見出し画像

連載【癌で死ぬか死刑が先か ・1】 事件を起こした1日

※ お読みになる方へ : 事件の詳細が書かれており、不快な思いをされる場合がございます。ご注意ください。

 事件は2017年3月1日、俺は当時、生活保護を受けていた。朝の9時には区役所に行って保護費を受け取り、ケースワーカーの人と仕事の面接をしていた。ケースワーカーのTさんには何度も一般就労を希望していたが、中々俺の話を聞いてくれない所か、俺は右足に障害があり、他の一般人よりも、丈夫な身体でもなく、また学歴は中卒だ、資格もない、それを見越してケースワーカーは俺にA型就労※を前からしつこく勧めて来る。 
(※就労継続支援A型とは一般企業などに就職が難しい障害や難病を抱えている方に働き場所を提供する目的で定められた制度)

 俺には当時ですが彼女が居た。その彼女と結婚したいという夢もあった。その為に、一般就労で俺的には手取り25万円~30万円は必要と思ってた。
これプラスボーナスがあれば、言う事なしやが、ケースワーカーのTさんの余りのしつこさに負け、ソレイユと言うA型就労で働く積りで 3月16日だったかな?その辺の日に名古屋市障害者の求人は熱田区のハローワークしか無く、そこで待ち合わせる事にして、区役所を出た。
外に出て 自転車に乗り大道路に差し掛か所ら辺にパチンコ屋のカンバンを見付けた。あれ?こんな所に「コンコルド」なんて在ったか?
ここで俺の悪い癖と言うか病気が出てしまい、自転車の方向がそちらに向かう。1万円ぐらいで止めてこうかと頭の中で考える俺…しかし、余にも出ない、気が付けば熱く成り6万円ぐらい使ってしまった。
時刻は夜の7時ぐらいだ。まだ閉店までは4時間あるが、今日は勝てないと思い明日、別のパチンコ店で取り戻す事を考え7時過ぎに店を出た。


 パチンコで負けイライラし、帰りの途中に大声を上げた。本当は、数人に借金や飲み屋のスナックに付けがあり、申し訳ないと思い乍ら、必ずパチンコで取り戻してやるとアパートに向う…
途中に近所と言ってもお互いの家と俺のアパートは出れば見える距離で、俺が帰る途中に、被害者のTさんのおばさんに「こんにちはー」と声をかけたら、「お兄ちゃん遊びの帰り?」
俺「まーそんな所です」
Tさんに「仕事もしてないのにいいご身分ね」と言われ、体に電流が流れた。一旦はアパートに帰ったが、部屋の中で、先程の被害者になってしまうTさんのおばさんの言葉を思い出してしまい、また怒りが込み上げてしまい…
彼女と上手く行かない事や、足の障害の事でなかなか働けないこと、同じアパートの人が孤独死をしてしまい、それに気付いた俺は、大家さんに話し警察を呼び、来てもらってドアを開けたら、もの凄いウジ虫や死体の生々しさや強烈な臭い…余りにもショッキングさに、その光景は忘れる事ができなくなった事…母親の事etc.色々と頭の中が色々な事で支配される。
 
 気付けば、台所のシンクの上に包丁が目に付く、その包丁を俺は手に持っていた…。後は何も考えず、被害者の家に向ってた。
家に入り、靴を脱ぎ、居間を目差して廊下を歩く、居間に近付いた所で、Tさんのおばさんの夫であるKさんと目が合う。
俺は首元を刺していた。こんな表現はなんだか被害者やご遺族様に申し訳ないが、その時に刺した感触は豆腐に包丁を入れている感じて何も感じない…これが現実の世界だと思う。その後、俺は「仕事もしてないのにいいご身分」と言ったTさんを包丁で刺す。何も感じない。
その後、包丁が折れてしまいテーブルの上の小刀を手に持ちその小刀で、またTさんを刺した俺は、この一連を自分ではない別の何かが俺を動かしているように感じていた。身体はフワ~と浮いている感じだし、被害者2人が、体が重なって居る所を5分~10分ぐらいずーと、ボーと眺めていた。
何の感情も無く、俺が我に戻ったのは、両手を自分の目で見て、ワー!!!とビックリして気付いた。
俺は慌てた!目の前の光景が信じられなかった!とにかく、手に付いた血を拭きたかったので、廻りを見てチリ紙を見つけて、手の面を拭いたがチリ紙がベターと 張り付いてしまい、これではダメだと思い廻りをキョロキョロしたら洗濯物が在った。くつ下を見つけ、手にはめた。
 
 そして、直ぐこの場から逃げたいと思った。ガレージ側の窓を見たら車が止っていた。それを見て、その車で遠くに逃げたいと思った…
居間をキョロキョロしてもカギらしい物はなく、車の中にあるのでは?と探しにガレージに入って運転席のドアは開いていたので、車の中を鍵が無いか深したが、見つからなかった。
ガレージから居間に戻り、証拠が残らないように、包丁や小刀を居間に合ったビニール袋を手 に取って、袋に入れた。記憶がしっかりしてないが、テーブルの上に在った財布に目が止まって、財布も持って来てしまった。居間から台所行こうとすると、Kさんの血が広がっていたので跨いだ。その時に俺の右足首の装具の下に血が付いた様に感じた。
 
