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アメリカ大陸を横断したネコ 1-a ミニボンの自己紹介

 おいらはミニボン。世界自然遺産に登録された小笠原諸島の父島出身。由緒あるノネコだった。2011年6月19日小笠原村父島の西海岸で、空腹のあまりご飯にひかれて怪しげな檻に入ったところを捕まってしまった。おいらは自分がいつ生まれたか覚えてないけど、捕まった時の体重は1.1kgで生後3ヶ月くらいだったから、3月19日が誕生日ということになっている。
 この家には、おいらの前に横腹に渦巻きのあるアメリカンショートヘアーのブラウンタビーで、渦巻き模様がシナボン社のシナボンというシナモンロールに似ているというので「シナボン」って呼ばれてた先輩ネコがいたらしい。「ミニボン」ってのは、シナボンを小型にしたシナモンロール。おいらも似たような渦巻きが橫腹にあって時々高級そうなネコだとかいわれることがあるけど、日本ネコの血も入っていてシナボン兄さんより小柄でスマートだったので、ミニボンって命名されたんだ。あ、この家に来たときは小柄でスマートだったんだよ。今はちっともミニサイズではないけど、まあ子ネコの時は誰でも小さいから、「チビ」と名付けられても、成長したらLサイズのネコになったとかよくあることだし。

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 シナボン兄さんだよ

 そういえばマネージャー♀はコウモリの重さ体験というのをイベントでやることがあるのだけど、2リットルのペットボトルを2本、参加者に持たせて「うちのネコの重さです。」と説明したら、一緒に担当していたスタッフが「ネコってそんなに重いんですか。」と感心していたことがある。だっておいら空を飛ぶ必要はないからね。

 と思っていたら、おいら飛行機に乗ることになった。マネージャー♂♀はコウモリの写真を撮ったり本を書いたりするのが仕事だそうで、沖縄に年に何回も行く。ペット可のウィークリーマンションに滞在するので、おいらも何度か同行したけど、空飛びネコなんて、なんという数奇な運命なんだろう。それだけじゃなくて、今度は太平洋を越えてアメリカに3ヶ月近く行くから、おいらも付き合えという。う~ん、おいらの人生どうなっちゃうんだろう。
 アメリカって遠いんだよね。この家のさらに先輩ネコのチョコロおじさんはオーストラリアに行ったって言うけど、それよりももっと遠いんだよね。なんか不安だなあ。飛行機が落ちたりしないかな。「大丈夫ミニボンとわれわれはいつも一緒。一心同体、運命共同体だ」なんてマネージャーが言っているけど、それが心配なんだよ。

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オーストラリアにいったチョコロおじさん