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1章 大陸を横断 -砂漠の町ツーソンへ

1-8 竜巻警報

 5月15日は560kmほど進んでオクラホマ州オクラホマ市近郊のチャンドラーという町へ。途中で、前を車線いっぱいに妙なものが走っているのに遭遇。どうやら家を運んでいるらしい。

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 エコノロッジ・チャンドラーに泊まる。エコノロッジも割と安いチェーンのモーテルだ。ここチャンドラーのエコノロッジは内装などかなりくたびれた雰囲気で、その後2019年に調べたときは廃業していた。
 午後からは空がどんよりしてきて時々雨が降る。夜テレビで天気予報を見たら、オクラホマ州南部やテキサス州北部では竜巻警報が出ている。このあたりは竜巻街道と呼ばれる竜巻多発地帯だ。遭遇しないことを祈る。後に知ることになるが、実際に5日後には、多数の死者が出る大災害となったムーア竜巻が、近くの町を襲った。
 エコノロッジにはウェブではコンチネンタルブレックファーストがあることになっているが、行ってみたらコーヒーしかなかったので、タコ・マヨというチェーンのメキシコ風ファーストフード店に行く。これまた大きくて食べきれない。

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 ニューヨークあたりでは、黒くて騒がしいオオクロムクドリモドキQuiscalus quisculaをよく見かけたが、ここチャンドラーにはさらに大きくて下向きにカーブした長い幅広の尾羽を持つオナガクロムクドリモドキQuiscalus mexicanusがたくさんいる。立派な尾が重そうだ。騒がしくてずうずうしい鳥だが、人のことをよく観察していて、こちらがじっと見ていると逃げていくところはカラスを連想させる。

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 近所にベルカウ湖という貯水池があり、遊歩道がある。駐車場にこれまた立派な尾を持った鳥がいた。エンビタイランチョウTyrannus forficatusといって、オクラホマ州の鳥だ。飛ぶ姿を見るとやはり長大すぎる尾羽が邪魔そうだ。

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 キャンプ場の草地にはシチメンチョウMeleagris gallopavoがいた(トップの写真)。サンクスギビングデイやクリスマスのごちそう材料から脱走したわけではなく、アメリカ中部東部では普通種の野生のシチメンチョウである。大きな体で飛ぶとびっくりする。

 ここのキャンプ場に大きなトラベルトレイラーが一台入っていた。オーストラリアで言うところのキャラバン、牽引型のキャンピングカーだ。電源、水道、下水、テーブル、バーベキュー台、焚き火台がフルに付いたサイトが15$だ。キャラバンで旅行したオーストラリアを思い出す。