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【Splatoon】ドラフト杯運営を続けて感じたゲームイベント運営の魅力【STP】

自己紹介

任天堂の有名タイトルである「Splatoon」。
WiiUで発売されたSplatoonは全世界で600万本以上、Nintendo Switchで発売されたSplatoon2は1300万本以上を売り上げているビッグタイトルである。
私は、2016年8月からSplatoonのオンラインイベント(大会)である「ドラフト杯」を運営し続けています。
また、プレイヤーのインタビューや、公式大会である「Splatoon甲子園」の解説記事、大会のリザルト報告などを行うゲームメディア「SplatoonTopPlayers」の運営も同時期から継続しています。
イベント運営を4年も続けていると、色々考えたり、感じたりすることが多くあったのでnoteにまとめてみることにしました。
この記事を見て、Splatoonを始めたり、トッププレイヤーの動画を見たり、大会に参加したり…そして大会運営をしてみたい、と思う人が増えたらとても嬉しく思います。
※Splatoonを一切知らないという人は、この記事を見ることがほとんど無いと思いますがこちらから任天堂公式サイトを見ていただければと思います。

Splatoonが好きすぎる

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画像引用 任天堂公式サイトより
https://www.nintendo.co.jp/switch/aab6a/index.html

固く書き出して見たものの、はたから見たらいい年をしたおっさん(36歳)が何をしているんだ、と言われてもおかしくないことをしているなぁとよく思います。
プレイ時間は2000時間を越え、出社前に30分だけとかじりついて練習をし、負ければキレて、勝てば喜んで、金曜土曜の夜は3時まで。ゲームを始めて触った30年前と何も変わっていないですね…
大人になって変わったのは、仕事がある平日に有休を使ってまでゲームをしていることくらいです。(ちなみに今いる会社は、スプラトゥーン2が発売されるので有休取らせてくださいと言ったら、社長が「OK!」と言ってくれた素晴らしい会社です)
それもこれも、Splatoonが魅力的すぎるから…!

1.FPS・TPS初心者でも遊びやすい

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画像引用 任天堂公式Twitterより
https://twitter.com/SplatoonJP/status/1209398557314342912?s=20

大会運営の話の前に、Splatoonの魅力をちょっとだけ話したいと思います。Splatoonが素晴らしいと思う、理由の一つ目はFPS・TPSをプレイしたことのない、未経験者や初心者でもとっつきやすいということです。
ちなみに私も、Splatoonを始めるまで、一切やったことがありませんでした。
Splatoonはキャラデザインが可愛らしく、男女年齢問わずとっつきやすい。
キル・デス(相手を倒すこと、倒されること)という表現こそあるものの、R15やR18に指定されるような、過剰な表現は一切ない。
ゲームデザイン的にも「相手を倒さなくてもゲーム結果に影響を与えられれる」という要素が含まれているのが素晴らしい。
今はやっているFPS、例えばPUBG、Fortniteなどは「相手を倒す」ことが主題で、最終ゴールは「自分以外をすべて倒すこと」に設定されることが大半です。
それに比べてSplatoonは、ゲームルールにもよりますが「インクで塗ること」が勝つための手段にも目的にもなるので「相手を倒さなくてもゲームに勝てることがある」。
もちろん、上位1%に入るようなプレイヤーになるには相手を倒す技術も必要になります。しかし、相手を倒す技術が身につく前に「勝つ喜び・楽しむ喜び」を得られるのは、門戸が広げられているという意味で、とても素晴らしい要素だと思っています。

2.上級者にとっても魅力が尽きない

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画像引用 任天堂公式Twitterより
https://twitter.com/SplatoonJP/status/1155074198240292865?s=20

理由の二つ目は、1で述べたこととある意味反対で、上級者になってもやることが尽きないことです。
最初は友人と遊ぶだけだったり、ランダムマッチで一喜一憂だけであっという間に1日が終わります。たくさんある武器の中から、一つの武器を極めるだけでも相当な練習が必要だし、ステージやルールによっては別の武器を練習する必要も出てくる。
そして、武器性能は日々調整が入るため、環境に合わせて自分自身を変化に適応させていかなければならない。
ランダムマッチにはレーティング制度が導入されているため、上を目指せばエンドレスで戦うことができるし、大会に出ようと思えば、チーム練習が必要になり、個人で戦っていたのとは別のスキルも要求される。
大会も、公式大会である「Splatoon甲子園」「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」を筆頭に、非公式大会も大小多くが行われています。
筆者のプレイ時間は2000時間を越えていると書いたが、トッププレイヤーは4000時間を越えている人も少なくない。
こんなにのめりこめるものなんて、そうそうないと思います。30代になってから、人生を変えるくらいのめりこむゲームに出会えるとは思っていませんでした。

