見出し画像

幸せの本質って?


「幸せ」
物質的に豊かな国である日本にいて、それを感じることが少なくなってきた。日本人がつい見失ってしまう幸せの本質って一体何なんだろう。ありきたりなテーマかもしれませんが、その本質に深く向き合う機会がありました。これは、全国スペイン語弁論大会に出場し、2位を獲った時の原稿です。ご覧ください。(スペイン語版はこちら。)






あなたは今「幸せ」ですか?




思い切って「幸せ」と言える人がどれだけいるでしょうか。中には自分は幸せじゃないと感じている人もいると思います。




では、幸せとは何なのでしょうか。



お金があって欲しいものが全て手に入って、快適な生活を送ること、

それが幸せと思う人もいるかもしれません。


その一方で友達や人間関係に恵まれた生活を送ること、

それが幸せだと思う人もいるでしょう。




しかし、それが本当に幸せなのでしょうか。

もしお金がなくて、また友達がいなかったとしたら、

それは「不幸せ」なのでしょうか」。




本当の幸せはもっと人間の根底にあると思います。




 幸運なことに

幸せについて考えさせられる体験を今年の夏にすることができました。



私は今年の夏に東南アジアを1人で旅をし、ベトナム、カンボジア、タイの3カ国を陸路で巡りました。




鳴り響くバイクのクラクション

鼻をつんざくようなフルーツのにおい

トイレットペーパーのないトイレ


全てが新鮮でどれも日本とは異なる文化の連続でした。



そんな刺激にあふれている東南アジアのカンボジアで

とある青年と出会いました。


アンコールワットで有名なシェムリアップという都市にある

ゲストハウスで働いていた彼は

僕よりも年上っぽくて

見かけもとてもイケメンで

とてもチャラそうな青年でした。


彼が働くゲストハウスに数泊した後

彼が僕に

「おすすめのクラブがあるけど一緒に行かない?」

と誘ってきました。




「やっぱりチャラいやん!」




と思ったんですけど、しぶしぶついていく事に。



チャラい男のチャラい車にのせられて連れていかれたチャラいクラブ。


お酒をともにかわし、様々な雑談をすること数十分。


僕はひとつ軽い気持ちで聞きました。




「両親はいまどこに住んでるの??」



そして彼からの思いもよらぬ返答が




「俺、親がいないんだ」





僕は開いた口が塞がりませんでした。


なんて軽率だったんだろうという気持ちの反面

このチャラい彼の過去についてもっと知りたいと思い

さらに聞いてみると衝撃の事実が。






「親は僕の目の前で共産党員に殺されたんだ」




ポルポトという共産党独裁者の大量虐殺政策によって

彼の親は彼が生まれてすぐに彼の目の前で殺されたのです。



最大のよりどころである親を目の前で失い孤児になり

路頭に迷った末、寺院に預けられ育った彼。


自分が生きるために物乞いをしたこともあったそうです。



それでも自分の夢をおい続け

今や英語、日本語も堪能で

自分の車も持てるまでになった。


その事実を知った時

「こいつの車チャラいな」と思った自分を

ぶんなぐりたくなりました。



そして、僕は彼に心から聞きました。







「あなたはいま幸せですか?」



彼はこう答えました。






「世界の誰よりも幸せだよ。いま生きているからね。」




本当の幸せの意味がこの時分かりました。


30年前の凄惨な虐殺の過去から立ち直ったといえど

依然として子どもから大人まで貧困、飢えがはびこるカンボジア。

その国で幸せの本質が隠れていました。






最後に冒頭にしたのと

同じ質問をさせてください、










あなたは今「しあわせ」ですか?



                        (プノンペニスト著)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?