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プノンペニスト

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東京在住の在宅勤務会社員が書いています。
運営しているクリエイター

#エッセイ

ラーメンと祖母

 僕はラーメンが好きだ。年間何杯食べているか分からないし、数えてしまうとラーメンは身体に悪いと一点張りのアンチラーメニストに食べ過ぎだというもはやテンプレート化した文言で僕は説き伏される。だから数えることはしていない。一風堂や一蘭、家系から二郎系、日本全国に展開しているチェーン店からこじんまり経営している中華料理屋。どんなお店が提供するラーメンも好きだ。  僕はふと考えることがある。僕はいつからこんなにラーメンが好きになったのだろうと。誰しも何かにハマる時、その今の楽しさを

サイレン

 僕はいまは東京の郊外で一人暮らしをしていて、平日は在宅勤務で働いています。基本的には1人で過ごすことが多くなったが、だんだんその生活に慣れ始めてきました。ただ人と会うことがやっぱり好きだと最近再認識した出来事があって、1人だけで過ごすことに慣れすぎるのもきっとよくないのだなと思ってもいます。またそんな話も書ければいいな。  これから書く話は、なんだか結論があるようでないようなそんなはっきりとしないものです。僕が書く言葉のどれか1つが読んでくださる方の心に響けばいいなと思っ

名付け親。

世界中にはいまだに名前がついていないものがいっぱいありますよねー。 その中でも特に今回はとある現象について その名前をつけようかなーと思っています。 その現象は 普段、スポットが当たるものではなく 時に笑われたりもする でもその本質には光り輝く美しいものがあるもの なんです。 はぁ? ってなりますよね。笑 さぁ、なんのことかさっぱりわからないと思います。 これからその現象の世界へ招待します。 さぁ、以下の3つの情景をゆっくり時間をかけてイメージしてみてく

雪と手袋

1月がものすごいスピードで過ぎ去って もう2月になった あたりまえのように恵方巻きを食べて あたりまえのように豆をまいて あたりまえのようにバレンタインに心を躍らせる そんな2月の始まりだ そして今日は、2月8日 僕はいま家(シェアハウス)にいる 同世代の学生や社会人の男女5人が1つ屋根の下で みんなで和気あいあいと暮らしているのだが そんな温もりに溢れたシェアハウスのリビングのこたつで 1人で座っている みんな出かけているのだ 金曜日の晩は家には人

僕は「大人」になった

ぷしゅ、カッ。 新幹線に乗っていると どこかしこから缶を開ける音がなる。 ぐびぐびぐび 仕事終わりのサラリーマンが やっと腰を下ろして、缶を口元へ持っていく 勢いよく空っぽの胃の中に放り込まれるものは 至高の黄金の液体だ。 それを人は「ビール」と呼ぶ。 今、僕の手元には銀色に光る アサヒスーパードライがある。 そんなに深く考えずに売店で購入したものだ。 飲みたいと思って買ったわけでもないのに つい買って飲みたくなってしまった 小さい頃は、そ

JINSEI DOMINO

パタパタパタパタパタパタパタパタパタ。 ドミノが倒れる音ってこんなかんじかな? 途中で倒れればその音は この世で最も不快な音になる 完成して倒せば この世で最も心地よい音になる 不思議なものだね。 ドミノを眺めてて思ったことがあるんだ。 今日はドミノにまつわる話をしていくね この世に生まれた時から始まる 特別なドミノのことを。 それは どんな並べ方をしてもいい 色も自分で決めてもいい 誰にもそれを止める理由はない 自由なものなんだ。 ただ、1

逆襲

世の中には無くても良いものがある。 蚊だ。 夏になると不快な音を立てて飛び、 人間の血を吸って生きる、小さな悪魔だ。               僕は町中の蚊を撲滅するべく 虫あみとアースジェットを持って 街を駆け回った。一日中街中を走り回り 数えきれない蚊を退治してあげた。 僕はたちまち街のヒーローだ。 みんなは気づいてくれないけどね。 気がついたら日が暮れていた。 家に帰ると疲労からか、 すぐに寝込んでしまった。 ここからは夢の話である。 ふわ

僕はちんちんを持っていない。

僕はちんちんを持っていない。  僕は男だ。トイレは青い方に入るし、もちろんちんちんだってある。  ある日温泉に行った時の話。ランニングをして汗をかいた身体を流すために、一人でいった。休日なのもあって老若男がこぞって湯につかっている。そして僕はサウナに入って体内の水分を一気にかきだし、水風呂に入ろうとした。しかし水風呂というのは冷たいものだ。リンパとか血流とか余分な中途半端な知識が邪魔をして入るのに躊躇してしまう。  水風呂に飛び込む子ども時代が僕にもあったものだと回顧し

絶対に入ってはいけない。

人間にはコントロールできない生理的・本能的な領域がある。 そのサンクチュアリには自分以外の誰からの干渉も許されない。 しかし、そこに踏みこまざるをえない世界に不意に立ち入ってしまうことがある。そんな時あなたは何を考えるか。これはもはや一つのドキュメンタリーだ。   それは晩夏を迎え、秋の風が心地よく吹いたある十月の日のことだった。その夜、田舎に住んでいる僕と友人たちで都心部に出て飲みにいった。終電が早く、一層のことみんなでドミトリーに泊まることにした。二段ベッドがいく