ネコの帰国
ハリスバーグにいるときから、ネコの帰国準備をはじめた。
ほとんどの書類は日本出発前にできているのだが、最後に帰国前10日以内に、獣医さんに行って輸入届書FormCの臨床検査(Clinical examination)でマイクロチップを確認して、狂犬病の兆候がないという証明をもらう必要がある。
まずは、動物病院の予約をとる。さらにその書類をアメリカ合衆国農務省USDAのオフィスに持って行って裏書きしてもらう必要があるので、USDAの予約も取る。
オーバニーに着いて、帰国6日前にあたる7月15日に予約した近所の動物病院にミニボンを連れて行って、診察を受け、証明書を書いてもらった。けっこう人気のある動物病院で、獣医さんが4人もいるのだが、次から次へと患者が来ていた。予定通りに予約が取れて良かった。59ドル
これで裏書き以外は書類が完成したので、いったん成田の検疫所に書類をメールで送ってチェックしてもらう。翌日には返事が来てOKがでたので、最後に農務省(USDA)の事務所へ行って担当の獣医官にFormCの裏書きを書いてもらい、さらにFormAとFormCの全ページに浮き彫りの公印を押して日付を入れてもらう。狂犬病の抗体価も裏書きしてもらうならば、121ドル、いらないならば38ドル。為替か小切手を用意するようにと書類には書いてあった。事前に日本で抗体価を承認してもらっていたから、いらないかと思って、郵便局で38ドルの為替を用意したのだが、行ってみたら121ドルの方だという。クレジットカードで支払うことができてよかったが、カードが使えるのならあらかじめそう言って欲しかった。
この農務省の裏書きも2日以上前に予約をすることになっている。たぶん担当の獣医官が常にいるわけではなく、他の仕事もやっているためだからだろう。しかし時間まで指定して予約した割には、1時間以上待たされた。
裏書き、公印捺印をした書類を再び成田の検疫にメールで送って最後の確認をしてもらう。臨床検査が帰国の10日前以内で、獣医さんも農務省もすべて予約が必要で、その間に日本の検疫に間違いがないかメールで書類を送ってチェックしてもらうので、とにかくすべてが予定通りに進むかどうか心配で、失敗してミニボンが入国できなかったらどうしようと、心の安まる暇がなかったが、なんとか無事に終了。
ここまではニューヨーク州オーバニーでやって、帰国前日にニューアーク国際空港近くの宿に移動する。5月に入国の際に泊まったのと同じホテルだ。UA79便は11時05分発なので、朝早くに起きて、ミニボンと少し遊んで排便排尿を確認し、移動用のバッグに入れてレンタカーで空港へ向かう。最後のホテルには猫砂、あまった餌、さまざまな猫グッズ、猫トイレまでと大量に不要物を置いてきたので「ごめんなさい、全部捨ててください」とメモを残してチップを多めに置く。
そして最後の関門。ネコのアメリカ出国自体は何の手続きもいらないのだが、空港のセキュリティチェックでバッグをX線に通す必要があるので、ネコはバッグから出して、抱いて金属探知機のゲートをくぐらなければならない。チェックはどこも長い行列ができている。なるべく静かなところがいいと、いちばん端のゲートへ行く。恐がりのミニボンだが、セキュリティチェックの手前でかごから出したときは、興奮したのか妙にキョロキョロ落ち着かない。うっかり逃げられるとこちらは自由に動き回れないので、いちばん緊張する場面だった。捕まえやすいようにベスト型のハーネスを着せておいたのだが、リードは慣れてないので絡むかもしれないとつけていない。ゲートでは人間も靴まで脱いで調べられる。セキュリティゲートには2種類あって、啓子は回転ドアのような機械に入って両手を挙げ、ぐるりとドア状の機械が回ってCTスキャンのようにチェックされる厳しい方に入ったが、ミニボンを抱いている夕志は従来型の金属探知機ゲートを通るだけですんで、なんとか無事終了。車いす用のトイレで、ミニボンのベスト型ハーネスをはずした。
飛行機はほぼ予定通り出発、ミニボンはまた座席の下だ。フライト中にまた一度トイレで様子を確認する。13時55分成田に着陸。13時間50分のフライトだった
空港で荷物を受け取って、同じフロアにある動物検疫のカウンターで入国検疫届出受理書、行きにもらった出国検疫の書類本体とコピー(アメリカ入国ではこの書類は見せただけで返してくれた)を出して、別室でミニボンを出して、マイクロチップの確認と口の中やお尻をチェックされた。
空港からはレンタカー。まずコンビニエンスストアで猫砂を買おうと思ったのだが、空港近くにコンビニエンスストアがない。成田の町に向かう途中で一軒見つけたのだが、猫砂は置いてないという。結局スーパーマーケットで購入して、ミニボンにトイレをさせる。
3時間ほどのドライブの後、無事帰宅。