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第100〜Thank you for〜

あれだけ楽しみにしていたお盆休みの帰省も、いつの間に終わってしまうのだろうと嘆息しなければならいほどにあっという間の3日間であった。

尤も過ごす時間の密度は高く、お会いしてくだすった皆様には、心からの深い感謝を申し上げたい。私ごときとわざわざ会ってくださる方々には、本当に有り難い思いが尽きることが無い。

今はもう殆どしなくなって1年以上が経つ雑談を、学生たちにちょっぴりだけした。やり始めたらあとは勢いのままである。気づいたら調子が乗ってきてどんどん喋らせられる。2,3時間くらいは喋り続けていたかもしれない。そのとき、話を聞いてくれることの有り難さと、話を理解してくれるだけの知能とを持った、極めて優秀な学生たちを教えさせてもらっていたのだということに気付かされた。

相手の知性を活性化させる人間のことを優秀な人と言う。その人がいるだけで、周りは自然と力を引き出されていく。例えば何かのリーダーに向いているのはそういう人物である。

私のつまらない話を熱心に聞いてくれる学生たちは皆、その資質を間違いなく持っている。学生らの高い知性によって私のちっぽけな知性が活性化させられて、そのおかげで言葉が生成されたのである。私の授業はそのようにしてあった。

あの1年間、どうやって授業をしていたのかわからない。同じことをもう1回やれと言われれば絶対にできない。が、それが、一回性の時間と空間を共有する人間のリアリティである。

良い学生に恵まれたとつくづく実感する。私より学生に恵まれた教師など、世の中にいないのではないかとさえ思う。彼らのような魅力的な青年がこれから活躍してくれることを想うと、つい頬がゆるんでしまうのである。

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