見出し画像

「山頂でポテチの袋が膨らむのは何故か?」をどこよりも分かりやすく解説

タイトルの通り、「山頂でポテチの袋が膨らむのは何故か?」を小学生でも分かるように易しく解説します。


---


〇山頂でポテチの袋が膨らむ理由



(1)大気中には、沢山の小さな粒が飛んでいます。

 (補足)この粒は分子と呼ばれています。大気中には、特に窒素分子と酸素分子が多く飛んでいます。



(2)この「小さな粒」は、低いところでは沢山飛んでいますが、高いところでは少ししか飛んでいません。

(補足)これは、この小さな粒には重さがあり、重力で地面に引っ張られているため。



(3)ところで、ポテチの袋の中にも小さな粒が飛んでいます。

(補足)これは、袋詰めするときに「窒素」という気体を入れているため。



(4)ポテチの袋詰め作業は低いところ(普通の街)で行われているので、袋の中には小さな粒が沢山入っています。




(5)ポテチの袋は密閉されているので、高いところ(山頂)に持っていっても、中にある粒の数は変わりません。
(沢山入ったままです)



(6)以上より、高いところ(山頂)にポテチの袋を持って行ったとき、
ポテチの袋の外(大気中)は、小さい粒が少ししか飛んでいませんが、
ポテチの袋の中には、小さい粒が沢山飛んでいる(入っている)、ということになります。



(7)ところで、この小さな粒は、ポテチの袋に何度も何度もぶつかっています。

(補足)この時、粒がぶつかることでかかる力を「圧力」と呼びます。



(8)先程お話した通り、ポテチの袋の外側にも内側にも小さな粒が飛んでいますから、ポテチの袋は内側からも外側からも粒にぶつかられています。



(9)この時、「粒がぶつかる強さ」は、大まかにいえば、粒の数によって決まります。

(補足)実際には温度等でも変わりますが、今回の話とは関係がないので割愛します。



(10)先ほど(6)で書いた通り、山頂では、ポテチの袋の外(大気中)には粒が少ししか飛んでいないため、
 外からポテチの袋を押す力は、「弱い」です。



(11)一方、(6)で書いた通り、ポテチの袋の中には小さい粒が沢山飛んでいる(入っている)ため、
 内側からポテチの袋を押す力は、「強い」です



(12)ポテチの袋にかかっている力を比較すると、内側から押す力のほうが「強い」ため、ポテチの袋は外側に向けて引っ張られます。



(13)結果、山頂では、ポテチの袋はふくらむのです。




---------



・おわりに(蛇足)

以上です。
分かりやすく説明できていましたか?


本記事を書いたきっかけは、インターネット某所で見た「高所でポテチの袋がふくらむ理由がどうしても理解できない」という書き込みです。
そういう人が意外と多いんじゃないかな……と思い、書きました。


この件を解説しているサイトは他にもあるようですが、圧力を分子の衝突として(つまり物理現象として)説明している所は見当たらなかったので、その点を詳しく書いてみました。

また、「高度によって気圧が変わる理由」についても説明が避けられているように感じます。
(自明だと捉えているのか、それとも説明が難しいから避けているのか)


こういう物理現象を説明するとき、何処までも噛み砕いていくと、結局は運動方程式とかエネルギー保存則に行き着いてしまい、「この世界はそういうものだから」となってしまうのが歯がゆいところですね。


とはいえ実際には、人が「納得」するためにはそこまで遡る必要はありません。それは我々が実世界に生きており、様々な事例を目にし、無意識に「納得」しているからでしょう。


その納得に助けられながらも、「ポテチの袋が袋が膨らむなんて不思議だ」と疑問に思う心も忘れたくないものです。


ともあれ、疑問に思っている方の一助になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?