3.見ているだけでも面白い

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画像引用 任天堂公式Twitterより
https://twitter.com/SplatoonJP/status/1190433799571591168?s=20

理由の3つ目は、プレイをしないで見ているだけでも面白い、ということ。
私はSplatoon以外にも色々なゲームを遊ぶのですが、Splatoonはコアゲーマーでなくても見ているだけで楽しい、貴重なゲームだと思います。

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画像引用 MTGアリーナ日本公式Twitterより
https://twitter.com/MTGArenaJP

例えば、私が良く遊ぶMagicTheGathering。世界最古のトレーディングカードゲームで歴史は非常に深く、最近はesportsの波に乗ってトッププロは専業で食べることが出来るようになっています。
トッププレイヤーの配信も多くあり、大会も市、県、日本、アジア、世界と上を目指せば公式大会が無限に広がっています。
ただ、悲しいかな、ライトゲーマーが見ても楽しめるものではない…
もちろんカードゲームという性質上仕方のない部分もあるけれど、地味なのは否めない。あと、何が起きてるのかわかりづらいんですよね。
(でも無茶苦茶面白いので未経験の人は是非やってみて欲しい。そして遊んでいる人は、是非個人的にご指導ください)

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画像引用 LeagueofLegends公式Twitterより
https://twitter.com/LeagueOfLegends

別のゲームで考えてみると、世界のesports業界をけん引し続けているLoL(LeagueofLegends)。世界で最もプレイヤー人口が多いと言われ、大会賞金は億を超える。中毒性が高く、はまればはまるほど奥が深いゲーム。
そんなゲームが面白くないわけがないし、実際面白い。時間泥棒なので、これ以上ゲームに時間は割けない…とそっと諦めました…
ただ「見てるだけ」では、正直楽しみ方がわからないんですよね。
友人に誘われてSJL(LeagueofLegendsの日本でのリーグ)の試合を生で見るために渋谷まで足を運んだことがあります。
最低限の知識はあったと思うのですが、それでも盛り上がりどころとかがいまいちわかりませんでした。

一般的にスポーツとして認知されている「野球」「サッカー」は、プレイしたことがない人でも楽しめます。日本代表の試合があればすごい盛り上がりますし。にわかファンとか揶揄されることもありますが、そもそもにわかファンが生まれる土壌があることがすごいと思います。いつか、ゲームにもそういうものが出てきてほしい…
そして、Splatoonにはそれに近づける可能性があると思っています。派手なエフェクト、シンプルなルールを持っていること(どっちが多く塗れたかを競う、ナワバリバトル)などは、その要素ですね。
とはいえ、まだまだ野球とかと並列で話をするのはかなり厳しいと思っています。ゲーマーとしてのひいき目が入っているのは否めない。ただ、NPBとの連携なども始まっていますし、可能性は0ではないと思います!

大会運営を続けていくうちにこうなったらいいなぁ、と妄想していたことの一つに
「テレビのスポーツ番組と、STP主催のイベント、どっち見るか迷うなぁ」と思う人が、一人でも出てくれたらいいなぁと思っていました。
それが叶っているかはわからないのですが、Splatoonというコンテンツは、それをイメージさせるくらいの魅力を持っていると思っています。

4.そして…大会運営していても面白い

ここまではSplatoonをやっている人なら、多少は思っていることだと思います。そして、大会運営をしている人間として言わせてもらうと…大会運営もとても面白いんです!
ただ、大会運営をしている人、というのはやはりごく限られています。
理由は色々あると思うのですが
・運営の仕方ががわからない
・告知の方法がわからない
特にこの2つが大きな要因になっていると思います。
また、これに加えて
・一度やってみたけどうまくいかなかったからもうやらない
・一度やってみたけどモチベーションが続かないからもうやらない
という、継続できないパターンもたくさんあると思います。

