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1章 大陸を横断 -砂漠の町ツーソンへ

1-10 サワロサボテンの町に到着

 ラス・クルーセスは一晩だけで、荒野を450km西に進んで、アリゾナ州ツーソンに向かう。途中で検問があった。ゲートの下に立っている係官の前で停止する。係官はチラッとこちらを見ただけで一言「サンキュー」と行かせてくれた。

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 道路の左側から攻めてくるのは、竜巻ではなくて地上の土がつむじ風で巻き上がった砂嵐、あちこちに「dust stormが発生することがあります」「視界がゼロになることがあります」「注意してください」と標識が出ている。確かに視野に20個くらい同時に見えることもある。注意してっていわれてもねえ・・・

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 ナビの到着予定1時間前になってもまだツーソンまで200km以上残っているのを見て、あれっまた間違えたと気がつく。どちらの州も山岳部標準時に属しているので、時差はないつもりでいたのだが、アリゾナ州はアメリカ本土で唯一夏時間を採用していない(ナバホインディアン居留地だけは夏時間あり)ことを忘れていた。ということでまた時計を1時間戻す。

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 ツーソンが近づいてくると、サワロサボテンが見られるようになる。高さ10m以上にもなって、腕のように支柱が枝分かれした巨大な柱サボテンで、西部劇に出てきそうなやつだ。

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 滞在するのはクロスランドエコノミースタジオ(2020年現在ほかの会社に売却されてSiegel Select - Tucsonとなっている)、ツーソンがとりあえず今回の旅の目的地の一つなので、しばらくここに滞在する予定だ。
 昨日はオクラホマに竜巻が発生して死者が出たのだが、テレビをつけたら今日20日もオクラホマで竜巻発生。強さを示すEFスケールの最高階級であるEF5という強烈な竜巻が、3日前まで泊まっていたオクラホマのチャンドラーから直線距離で50kmくらいのムーアという町を直撃し、小学校などで24人の死者と212人の負傷者が出る大災害になった。警戒せずに竜巻のシーズンに竜巻街道と呼ばれるほど頻発する区域を通ってしまった。知っていれば、もっと南回りのルートを取ったことだろう。

ツーソンまで地図