとは合わないが。
 ここは五大湖のうちのエリー湖の湖畔だ。翌日、エリー湖に突き出した半島にあるプレスク・アイル州立公園(Presque Isle State Park)へ行く。バードウォッチングのポイントで、クロワカモメLarus delawarensis、コマツグミTurdus migratorius、夏羽のミミカイツブリPodiceps auritus、カナダガンBranta canadensis、オオアオサギArdea herodias、マガモAnas platyrhynchos、オウゴンヒワSpinus tristis、ハゴロモガラスAgelaius phoeniceusなどさまざまな鳥が見られた。アメリカヤマセミMegaceryle alcyonかと思われるものも飛んだ。セジロコゲラDryobates pubescensが木をたたいている。レンジャーセンターは開いてなかったが、餌台にアオカケスCyanocitta cristataなどの鳥のほかアメリカアカリスTamiasciurus hudsonicusも来ていた。草地にはトウブワタオウサギSylvilagus floridanusの子どももいた。

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 また半島の根元には、トムリッジ環境センターという立派な教育施設がある。建物の入口にアパート状の巣箱があって、ムラサキツバメProgne subisが入っていた。この鳥はアメリカ中で繁殖をしているのだが、もっぱら人の提供する巣箱を利用しているという。巣箱が昇降できるポールに設置されていて、降ろして点検しているところだった。

 トップの写真はアオカケス(左上)カナダガン(右上)ハゴロモガラス(左下)ミミカイツブリ(右下)