実際、自分も大会運営を始める前は、何も知らなかったです。
そもそもドラフト杯を企画したのが、Splatoonを購入して2か月目くらいで、S+になったばかりでした。
プレイヤーとのつながりもなければ、年齢的に一緒にスプラトゥーンを楽しんでいる友人もおらず、FPS・TPSをプレイしたことも一度もありませんでした。今考えると、良くドラフト杯開いたなと思います…笑
3年大会運営をしていますが、大会前日は胃がいたくなるのは第一回から変わらないし、トラブルがあれば冷や汗をかきます。
完全に一人で運営しているので、至らない部分もありますし、逆にクオリティを上げようとすると自分の負荷が跳ね上がります。

それでも運営を続けているのは「楽しくて、嬉しいから」です。
初めてTwitterアカウントを開設してフォロワーが0から10になって100になった瞬間が楽しかった。
YouTubeに動画をアップして、再生回数が増える瞬間が楽しかった。
大会中にプレイヤーが楽しそうに配信をしているのが楽しかった。
視聴者の方に盛り上がってもらえてるのを見るのが楽しかった。
終わった後、お疲れ様でした、と言ってもらえるのが嬉しかった。
実況解説として参加してくれている人達と「今日疲れたな…」と言い合うのも楽しかった。
視聴者プレゼントを作っている最中も、届いてからお礼のメッセージをいただくのも嬉しかった。
ずっと一人で運営をしてきたが、最近はコラボ的な形でやらせていただくことも増えてきて、企画から終了時までの苦労を分かち合えるのも、とても楽しくて、嬉しい。

沢山の楽しいと、嬉しいが大会運営には詰まっています

ドラフト杯運営を通じて感じた魅力

Splatoonの魅力の一部として、大会運営についてさらっと書いてみました。ここから大会運営の魅力について、ドラフト杯運営を通じて感じたことを掘り下げて書いてみようと思います。
※ドラフト杯を知らない、という方は自サイトで恐縮ですがこちらからどういうコンセプトの大会なのか見ていただけると幸いです。

1.ゼロからイチを作る楽しさ

筆者の場合は、まず「ドラフト杯」という概念を作ったことがとても楽しく、嬉しいことでした。それまでにSplatoonの大会は、基本的に参加者のためのもので、あまり視聴者のためという意識をした物は無かった(もしくは自分が知らなかった)と思います。
ドラフト杯を企画した時、まだSplatoonを買って2か月くらいだったので、何をやろうか色々考えたことを思い出します。
色々とネタ出しをする時に書き散らかす癖があるので、残ってないかな?と思って振り返ってみたら、当時書き出していたノートが残っていました。字が汚くて恥ずかしいのですが、せっかくなので写真を撮ってみました。

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スプラ1の頃に書きなぐったものなので、一番下に「カンストしたい」って自分の願望がさりげなく書かれているのが悲しいですね…(結局カンストできなかった)
それはさておき、当時から今までずっと共通の意識があるのが見て取れて面白いです。具体的に言うと
・チーム分けを抽選で
・みんな強くて、全試合決勝戦
・プレイヤーも視聴者も楽しめる
この辺りは、たぶんドラフト杯の運営が終わる時まで変わらないビジョンとして持ち続けることになると思います。
逆に、実現できていない(しようとしていない)ことでいうと
・告知でのフェイスブックでの活用
・ドラフト杯で組んだチームが、そのまま固定化すること
この辺りは、現状できていない(していない)ことですね。

フェイスブックは、自分が想像していた以上にプレイヤーの年齢層が若かったので、現時点では使う気は無くなっています。
ドラフト杯で組んだチームがそのまま固定化する、というのは自分の意思でどうにかなるわけではないのですが、いつか1チームくらいドラフト杯がきっかけてチームを作ったよ!というところが出てきてくれたら、とても嬉しいなぁと思っています。
ドラフト杯という概念は、気づいたらスプラ界隈の中では広がっていて、いたるところで身内ドラフト杯が行われています。それどころか、別ゲームでもドラフト杯という名前で大会が行われていたりもします。
ゲーム大好きな自分としては、これだけ広大なゲームの世界で、ドラフト杯という概念を自分が作って、それが同じゲーマーの人たちに親しまれていることがとても嬉しいです。

