Snow Manに救われた話


私は元来アイドルオタクである。
二次元も三次元も、とにかくアイドルという概念が好き。
なのになぜか、SnowManに落ちるまでジャニーズは"ジャニーズの中だったら〇〇が好き"程度でドップリハマることなく来た。
逆張りオタクで、過疎ジャンルばかり好むせいかも知れない。人気マンガでも、推しキャラはあまりグッズ化しない。

とはいえ、繰り返しになるがアイドルという概念が好きなので、ジャニーズにどんなグループがどういうスタンスで活動していて、Jrには今こういう子達がいる。ということは漠然と知っていた。

SnowManを最初に知ったのはたぶんキスマイさんのライブ円盤を見ていた時。
とても綺麗なアクロバットを披露している子達がいた。SnowManと紹介されるのを聞き、そういう名前のグループがJrにいるんだなと知った。

最初に個人名を覚えたのは佐久間さん。
アニオタとして稼働しているTwitterアカウントのTLに「ジャニーズのオタクと言えば宮田くんですが、後輩にこういう子もいるんです!」とISLANDTVのリンクを載せている人がいた。
アニオタってだけで私の中での好感度は高い。

次に個人名を覚えたのが阿部ちゃん。
クイズ番組が好きなので、目にする機会が多かった。とある番組で隣にいたド級のボケをカマしていたのが目黒くんであることはこの時まだ気づいていなかった。
インテリってだけで私の中での好感度は高い。

2人をジャニーズJrとは認識していたが、SnowManだと言うことは知らなかった。

ある日、親友が急に「実はジャニーズJrに推しが出来た」と打ち明けてきた。
親友は私と同じで、2次元アイドルと、3次元だと女性アイドルを中心にドルオタをしているので今回は意外なところに落ちたなと思いながら聞いていた。

2次元のオタクは何故かジャニーズを嫌がる人が一定数いるので、友人は私が苦手かもしれないと思いながら打ち明けてくれていた。なので安心させるつもりで「ジャニーズJrならSnowManは知ってるよ!」と答えた。全然知らないけど。バク転綺麗だったなって印象しかない。この段階では誰一人顔が分からない。なんだったら人数も分からない。

とは言え知ってると言ってしまったし、ジャニーズ推したことないから友人が何言ってるのかわからない瞬間もある。多少は調べておくか。
そんな感じでようやく、佐久間さんと阿部ちゃんがSnowManであることを知った。

そうしている内に友人に「SnowMan増員したね!? やっぱ増員ってどうしてもザワつくよね。年齢差あるのに仲良さそうで素敵だなって思うよ!」とフォローされた。私は増員されてることにすら気づいていなかったけど。

友人の推しが出るので見ていたMステでラウールを初めて見た。表現力がエグい。ちょっと私の知ってる三次元アイドルじゃない。

ある日、SnowManのデビューが決定した。
私はまだ何人組かもわからない。
友人には知ってると言ってしまったせいで、スノ担だと思われている。

一応、デビュー日決定の生配信を見た。
なぜかリアタイ。

SixTONESの方になんか見覚えのある顔がちらほらいる。
後にその"見覚えがある"の答え合わせをした瞬間彼らに落ちるのだが、この段階の私は陽キャがいっぱい……ジャニーズっていうよりEXILE……とか思ってた。

デビュー日が来る。

近所のTSUTAYAが、スタッフの中にファンがいるのか田舎の割に気合いの入ったブースを作っていた。
自由に書ける寄せ書きコーナーとかあった。
あなたの推しは誰ですか!?的な、シールを貼る感じの投票イベントをやってた。

何を思ったのか分からんが、私はかろうじて顔と名前が一致している佐久間くんにシールを貼り、CDを買った。
デビュー日当日である。
後日、デビューシングルがSixTONES SnowMan共に入手困難になっていることに気づき、更にはシリアルコードで配信がみれるとなり過去の自分にめちゃくちゃ感謝することになる。
謎に全形態揃って持っている。オタクの性で、複数携帯あると揃えなきゃいけないような使命感に駆られるのだ。
メンバーも把握出来ていないくせに、しっかり貢献していた。

そこからしばらく空白の時間が流れる。
すっかり存在を忘れていた。
買ったCDは開封はしたものの、一度も聞いていない。

この頃、私は2次元の推しアイドルコンテンツが初のドームライブを控えていた。
好きな声優さんの朗読会もある。
新作の舞台もある。
オタ活が忙しかったのだ。

しかし、コロナ禍である。

ドームライブが消え、朗読会が消え、舞台が消え、代わりにと用意してくれた生配信等のコンテンツが演者やスタッフ側で陽性者が出ることで消えていく。
開催されないイベントのパンフレットやペンライトだけが届く。

めちゃくちゃ病んだ。

何か一つ中止になる事に、誰も悪くないのに謝罪する推し達を見るのが辛かった。
2次元のコンテンツは次が保証されていない。売上次第ではいつサービス終了するかもわからないアプリ。アプリが終わればライブも開催されないかもしれない。
2年待ってやっと出た新曲。次出るのはいつだろう。次ってあるんだろうか。
このキャラクターの声を、また聞けるかすら、保証されていない。
そう思ったら、本当にしんどかった。