 俺は自分のも苦手なぐらいなので、他人の血は特に苦手なので気になり、台所のタライに水を入れて、廊下と台所の近くに在った雑布見たいなものに水を流して、右足の装具の裏を3回ぐらい拭いた。
そのタライに残っている水を玄関に流し、俺は現場から逃げた…逃げた先は、まずは俺の住んでいたアパート。部屋に上がりウィンドブレーカーを見たら、血が付いていた。くつ下も血らしいものが付いていて、直ぐに洗濯機に入れて、洗剤を入れて回した。包丁も血が付いていて、何か気になりママレモンで手で洗い、あ、一番最初にした事が抜けていた、まず手を洗った。財布の中味は現金1200円ちょっと、千円だけ抜き取り、証拠となる物は全て家に置いて玄関のドアにカギをかけず逃げた。とにかくこんな現場に近い所には居たくなかった。
 
 自転車で10分以内の所の駅下にコンビニが在り、そこでタバコとビールを買って近くの小さい公園に向かって、一呼吸付ける為に、ビールを一口で飲み、今さっきは余りにもリアルな光景に愕然とした!俺が殺人?まさか~嘘やろー、でもリアルだったぞ…「はー」警察もそんな甘くない。
直ぐ俺に気付くだろう。こうなったら自首が自殺しかないなーと思い乍ら、スナックの付けを少しでも払っとこうと思いスナックに向かった。
そこのママさんは俺にとっては、とても優しい母みたいな方だったので、そのママには不義理はしたくないと思ったのと、出来れば、事件の事を話したかった。が、話出来る感じではなかった。俺の中ではこの人生の中で初めてした殺人の余の大きさに潰れそうになり、誰かに事件の事を話したかった。一人で抱えるには余りにも重過ぎる!殺人なんて、末までは他人事の世界だと思っていたのが、まさかそれを俺がしてしまった!!!!

 ここで俺からの忠告“人間は本来軟弱な生きものであり、陽光を浴びているときと、闇のなかにいるときとは全神経が一変する。過剰という冠のつく状能は人間を必ず不幸にしてしまう。人間は過剰な闇をまとい過ぎるとコントロール不能に陥ってしまうのだ。過剰さは人さえ殺す”
…これはある本に載っていた一節だが、俺のその後の人生を改めて知った事で共感した。俺は過剰と言う闇の中に居たのかも知れない。
決してあの日は陽光を浴びていないのは100%分かってた。
 
 とにかく現実に殺人をしてしまった事を抱え、知人宅のアパートに向かった夜の11時30分過ぎの前に、コンビニで手ぶらでも何んなので酒とつまみ類を買って知人の〇くんのアパートに行った。
彼の自転車は在る。居ると確信する。玄関のチャイムやノックしたり、声を出したりしたが5分しても居留守をされてしまった。
その日は誰にも話が出来ず、インターネットカフェで夜を明ける。
その間一睡も出来ず、彼女の元旦那とよく行くパチンコ屋に向い、彼女が居るか確かめたが居ない。
俺はその間、パチンコをして待っていた。しかし、金が無くなり一旦は店から出た。外に出て時間を潰し、もう一度同じパチンコ店に向かい、やっと出会えた。元旦那と来ていたので、俺は、彼女が渡って居る通路に目を向けて、気付いてもらって、手招きした。
彼女が来て、台側で俺のした事件を話し、もう会う事は出来ないと伝えた。彼女は「待って、なんかしたの?どうするの??」と聞いてきたが、
「とにかく死刑か無期しかないやろ!だからごめんな!」と言って その時は別れを告げて、店を出たが、俺の中でまだ、何か未練が残り、最後に行き付けのツケの出来る居酒屋に彼女を呼び、来るかと言えば30分ぐらいで 行くと言う。
 
 俺は最初居酒屋に入り、20~30分してから彼女が来た。
その後知人の〇くんを呼ぼうと思い電話した。彼も20~30分ぐらいで店に来た。その前に居酒屋のママとかに聞かれたくなかったので、ママにテーブルの一番奥行っていいと言うと、心よく承諾してくれたので席を変えて、〇くんを待った。
その間彼女は事件の話をしているが、信用してなかったかも?
〇くんが店に来て、俺達は酒を頼み、彼女のアイフォンでヤフーニュースとかだったと思うが、俺は検索した…やはり載っていた!!!
この記事を2人に見せて、これは俺がやった事だと伝えました。
なんか周りは信じてねーだろ?だけど、俺の真剣さに少しはもしかしてと言うのはあったと思う。
居酒屋で飲み、その後は〇くんの家で飲みなおすことにした。
酒ツマミは俺が買いに行き、〇くんのアパートで3時間ぐらいは飲んだ、もう俺の腹には自首が強かった。
〇くんは今、仕事で早くに寝ないと朝がキツイので、この辺で先に申しないですが眠りますと。俺は「いいよ!ごめんな!」と言って彼女と飲んでたが俺も知らない間に眠っていたらしい。
 
 俺は目を覚ました。まだ8:00 前の朝だ。彼女は俺に「これからどうするの?」と訊いてくる。「一緒に死のうか」まで言われたが、冗談としか思えないし、一緒に死ぬ意味が無い。
とにかく、家は近場だから歩けるが彼女としては大変な距離だ。
なのでタクシーを呼び、彼女を下して、居酒屋に止めてあった自転車を取りに行き、何か…まだ、シャバに未練が残るなーと思い パチンコ店で時間を潰し少し勝った。
その日はネットカフェに宿り、朝に出て、パチンコ店に入り金が無くなり、近くのコンビニでおにぎりとパンを買って、近くの〇くんがよく行くパチンコ店で食事をした。
店内を見たらやはり〇くんがパチンコに集中していた。
俺が自首すると言ったのに、俺の事が気にならないのか?
冷たいなーと思い、声も掛けずに自首に向かった。

Vol.2に続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?