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後、大会運営とは関係ないですが、選手の方への優勝賞品や、視聴者プレゼントを作るのも、ある意味ゼロからイチの楽しみです。
上の写真は、第七回大会の時の優勝者へ送ったモバイルバッテリーですね。
表はイラスト、裏は戦績が見られるようになっています。

後、やっぱり外せないのは、ドラフト杯を第一回からデザイン面をお願いしているアーティスト・デザイナーの稔絵(じんかい)さんのイラスト・PV。これもゼロからイチの大きな楽しみになっています。

2.多くのプレイヤーと話を出来ることの楽しみ

年齢を重ねてくると、新しい知り合いが増える機会はそこまで多くありません。特に自分みたいなゲーマーだと、平日は家と会社、休日は引きこもってゲームをしているため、新しい出会いは皆無です。
でも、大会運営をしていると「同じゲームを愛している人」と、たくさんつながることが出来ます。
年齢性別関係なし。国籍職種関係なし。
もちろん大会運営をしていないと出来ないことではないですが、1プレイヤーとして遊んでいた時より、100倍くらい広がった気がします。

大会運営者は黒子であるべき、という意識を強く持つようにしているため、トッププレイヤーさんとのつながりは多くありませんが
それでも一緒にご飯を食べに行ったり、ダーツをするようなプレイヤーさんも出来ました。
仕事面でアドバイスをくれる尊敬できる友人が出来たり、自分が大好きな絵を描いてくれるアーティスト・デザイナーの稔絵(じんかい)さんと話をしたり、嫁ともスプラを通じて出会いました。
Twitter上だけでのやりとりでも、毎回大会のたびに応援リプライを送ってくださる方や、RTしてくださる方がいます。
何度も送ってくださる方は、名前やアイコンを覚えているので、その方たちとのやりとりも、毎回とても楽しみにしています。

3.誰かに喜んでもらえることの嬉しさ

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(上の写真は、優勝賞品を贈ったプレイヤーさんのツイート。こういうツイートでやる気が充電されます)
大会運営をしていると、良いことばかりでは無くて、時々嫌なことも起こります。特に、運営当初はエゴサを良くしていてネガティブな意見を見ては落ち込んでいました。
殺害予告DMをもらったりしたこともありますし(笑)、どうやったらそういう人に自分の気持ちをちゃんと伝えられるのかと悩んだこともあります。
でも、どこかで「100%の人に理解してもらえるなんて、その前提がおこがましかったな」と吹っ切れました。
同時に「50%くらいの人が喜んでくれるなら、それでいいか」と思うようにもなりました。

大会運営はゴールキーパーみたいなものだと思っていて、0点に抑えること(トラブルなく運営すること)が大前提にされています。なので一つの失敗はすごく大きく取り上げられますし、スムーズに運営されても特に話題にはなることはありません。
でも、時々「お疲れ様でした」とか「楽しかったです」とか、フィードバックをもらえることがあって、それが嬉しくて結局ずっと運営を続けてきました。
ありがたいことに、大会運営者の中ではフォロワーが多くいる為、そういうフィードバックをいただく機会も多いと思います。最初は1回限りで終わる予定だったドラフト杯が、気づけば3年も続いているのはプレイヤーや視聴者の方から「楽しかった」という声をいただけたからだと思っています。

自分はできるだけリプライやDMには、よほど変なものだったり、勧誘的なものでなければお返事するようにしていて、直接気持ちを伝えるようにしているのですが、改めてプレイヤーや視聴者の方に御礼申しあげます。
いつもいただく何気ない一言で、モチベを保ってます!

最後に

こう書いていると、最初は1回だけのつもりで始めたイベントを、関連イベントも数えるともう20回以上継続しているのは、やっぱり楽しんでいるからだと感じます。
オンラインゲームであること、Twitterなどの拡散ツールがあること、色々な要素が相まって、今は個人でも簡単にゲームイベントや大会が開けます。
是非「遊ぶ」「観る」に次ぐ第三の要素として「作る」というのも楽しんでくれる人が増えたらいいなと個人的に思っています。
もしSplatoonで大会を開こうと思ってるけど、運営の仕方がわからないよ!という方は、DMをいただければ自分がお答えできる範囲でですが、お返事させていただきます。
また、noteでドラフト杯運営の際に気を付けていることも、今後少しだけ書いてみようかと思っています。
イカ、よろしく~!

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