もう、オタク辞めるしかないのかなとか思ってた。

あれだけオタク卒業とか意味わからん。生き様だから、ありえない。とか言ってたくせに。

だって推すものが無かったら、オタクはオタ活できないんだよ……。

なんてことを日々考えていた。

そんな中で、TLでSnowManが配信でライブをしていたことを知る。
コロナ禍だから配信なのか。三次元アイドルも大変だな。でも、配信できる資金力がある母体いいな。
資金力がないジャンルは延期も配信もできないんだぜ。
その時はまだ、そのくらいの感想。

そこから更に時間が経って、更にいくつかのイベントが中止になり、その日もチケットの払い戻しで帰ってきた1万円が手元にあった。
その1万円が手元にあることが、私にとっては物凄く耐え難い事だった。

これは推しに払ったお金なのに。
推しの、次の仕事に繋がるかもしれなかったイベントなのに。せめて運営にお金が入るなら払い戻ししないのに。払い戻ししないとチケット販売サイト側にこのお金が入るとか意味わからん。金を払わせろ。

なんかそんな感じのことを考えてた。

とにかくその1万円を持っていたくなくて、尚且つ推しに使いたかった。
何か食べるとか、ヤケ買いするとかも考えたけれど、一度推しに払ったお金だと思うと出来なかった。

通勤ルートにあるTSUTAYA。
デビューシングルを買ったTSUTAYA。
特に用がなくても、新刊チェックに週に一回は寄る場所だった。

SnowManのデビューコンサートのDVDが売っていた。

かろうじて名前を知ってるグループ。
なんとなく、デビューシングルを買ったグループ。
コロナ禍でデビューなのに配信だった人たち。

二度目の"なんとなく"

私は1万円をSnowManのDVDと交換した。
発売初週売上に貢献したらしい。

本編を見てる間はやっぱり見分けられない人おおいし、曲も知らないし、
ジャニーズのライブ演出すげぇ!
配信でもここまでセット組んで特効使うんだ!
この曲結構すきかも
くらいで、なんとなく楽しく見た。

最後のMC

阿部くんの「笑われるかもしれないけど、アイドルってヒーローみたいだと思うんです」

聞いた瞬間に私は泣き出していた。

3次元にもいるんだ。アイドルをヒーローだって行ってくれる人、いるんだ。

阿部くんに、2次元アイドルの推しを重ねていた。

こんな子現実にはいないって思ってた子と、同じことを言っている人が現実にいる。
私のヒーローと、同じことを言っている人がいる。

そして佐久間くんの幕が降りる間際の
「絶対会おうな!」

絶対!? 会おうな!?!?

ジャニーズアイドルとしては、何も変わったことは言っていないんだと思う。

2次元アイドルのステージはどうしても声優さん達が彼らを表現してくれる場所だから、メインコンテンツでは無い。だからライブに次があるかはわからない。そもそもユニットメンバーが全員揃わないことすらある。次回があってもその時全員出演してるとは限らない。また会おうねって言えるの事は本当に少ない。

生きていればいつか会える。

ものすごく当たり前な、3次元のアイドルって生きてるんだっていう事実で殴られた気持ちだった。

私は間違いなくこの瞬間に救われた。
コロナ禍で、もう推しに会えないかもと絶望していたオタクにはクリティカルヒットだった。

そうか、3次元アイドルって生きてるんだ。
サ終しないんだ。
急に存在しなくなることは無いんだ。

2次元のアイドルを中心に追っていた私には衝撃的だった。

ここから転がり落ちるのは早かった。

とりあえずYouTubeの動画を全て見た。
CDも買って、FCに入った。
更に次の月にSixTONESのFCにも入ることを、この時の私はまだ知らない。

SnowManを好きになったのは、たぶんタイミングによる部分が大きいと思う。
でもこのタイミングでデビューして、配信ライブをして、円盤を出して、私を救ってくれたのはSnowManだった。

今まで48Gやハロプロあたりは触ってきたことがあったけれど、現場を踏もうと思う程ではなかったので、3次元アイドルをしっかり追うのは初めてだった。
なので何もかもが新鮮で、グッズもCDも安いし、ランダムじゃなく確定で手に入るし、日々新規絵があることに驚愕した。

正直もうメインジャンルを二次元に戻すことは出来ないかもしれないくらい、今週はあの番組があるから仕事頑張ろうとか、何日には雑誌が発売するとか、そういう小さな楽しみが短いスパンである。それがどれほどありがたいか。

ありがとうSnow Man
9人に、毎日救われています

スノラボに参戦したのだけれど、二次元のオタクをしていた期間が長すぎて
現場で見たSnowManが余りにも画面で見ているSnowManそのもの過ぎて
精巧なホログラムとかなんじゃないかと疑ってます

3次元アイドルって実在してるんですか???

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